暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

京都で読む徒然草

2013年07月08日 | 京暮らし 日常編
最近、「京都で読む徒然草」を読みました。
作者は松村栄子さんです。

ひょんなことで松村さんが我が家・灑雪庵へいらっしゃることになり、
少しあせりました。

             

松村さんの著書「ひよっこ茶人の玉手箱」「雨にも負けず粗茶一服」、
それに芥川賞受賞作「至高聖所」を読んでいたにもかかわらず、
全て横浜へ置いてきて、手元に一冊もありません。

それで、「京都で読む徒然草」をあわてて購入しました。
松村さんの感性が光るエッセイ部分に心惹かれて、一気に読みました。
感想はいろいろあるのですが、松村さんが紡ぎ出す兼好法師像が新鮮で、
改めて人間・兼好さんに興味を持ちました。

             

             

早速、兼好法師と関係があると思われる、ご近所の吉田神社へ

「・・・あのぅ・・徒然草の兼好法師に関係することで、
 何か、吉田神社に伝わっていることがありますか?」

すると、宮司さんらしき人が穏やかに応対してくださって、

「兼好法師は出家されて神職を継がなかったので、
 当吉田神社には何も伝わっていません。
 けれど、兼好法師と関係があったと思える吉田家は吉田中大路町にあって、
 大元宮の下にある朱の大鳥居の南側の一画がそうでした。
 太平洋戦争後まで大きな屋敷が残っていました。
 時代はわかりませんが、吉田家のお姫様が御所に仕えていらして
 御所へ通うために吉田中大路町から近衛通を通って荒神橋へ至る道が
 他所よりも広く整備された・・と聞いています」

宮司さん、ご親切にありがとう!

             

                          

本のあとがきに書いてあるように、兼好法師の経歴や生い立ちなど
確かなことはわかっていないそうですが、そのことを納得しながらも、
吉田神社の境内や吉田山を駆け抜ける兼好さんを追いかけていました。

・・・そして、前から不思議に思っていた、広すぎる道路の謎が少しわかって
嬉しい気もしたのです。

             

さて、「京都で読む徒然草」に立ち返ると、
松村さんの感性で大胆に、いくつかの段をまとめて章立てしているので、
兼好法師の脳の奥底にあるものがわかりやすくなり、
兼好さんにとても親しみを感じました。
特に「京の夏、京の美学」「友人の条件」「努力という名の才能」の章が好きです。
エッセイ部分も含めて一読をぜひお薦めです。

本にサインをもらっちゃいました! 
またどうぞ遊びに来てくださいまし。
                         

             

  本の紹介:「京都で読む徒然草」松村栄子著、
        京都新聞出版センター(定価1333円+税)

       (写真は昨年6月の京都吉田山大茶会(於吉田神社)です)



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。