梅雨の季節に咲くハナショウブの花は叙情的です

　例年より早く梅雨入りしてしまった今年は雨の日が多い感じです。梅雨時に合う花は、水辺に咲くハナショウブ（花菖蒲）の花です。埼玉県南部の川島町にある平成の森公園は薔薇園と花菖蒲園の両方を持つことで知られています。

　同公園の薔薇園のバラの花は盛りを過ぎています。一方、花菖蒲園のハナショウブはちょうど見ごろを迎えています。

　いろいろなハナショウブが花を咲かせています。どちらかというと、水郷のような浅瀬の池を模した花菖蒲園です。その自然な雰囲気の中で咲くハナショウビの花は、今にも雨が降りそうな感じの曇天の空がよく似合います。



　濃い紫色や赤紫色、黄色、白色とさまざまです。









　江戸時代の平和な時代に観賞用の園芸種の花として品種改良が進んだハナショウブは、華やかというよりは、しみじみとした叙情的な雰囲気を漂わせています。

　日本の原風景の風情を感じさせる花に仕上がっています。先人たちが苦心に苦心を重ねた成果です。ハナショウブは江戸系、伊勢系、肥後系の品種に大別できるそうですが、咲いているハナショウブの近くに、品種を説明する立て札が無いため、品種は分かりませんでした。

　この平成の森公園は花菖蒲園の近くに“つり池”と表示された池があり、ご年配の方が釣りを楽しんでいます。その近くには背の高いヨシの草むらがあり、オオヨシキリなどの草むらを好む野鳥が鳴いています。公園は多彩な要素で構成されています。

　公園内にある説明用の立て札を読むと、この平成の森公園は造成・整備に合計25億円もかかっているそうです。そんなに造成・整備費などが高いのかと驚きました。ずいぶん税金をつぎ込んだものです。そんな高付加価値の公園の中で、ハナショウブの花は浮き世の事情に関係なく、静かに咲き誇っています。