昼食に白石名物の「白石温麺」をいただきました

　宮城県白石市の名物の一つは「白石温麺」（しろいしうーめん）という細長い形の麺です。以前にも食べたことはあったのですが、素麺（そうめん）や冷や麦（ひやむぎ）とどう違うのかは知りませんでした。細長い麺ですが、形状は5～6センチメートルぐらいと短い方です。

　昼時に、たまたま白石市の市街地に通りかかったので、白石温麺のお店に入りました。注文したのは、三昧温麺（さんみうーめん）です。冷水にさらして水を切った温麺を、ゴマ味とクルミ味、醤油ベースの3種類のつゆにつけて食べるものです。



　見た目は冷や麦の感じです。ゴマ味とクルミ味のつゆは少し甘すぎる感じでした。醤油ベースのつゆはダシが効いたものでした。小麦の味が感じられる温麺は喉ごしが良く、すぐに食べ終わってしまいました。

　白石温麺は素材が小麦と塩水だけという点が特徴だそうです。油を使わずに細長い麺形状に伸ばすところに技があるそうです。言い伝えによると、約400年前に白石城下に住んでいた鈴木味右衛門が温麺の製法を確立したとのことです。鈴木さんのお父さんは胃が弱く、床に伏していたそうです。旅の僧が教えてくれた油を一切使わないやり方で、小麦と塩水から麺をつくり上げました。この麺を病弱の父親に食べさせたところ、口あたりが良く消化が良かったために、胃病が癒えて体調が回復に向かったとのことです。

　この麺を白石1万8千石の白石城に住むお殿様に献上したところ、「温麺」と名付けられました。消化が良く栄養価が高いなどの特徴が認められて白石名物になったそうです。徳川時代の平和が続いた時には、下級武士が温麺をつくる内職によって家計を支えたそうです。宮城蔵王の山々から流れ出てくる雪解け水の清流が温麺を引き締めてくれるようです。

　白石市街地の中心部にそびえる白石城址です。



　市街地で見かけた「奥州白石温麺協同組合」の看板です。



　市街地では、白石温麺が食べられる飲食店や製麺所、製粉所などを見かけました。

　昼食時に食べた時に、油を使わないことから、細麺の長さが短いのだろうと思いました。乾麺の温麺は見た目以上に高価でした。油を使わないために、細麺の製麺に技が必要だから、その技術代がかかっているのだろうと理解しました。各地の名物には、それぞれいわれがあります。各地に行って、その地の名物を味わえることの幸せを味わいました。