新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「音読・暗記・暗唱」による英語の勉強法

2024-01-13 07:33:23 | コラム
英語はこうやって勉強しよう:

私はもう何十年も繰り返し繰り返して「英語の効果的な勉強法としての音読・暗記・暗唱」を薦めてきた。そして、自分自身と家庭教師と商社での若手の個人指導等で現実的に効果が上がってきたと語ってきた。

だが、残念なことに「その薦めを見て試みてみた」という良い話を聞いたことがなかった。無理からぬ事だと思っている。そこで、今回はその「音読・暗記・暗唱」を実際どのように実行するかを述べていこうと思う。

最初に強調しておきたいことは高校3年次に英語を教えて頂いた鈴木忠夫先生が言われた「音読を重ねて覚えて(暗記して)おけば、英語を話す時でも書く時でも、文法的にも間違った文章など頭からも口からも出てこなくなるものだ」という点なのだ。

音読:
古い言い習わしに「読書百遍意自ずから通ず」がある。音読を10回でも20回でも繰り返している間に、その英文の意味が段々に解ってくるようになるのだ。同時に、それが長い文章であっても「何処で一旦切れているか」も見えてくるようになるのだ。さらに、音読しているのが自分の声であっても耳から入っていくので、自然に記憶できるようになっていくのだ。確認しておくと「私は単語カードも単語帳も作った事がなかった」のだ。

その音読の方法だが、誰か指導者がいて先ず(教科書のlessonを一つでも)正確な発音と抑揚(intonation)で読んで聞かせると良いのだ。それを聞かせた後で、先ずは一節毎に読んで聞かせてから、生徒なり学生なり社会人なりに「今読んだように読んでご覧」とやらせてみる事から始めると良いと思う。それが終われば、次に全ページなりレッスンなりを通読させ、指導者が読んだように正確になるまで何度でも繰り返させるのだ。

ここまでで終わりではなく、言わば宿題のように「本(教科書)を見ないでも、口からスラスラと出てくるようになるまで、何度でも音読するように」と指示する事だ。この音読の繰り返しを自主的に出来ないようでは「英語の理解を上達させようとする意欲がない事」であり、その姿勢を正さなければならない。試みれば解る事で「単調な音読の繰り返し」は面白くも何ともない。だが、何かを学ぶか習得するのに面白い手法などあるかという事。

暗記:
これは「音読の繰り返し」という宿題をキチンとこなしてあれば、造作もない事になると思っていて欲しいのだ。私はこの繰り返しだけでというか、試験範囲をスラスラと暗唱できて、何が書いてあるかの意味が解るようになるまで、ひたすら音読を続けておいた。同様に、中学1年の男児の英語だけの家庭教師を引き受けた時には「1日目にはただひたすら音読させ、次の日には前日に読ませておいた箇所を暗唱できるか」を試すだけだった。

それ以外には理屈っぽい事は一切言わずに「音読・暗記・暗唱」を徹底的にやらせてみた。結果としては(後に親御さんから知らされた事で)この男児は高校を卒業するまで英語は「オール5」だったそうで、教師から「高校教育が英語を学ばせる事だけだったとしたら、君は完璧に出来ていた」と言われたそうだ。事実、中学1年次から始めて2年生の半ばではスラスラと音読できていたし、簡単な会話くらいならばこなせるようになっていた。

暗唱:
これは「音読と暗記」の延長線上にある事で、正確な発音と抑揚と文節毎に切れるように暗唱できるまで読み込んであれば、何の支障もなく出来るようになる事なのだ。ここで重要な事は、上記の鈴木忠夫先生の言葉を引用したように「文法の束縛を意識せずに、正確に言えるようになっている点」が肝心なのだ。

同時に幾ら強調しても強調しすぎではない事で暗唱できれば、書いても平明な言葉を使って文法的にも正確になるものだと指摘しておきたい。言語では「文法が先に出来て、後から言葉を合わせたものではない」という事を良く考えて貰いたいのだ。さらに「外国語の学習では耳から入る、乃至は入れるという作業が非常に大事だ」という事。即ち、公衆の面前でも恥ずかしいなどと言わず思わずに、英語の単行本でも教科書でも音読する事だ。

結び:
これから、外国語の習得を目指そうとされる方は、それまでの我が国の学校教育の手法を一度封印でもして、私が推薦する「音読・暗記・暗唱」を試してご覧になったら如何だろう。自分自身で取り組まれるのも良いだろうし、身近に間違いない正調のアメリカ西海岸(中西部のシカゴを推す人もいるが)のアメリカ語か、キチンとしたKing’s Englishを話す人に音読して貰えれば素晴らしい。「音読・暗記・暗唱」は裏切らないと信じているから言うのだ。