日本ほど治安が良く安全な国はないのでは:
一般的にそうだと信じられているし、外国人でも一度でも日本を訪れた経験がある人たちも、異口同音にそう言ってくれる。ところが、その我が国でも昨日取り上げたように1都3県で14件もの匿流(匿名・流動型犯罪グループ)によると推定されている強盗事件が発生していた。当方はこの現象を捉えて「治安の悪化か」と考えたのである。
再度、広辞苑の「治安」の説明を取り上げておくと「国家が安全に安らかに治まること。人々が安心して暮らせるように社会の秩序が保たれていること」なのである。
なお、Wikipediaによれば「匿流」とは「2023年7月に警察庁が「SNSを通じて募集する闇バイトなど緩やかな結びつきで離合集散を繰り返す集団」と定義した犯罪組織の類型の類型。略称は「匿流」。暴力団・順暴力準との関連も指摘される場合がある一方で、従来型の反社会勢力のような統制がないため、勢いに任せて犯行に及ぶ傾向がみられる。」とある。
私は世界の20ヶ国ほどを経験して「治安が悪い」という事は、1999年に初めてイタリアをパック旅行で訪れた際に、フィレンツエの街中で噂に聞いていたジプシー(ロマ?)の少年たちが新聞紙に隠れて襲ってきた事であるとか、2002年にもパック旅行で訪れたバルセロナでも自由行動になって5分も経たない間に女性が後ろから羽交い締めにされ、所謂ウエストポーチの中身を全て強奪されたような事案を捉えて、「治安が悪い」と言うのだと勝手に解釈していた。
このような現象が街中で頻繁に発生しないという意味では、我が国は治安が良いと言われているのだと考えているし、その安全さは変わっていないと思う。だが、「匿流」による強盗事件が短期間に14件も発生したのでは、如何に街中では危険な状態が発生しなくても、日本の治安が悪化したのではなかろうかという危機感を覚えた次第。
ところが言うか、何と言うべきか、逮捕された2名を見れば「良い若者」風なのである。それでなくてもこのような年齢層の働き手が著しく不足している我が国で、若者が働きもせずに闇バイトに応募して罠に嵌められたのではないかとしか見えない「一攫千金」を目論んでいるかのように見えた。極めて不健全な事ではないか。
犯罪ジャーナリストは「強盗、それに傷害や殺人が加われば重い刑罰が待っていると承知していたのか」と指摘された。今時の若者たちはただ単に「金が欲しい」とばかりに、正業を捨てて匿流に志向するのかとの疑問が生じる。
このような現象を見た論客のTK博士は「日本の現在の治安の悪化は明らかに社会の貧困化が原因の一つでしょう。日本が豊かさを取り戻すことはないでしょうから、治安が良くなることもないでしょう。」と指摘された。
即ち、TK博士は「社会の貧困化」の問題だと見ているのだ。尤もだと思って聞いたが、私は「前途有為であるべき若者が前後の判断も出来ずに、SNSでの誘いに安易に乗って一気に犯罪、しかも強盗までして金儲けをしようと考えた事が貧困のためだけなのか、不況と低成長が続く我が国の将来への希望が見えなくなってしまったのかと考えた。
もし、青年層が将来に望みがないと思い込んで犯罪に走ってしまったのであれば、国家としては看過できない問題ではないのだろうか。確かに、市中には物が溢れ、金さえあれば何でも欲しいものが手に入る時代。誘惑も多いだろう。だからと言って若者が唯々諾々と犯罪に走るのは極めて不健全である。
「強盗などをして逮捕されれば重い罰が待っていると言うよりも、生涯を棒に振ることになる」とは考えないのだろうか。彼等が「強盗をして一攫千金を」と図ったのであれば、思考体系が余りにも短絡的に見えるのも気になる。
この「匿流」とは別の問題だが、タイ人が数千件の銅線泥棒をして各地で太陽光発電所の機能を奪っていたという犯罪もある。この手の窃盗事件は急増している。この犯行も当品を買い取る(上部?)の組織無しには成り立っていないだろう。私はこの手の犯罪は我が国の美風である「性善説」に基づいた警戒態勢の弱さに付け込んだのではないかと見ている。
要するに、我が国では街中では犯罪率(crime rateと言うようだ)も低く安全(safe)である事は不変でも、「貧困化」という社会現象がある一方で、性善説に付け込む不良外国人が我が国の治安を総合的には劣化させているのだと思う。即ち、日本独特の治安の悪化が顕著になってきたのである。
私は「政治がキチンとした仕事をして事態の改善に当たる事」こそが、治安を回復する為に最も有効で、最重要な手段であろうと思うのだ。