新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

選挙が告示されて思う事

2024-10-16 07:14:40 | コラム
輿論という名のマスコミ論調:

早速、複数のテレビ局が得意技の街頭インタビューを始めた。そこに触れる前に「私が政治を論じるときには、全てマスコミの論調に基づいている事」を再確認しておきたい。善意の有権者たちは「政治と金の問題、即ち裏金問題をハッキリと決着させて欲しい」、「改革をして欲しい」、「増税はしないで欲しい」等々の極めて尤もなことを言われた。

残念ながら、私はこれらに皆「輿論という名のマスコミ論調」の影響を受けていると感じているのだ。「裏金」とは政治資金パーティーの売上高を収支報告書に不記載にした事を、朝日新聞が「裏金」として記事にしたことの悪影響を受けたに過ぎないのだ。

立憲民主党の野田佳彦氏でさえ党首討論の中では「政治資金規正法の収支報告書不記載、所謂裏金」と表現していた。そう言うと長くなってしまうので、「所謂裏金」と注釈を付けていたではないか。あの簿外にした金は「裏金」の定義とはかけ離れた性質であると思うのだが。

改革にしたところで、馬場維新代表が第一声で「改革をやってきたし続ける」と叫んでいたのは良いが「政治の何処が悪くて、どのように改革するか」の具体論など聞いたこともない。小泉進次郎氏も総理/総裁に選ばれたら真っ先に改革をやると吠えていたが、具体的な中身は語っていなかった。それでは単なる「自己満足」ではないか。「改革する」といえば「現状が宜しくないから改める」という事だ。

増税にしたところで、私にすら聞こえてくる話では「税制健全化というのか、増収を目指す財務省の断固たる方針があるので、自民党はそれに刃向かう事は極めて難しい」となっている。そういう仕組みになっているのであれば、増税をしないようにと望む相手は、国会議員か候補者たちではないような気がするのは誤りか。彼等は何故そう真っ向から報道できないのか。

冒頭に掲げた「輿論という名のマスコミ論調」とは、嘗て親しくしていた某製紙会社の旧制一高→東大の極めて優れた、尚且つ皮肉屋の部長さんが言われた「輿論という名の新聞論調、市況という名の噂話」のもじりであるが、言い得て妙だと感心していた、彼独特の皮肉であり世相を笑った警句だ。

私流にいえば「承知していることの半分も報じないで、噂話程度しか流さないマスコミ報道に善意の市民が操られていないか」なのだ。彼等がすべき事は「何時までも裏金などと報じていないで、自民党政治の此処とあそこが間違っているので可及的速やかに改革すべし」辺りのことを指摘しても良くはないのか。「世襲は宜しくない」程度で済む問題かは分かっているだろうに。

また、野党に向かっては「本気で政権奪取を狙うのならば、少なくともリベラル派程度が団結して統一候補でも立ててみよ。解散が急だったから時間が足りないなどと姑息な言い訳をしている場合か」くらいのことが言えないのかと思う。こんな事をしているのでは「有権者が正当な判断をして候補者選びをする材料の提供にはならないのではないか」と言ってやりたい。

「裏金撲滅」を「何とかの一つ覚え」のように唱えていてどうなる。彼等は「何故、政治に金がかかるのか」は承知しているはずだが、その実態を伝えようとはしない。地方に行けばどのように金が動くかは、広島の河井事件が余すところなく衆目に曝したが、実態は取り上げられなかった。石破首相は何とか政策費を使うの付かないのとフラついておられるではないか。

石破首相は「信を問いたい」と日本創世解散に打って出られたが、有権者は「輿論という名のマスコミ論調」に惑わされることなく、自分の意志を示して欲しいと願う。以上縷々述べてきたことの意図は「マスコミ批判」でもあるのだが。