新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

10月26日 その2 Los AngelesとNew York

2024-10-26 08:41:57 | コラム
どちらかと言えば私には馴染みが薄い都市:

今朝は間もなくLos Angeles(この発音はロサンゼルスではなく「ロスアンジェレス」が最も英語に近い)のDodgersとNew York(市であって州ではないと思う)のYankeesのWorld Seriesの試合が中継放映される。我が国では大谷翔平君が出場するので、NPBの日本シリーズそっちのけかと思わせられるほどの大盛り上がりだ。

ここでは、野球はさておき、日本とアメリカを仕事とそれ以外も含めれば60回は往復していただろう経験を基に、この大都市を語ってみようと思う。冒頭に述べてあるように、私はこのアメリカ東西の大都市には馴染みが薄いのである。それは、リタイアするまで19年勤務したウエアーハウザーが西海岸のワシントン州に本拠を置く会社だったこともある。

ニューヨークから始めよう:
NYには1972年8月に生まれて初めてアメリカに渡った時に、ほぼ一日滞在したが宿泊はしていなかった。上司の2人がお上りさんの私をCircle Lineというマンハッタンを一周する観光船に乗せて、この大都市を船上から観察させてくれた。その後で有名だと聞いたレストランで夕食を済ませマティーニ(martini)を飲んだ後でも、上司が隣のコネティカット州まで運転して行かれたのには度肝を抜かれた。

故に、市内は殆ど歩いていなかったので、音に聞かされていた治安の問題などはサッパリ解らなかった。1973年に2度目に出張したときには、僅かに余裕があった時間を利用して5番街を歩いてみた。商店街は殆ど店内に自由に立ち入れないようになっているのに「なるほど」と感心した鉄柵のシャッターが降りていた。ある店舗では、それ越しにジロリと当方の顔を見て店主が上げてくれて中に入れた。

道路は汚れていたし、慣れない外国人には「取っ付きにくい街だな」という印象。一泊しただけで次の目的地であるMead社の本社があるオハイオ州デイトンに向かった。

3度目は1991年に本社に出張した後で休暇を取って家内と本格的にニューヨーク見物に向かった。街を歩いていても危険は感じなかったが、知り合いの駐在の方に「交差点などで忠実に信号を守って立ち止まったりしないでサッサとJ-walkした方が良い。彼等はそういう事をする人たちをカモだと見て狙ってくるから」と警告された。有り難く承って守っていた。

次はLos Angeles(LA):
このワシントン州と同じアメリカ西海岸にある大都会には1976年だったかに一度宿泊したことがあっただけで、以後は在職中に市内に足を踏み入れたことはなかった、車で通り抜けたことがあっても。今回のWSの盛り上がりでテレビ局はしきりにLAを取り上げるが、治安には触れていないようだ、フリーウエイの交通渋滞は取り上げても。

2011年にYM氏の提案で州内に住むSM氏と3人で落ち合った際にも、YM氏が取ったホテルは当然のようにLA市内ではなかった。この旅ではYM氏の提案で、LA市の南端になるFashion Districtに行った事があった。運転していたYM氏はリトルトーキョーの近くを通過する際には「ここは当たり屋で飛び出してくることもあるので要注意」と語っていた。

1986年に小学校、中学、高校と同級だったKW君が某商社のアメリカ西海岸統括のEVPに就任したと知って、LA市内の中心にある華麗なるオフィスに旧交を温めに行った。この際にも市内には泊まらず、LAXのエアーポートマリオットホテルを選んでいた。この時以外には市内で食事すらしたことがなかった。

非難されそうなのを覚悟して言えば「アメリカを長い年月経験してLAやNYやシカゴのような大都市の実態を具に知れば知るほど、用心するに越したことはない」と思うようになるのだ。いや、アメリカ以外の外国を知るようになれば、自分の安全の為にも充分に警戒して過ごした方が良いと考えるようになるのである。

20年以上も前のことだっただろうか。イタリアに駐在された外交官が「外国に到着したら、直ちに市内の洋服屋に飛び込んで現地のファッションに合わせたような服を買って着替えなさい」とその著書に書いておられた。上記の2011年にカリフォルニア州に滞在したときには、駐在員は「絶対にお客様を案内しない事」と申し送られてきたと聞いた「ファッションデイストリクト」でこういう出来事があった。

それは「ファッションデイストリクトは治安に問題があるから行かないように」と警告されたのを振り切って、単独で入ってこられた同胞と思しき人を発見した私は「日本からお出でになりましたね。度胸がありますね」と声をかけたのだった。その方は驚きの表情で「精一杯日本人とは見えないように振る舞っているつもりですが、何故分かったのですか」と。

簡単な事で「日本人独特の色使いと着衣のファッションから一目で分かります」と申し上げた。具体的に言えば「我が国のアパレル業者は細かい柄のデザインを好むし、多くの色を使いすぎる傾向があるから」なのだ。白人たちは原色のような明るい色の生地を使い、柄物が極めて少ないので、簡単に見分けられるのだ。しかも、彼等は高齢になって赤だの黄色だのと明るい色を大胆に使うのだ。

現にDodgersのティームカラーのブルーは明るいではないか。LA Angelsの赤いユニフォームも明るかったようだ。こういう色彩感覚の違いは国民性の違いかな。


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