新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

岸田文雄氏率いる新内閣に何を期待するか

2021-10-03 11:07:22 | コラム
岸田内閣には特に何も期待しないことにした:

「何を言うのか」と憤慨される向きもあるだろうが、この「特に何も期待しない」と言うのに、何か特別に具体的な根拠も理論もない。そこにあるものは、アメリカ式の査定での考え方だと思っている「新たに会社に入ったときの持ち点はゼロで、成果が挙がる度に加点され持ち点が増えた者が評価され昇給する方式」であり、我が国の方式だと認識している「新入社員は100点を与えられ更に加点されるのではなく、何らかの理由で犯した大・中・小の過ちによって減点され、最も減点が少ない者から昇進する」という文化の違いに基づいた発想である。

分かりにくいことを言ってしまったようだが、現時点で岸田文雄新総裁(総理になられるのは明4日か)には大いに期待したいところだが、新内閣の閣僚もマスコミ辞令だけである以上、過大な期待を抱かずに、ゼロ点から出発されてそこから先にどれほど急速に大きく加点していくかを見守っていたいのだという意味だ。

私は岸田文雄氏の今日までの過度に慎重で控え目な発言と穏やだかとしか見えない個性を、外務大臣の頃から見せつけられてきた。それだけに、何処までが岸田文雄氏の正体であるかを見せてくれるかに期待しようと考えているのだ。私にはあの総裁選出馬を決められた時の、明らかに最大の権力者・二階幹事長に挑戦したと思わせて貰えた発言からは、かなり無理をして「これまでの岸田文雄とは違うぞ」と叫ばれたのは思い切られたなと見えたし、それ以降の発言からも意を決して「変身したぞ」というか「岸田文雄の真の姿を見せようとされた」と解釈していた。

しかし、現実に河野太郎候補を決選投票で大差で退けられた辺りからは、と言うかそれ以前でも、多くの政治専門のジャーナリストやマスコミは「3Aの掩護があってこその勝利だ」という意味の事をあちこちで表明するようになっていた。私のような一般人としては、実際に舞台裏で何か起こっていたかなどを知る術はないので、その種の報道を単純素朴に受け入れるしかなかった「政治とはそういうものか」と。それを横から見ていただろう枝野は、例によって悪口雑言の類いかと思わせる「自民党は変わっていないし変われない」と言って揶揄した。

そして、岸田氏が「老壮青を起用する」と声高に言われた自民党の幹部人事が発表された。最も若くて驚きの起用だと報じられた当選3回の福田達夫は54歳であり、平均が64歳と知らされて「矢張りそうなるのか」と感じた。マスコミ報道では「論功行賞」であり「恩返し」だと手厳しかった。だが、報道機関が言うことしか判断の材料を与えられていない当方は「岸田氏にはそれ以外の選択肢はなかったのだろう。何分にも小石河連合の一斉射撃から十分に掩護して貰ったのだから」と受け止めた。

本日辺りからテレビと新聞が報じている入閣見込み(予定?)者の顔ぶれを見ても、岸田氏と側近の苦労のほどがチラホラと見えてくる。枝野は「自民党は変わっていない云々」と腐したが、自由民主党を構成している議員たちの顔ぶれが変わった訳でもなく、派閥と言われている集合体の領袖が変わっていない以上、変われないのは当たり前ではないのかなと思わせられた。岸田氏に与えられた重大な課題は「その内閣の構成でどのようにして、最大の効果を発揮して国家と国民を守るかの手腕が問われていること」なのだ。

岸田氏は第2次安倍政権内にあって外務大臣を4年有余勤められ盟友だったはずの安倍晋三氏の政権運営の手法を間近で見てきたはずだし、菅政権下では何処かのジャーナリストいみじくも表現した「コールドライス」を食べて臥薪嘗胆してこられたのだから、鳩山由紀夫元総理のように「私にだって腹案はあります」のような安易な姿勢で、総理大臣を目指されたのではないと期待している。3Aの掩護があろうと、難しい組閣をされようとも「自分で作った内閣で最大限の国家と国民の為の貢献をされ、可及的速やかにゼロ点から100点を獲得して貰いたい」のである。



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