新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「そんな事があったとは知らなかった」

2024-07-03 07:41:03 | コラム
TBS「報道1930」に教えられた「知らなかった事」:

「知らなかった」と衝撃を受けた事があった。昨2日夜の松原耕二が司会するこの番組には「大いに教えられた」と同時に「情報化というかSNS時代の恐ろしさと、それに乗り遅れるとどうなるかということ」もイヤという程知り得たし、あらためて学んだのだった。

それは、あのジャニーズの故喜多川某による性加害の摘発以降に起こっていた(私のような時代に遅れた存在には)思いも及ばなかったSNSによる「思い切って被害を名乗り出た人たちに対する誹謗中傷と、その心なき行為が新たに巻き起こした余りにも酷い精神的な加害」だったのである。

その更なる被害に極限まで悩まされて、奥方の故郷であるアイルランドに移住されたN氏がリモートで登場されて、被害の実情を詳細に語っておられた。その誹謗中傷の悪質さと陰湿さと低級さには「我が国民はそれほどまでに低俗化し悪質化していたのか」と慨嘆したくなった。要するに「被害を訴えたことでジャニーズ事務所とやらを潰したのが怪しからん」等々で聞くに堪えない内容だった。

N氏はその攻撃に1年間曝され続けていたし、奥方も写真を撮られてサイトに載せられて標的にされる等の被害の連続に心身共に限界に達して、アイルランドに移住して難と被害から免れようとしたと語っておられた。彼は「スマイルアップ社は被害者を救うと言うが、それだけではこういう加害の防止には及んでいない。更にジャニーズ所属のタレントたちは無関係であるとテレビ局が使い続けている姿勢は疑問である」と指摘しておられた。

私の意図は必ずしもN氏他の被害者を誹謗中傷する不逞の輩の酷さを責めるだけにあるのではない。「私のように高齢化しスマホ時代に容易に適応できず、その文明の利器を固定電話の代わりに持ち歩いている程度では、現代のようにICT化やディジタル化が異常に進んで、SNSで無数の情報が氾濫すれば、新聞やテレビや週刊誌等が提供してくれる情報だけでは、時代に置いて行かれるのだと痛感させられた」と言いたいのだ。

不逞の輩が被害者を誹謗中傷するというニュースだけでも充分に驚愕させられるが、SNSが若年層に遍く普及した(ような?)時代の急速な変化を、今更ながら思い知らされたのだった。今朝程も何処かの局のニュースで「高校生が『裏アカ』(って言うらしいもの)を持っている率が50%に迫っていて世界で最も高い」と報じていた。ニュースの狙いは「これが世界に誇るべきではない」と言いたいように聞こえたが、高校生たちには嘲笑されないか。

橋下徹氏が最新のPresident誌で情報の信頼度を最低の1から最高の5まで順位を付けておられたが、最低はネット情報と噂話とされていた。情報の氾濫時代は何も今になって始まった訳ではなく、当方が新卒で入社した昭和30年(1955年)頃に既に課長代理級の人に「情報氾濫の時代にあっては、その確度/信頼度を見分けないとえらいことになるから注意せよ」と教えられていた。

断っておくが、当時では固定電話が家にあるのはごく限られた高い地位の公職にある人だけくらいのもので、恰もステータスシンボルの如きだったのだ。