新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月4日 その2 やあよ様のコメントに答えて

2024-07-04 15:39:16 | コラム
やあよ様 

コメントを有り難う御座いました。

ご指摘のように「マグカップ&ソーサー」とは、天下の大メーカーAsahiの見識を疑いたくなります。私も学生時代に3年も続けたアルバイトで“cup and saucer”を知りましたので、深く馴染んでいた言葉です。また「マグカップ」という言い方は何となく聞いた記憶があります。

そこで、検索してみればWeblioには納得がいく解説がありましたので勉強になりましたので、ご参考までに引用してみます。

>引用開始
日本語で「マグカップ」と呼ばれる飲み物用の器は、英語では単にmugと呼ばれます。
mug は取っ手のついた比較的大きめの容器を指す呼び名で、語彙の粒度としては cup と同等、相互に交換可能な語です。mug ≓ cup 。つまり、mug cup という言い方は「チゲ鍋」とか「冷却クーラー」とか、「ハンドルネーム名」と言うに等しい重言なのです。
日本人は「マグ」と言われてもピンと来ないので、日本語としては「マグ(という種類の)カップ」という補足的な呼び名もアリといえばアリでしょう。ということで、マグカップは和製英語と割り切って、英語では mug と表現しましょう。
<引用終わる

納得がいかれたでしょうか。

これなどはほんの一例に過ぎませんが、カタカナ語排斥論者の私が常に慨嘆しているように、我が国の何処かに潜んでいるカタカナが語製造業者たち(もしかしてD通かも)は元の英語の意味も発音も、辞書を引いて調べる手間を省いて恣意的にカタカナ語化してしまっているようです。このmug等はUKのOxford English Dictionaryで確かめれば「マグカップ」はあり得ないと解ったはずです。

余談になりますが、このOxford (University)を何の躊躇いもなく「オックスフォード」とカタカナ表記するのも困ったことです。英連合王国の発音をカタカナ書きすれば「オックスフォド」となり、アクセントは第一音節にくるのです。「オックスフォード」はUKの人たちが嫌うアメリカンイングリッシュの発音に近いのです。これくらいのことをキチンと調べてからカタカナ語化した方が良かったと思うのです。

次はご意見に対する異論のようなことになるかと。それは、私は長年「小学校から英語教育を実施」には絶対反対の立場を取っております。理由は数々ありますが、第一は「その早い頃から始めずに、中学校1年からで十分である」と、私自身と今日までに数多く実社会で来た優れた英語の能力の保持者たちは、中学から学んでいただけ」でしたから。

第二は「小学校では特に英語の教え方を大学等で専攻してきた訳ではない、普通の担任の先生が教えている」と聞いたからです。無理がありすぎます。また、ELTだとか称して何処かの国からnative speakerを連れてきて補助させるのもgood ideaではないと疑います。その外国人の資格も問題ですが「如何なる階層の出身で正調乃至は正統派の英語を教えることが出来るのかを誰が見分けて採用するのか」という疑念です。あり得ないでしょう。

この意味は「多くのアメリカ南部の出身者はきつい訛りがあるから」であり、同じ英連邦(UK)でもLondonにはCockneyと呼ばれる独特の発音があってとても推薦できません。これと同様な訛りというかアクセントは、オーストラリアやニュージーランドの人たちにもあります。簡単な例を挙げておくとAustraliaを彼等は「オーストライリア」と発音するというようなことです。

第三には、言い出せば長くなりますが、我が国独特の英語教育で「単語を沢山覚えることが重要」となっています。だが、英語という言葉を構成する部品を沢山覚えても、それらを的確に繋いで文章を正確に構成できるのかと言えば、そうとはならないと言います。「言葉の意味を記憶するのではなく、その言葉を作文(書き言葉)の中や会話の中でどのように使えて良いか」をキチンと教え且つ学ばせることを優先した方が良いでしょう。

ここまでで締めくくるとして、私は、嘗て某大手製鉄会社の副社長さんが、「小学校から教えると決まった」と聞かれた後で「万人に強制することだろうか」と言われたのが、問題の核心を突いていると思っております。

真一文字拝

医学界の専門語を考えてみれば

2024-07-04 08:57:46 | コラム
「ブラックペアン」が気になったで:

TBSだったかがこのように題したドラマの、言うところの「番宣」を繰り返しているのが気になった。それは“black pean“とでもなるのだろうが、それは英語とドイツ語の組み合わせだからだ。

調べてみれば「ペアン」とは「止血鉗子」のことで、“pean“がドイツ語で、英語では“pean forceps“となるのだそうだ。アメリカの病院勤務の経験がある看護師さんは“pean“の発音は「ピーアンとなる」と指摘されていたが、尤もである。

いきなりカタカナ語論から入ってしまったが、本稿の趣旨は「医学用語は今や英語が主体になっているようだが、上記のように(米倉涼子主演等の)テレビドラマでは「ペアン」(pean)」や「コッヘル」(Kocher)が出てくる。そこで、私が経験した医学用語の変遷を取り上げてみるのも一興か」と思った次第である。

私は昭和35年(1960年)12月に急性ヴィールス性肝炎で、横浜警友病院に約1ヶ月半も入院したことがあった。その頃は完全にと言って良いだろうドイツ語の時代。患者である私は“Kranke”、「胃がん」は“Margen Krebs”、「死亡」は“Sterben”、「午後は空いていますか」と看護婦さんが医師に問いかける時には「午後はフライですか」即ち“free“の意味で”frei“を使い、「退院」は”Entlassung“で「エントラッセン」となっていたと記憶。

このような医学用語は時と共に英語化されていったようで、患者を「クランケ」などと呼ぶ病院も医院もクリニックもなくなったようだ。気が付けば薬の名称も「ドイツ・バイエル・アスピリン」も“Bayer”は「バイエル」ではなく「ベイヤー」と英語読みも出てきていた。また、アメリカのジョンソン&ジョンソン社のTylenor(タイレノール)も大いに普及していた。

私は2006年1月に1回目の心筋梗塞を発症した際に命を救って頂けたのは、カテーテル(ドイツ語でKatheter、英語でCatheter=キャセター)による経皮的血管再生術だった。何故か、国立国際医療センター病院でも「カテーテル」のドイツ語読みの儘だった。

さらに2006年末に皮膚癌が発見された時には、主治医は生検の結果で「悪性腫瘍でしたから手術で切除します」と言われてPCを私の方に回された。だが、衝撃を受けたのでそこに出ていた英語での病名は覚えていなかったが、”malignant“という単語はなかった。

英語化された専門語の例をいくつか挙げていけば、「カルテ」(=Karte)もPCに組み込まれているようだ。だが、「カルテ」という呼び方が聞こえなくはなったが“patient’s case record”だの“medical sheet“などと言う英語の表現は使われていないと思う。「慢性の心不全」を抱えている私は6週間置きの検査で最も気にしている項目BNPも,英語で“Brain natriuretic peptide“という英語の略語。

救急隊が使っている専門用語も取り上げておこう。私が何度も搬送して頂いたお陰で覚えたものの中で、病名や症状を現すのは「心筋梗塞」はAMI=Acute myocardial infarctionであるし、CPA=心肺停止は“Cardiopulmonary arrest“なっていて、全てが英語である。

ここまでで指摘したいことは「現在の医学界では専門語の英語化は進んだようだし、コンピュータ化も進んだので、医師を目指す方は読解力や会話の能力も必要かもしれないが、英語そのものに日頃から慣れ親しんでおかねばならない雰囲気を感じている。個人的な興味と関心から話をやや深掘りしてしまった感があるが、何かのご参考にでもなれば幸甚である。