新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

時代が変わってきたようだ

2024-07-20 07:19:11 | コラム
この世には難儀なことが多くなった:

Outage:
アメリカではこういう言葉を使って、MSとクラウドストライクが引き起こしたシステム障害の大問題を表していた。ジーニアス英和辞典には「電力・ガス・水道などの供給停止。停電」とある。当方は「停電」のことだと思って使ってきたが、アメリカのマスコミは今回の全世界的出来事を、outageを使って表現している。

当初のニュースだと、良くある「コンピュータシステムのダウン」という程度の受け止め方をして、数あるマクドナルドの店舗の中の幾つか営業停止に追い込まれたようだと見ていた。ところが、現実はそんな生やさしい事案ではなく、全世界的に障害が起きていて、中にはパリオリンピックの開催に影響が出るのではとの観測まであった。

30年程前のことだっただろうか、当時通っていたジムのフロントでは屡々システムがダウンして入館の受付が不可能になり、事務方全員が入館者の会員番号を手書きして受け付けざるを得なくなり長蛇の列が出来たことが何度もあった。中には「だから、コンピュータよりも人の手の方が間違いないと言うんだ」と怒っていた人もいた。

今回はこの事故を何億倍も規模を大きくした障害ではないのかと思う。何事にも「コインの裏側がある」というのが私の持論だが「優れているはずのシステムの裏側には何処か予期せざる脆弱性があるから要注意かな」と思っている。何とか早期解決して欲しいものだ。

セルフレジはお断り:
今や、何処の大中小を問わない小売店に行けば「セルフレジ」の花盛りである。我が家の目の前にあるイオンの食品専門スーパーマーケット「まいばすけっと」も2週間程店内改装で閉めた後には、チャンとセフルフレジが一基設置された。だが、余り利用する勇気ある人を見かけない。物皆上がる現代の経済情勢下では、合理化は避けて通れないのは解る。だが、合理化を歓迎しないディジタルディバイド世代は未だ多いのではないか。

だが、現実はと言えば合理化/近代化の裏には意外なことがあったようだ。それはあるスーパーマーケットでは「セルフレジを導入した後では売上高が対前年比で2%も(だけ?)落ち込んだ」と報告していた。仕入れ原価、人件費、電力代等々全てが高騰しつつあるこの時期にあっては、売上高の減少は由々しきことであるという。私には「合理化」というコインの裏側に何があるのかという事に見えた。難儀な時代だ。

夏休みをお断り出来ないか:
当方にとっては残念ながら最早無縁な話題になってしまったが、結構深刻な問題のようなのである。それは両親というか夫婦が共に働いているとか、母子家庭の場合にとっては、今や夏休みは簡単な問題ではなくなってきつつあるという事らしい。それは「夏休み期間中は給食もない事でもあり、お子さんたちの三食の手配をせねばならないことが生じるから」のようだ。これは家計での負担増にもなる。古い言い方の「夫婦共稼ぎ」に加えて母子家庭であれば、対応できなくなると言う。

しかも「児童保育」の施設は極めて少ないだけではなく、そこでも人手不足は深刻で受け入れられる児童の数を増やすことは不可能であるとのこと。中には夏休みを全廃して欲しいとの極端とも言えそうな声もあるそうだが、大方の意見は「短縮できないか」であると報じられていた。それだけではなく、現在のような異常な暑さの中に児童を遊びに出させることなどは極めて危険であるからと言って、室内に留め置いてゲームをさせておけば良いという問題でもないようだ。

現在は小学校や中学校の教諭というか先生方の現場での負担は、我々の時代とは大きく変わっていて、想像も出来ない程過剰であると聞かされている。そういう条件がある時に、仮に夏休みを短縮でもされるようになれば、教える方々の負担の重さは変わらなくなってしまうのではないだろうか。難儀な時代になったものだと思って接したニュースだった。

確トラ:
これが難儀なことになるかどうかは、岸田文雄総理の双肩に懸かってくると思うのだ。問題かと見える点は「自民党の総裁選挙は9月なのに、アメリカの大統領選挙はその後の11月」という点。「確トラ」が現実になれば、岸田総理が意図されているかのような再選を果たされた場合には、既にバイデン大統領に国賓で招待されて強化された間柄をどのように処置されるかではないだろうか。私にはoutageへの対応よりも難儀ではないかと見える。


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