新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

中国の脅威の考察

2020-06-06 09:42:50 | コラム
中国の嫌らしさを良く考えよう:

今朝ほどからどうやら懸案の習近平主席を国賓で招待する件が白紙に戻ったとの報道があるので、この際私が痛切に感じてきた中国の嫌らしさと脅威を振り返ってみようと思うのだ。中国の嫌らしさは、総合商社や専門商社の駐在経験者たちから聞かされていたので、ある程度は認識していた。だが、その主たる内容は虚偽の発表やでっち上げの統計資料を公表するといった程度だったが、習近平が主席となってからは、彼らのイヤらしさは到底その程度のことで終わるものではないという事が急速に明らかになってきたのだった。

私はW社リタイア後に3度訪れてみただけの中国なので、経済的には急速に発展していることは知り得たが、今日のようにアメリカと世界を2分して統治しようといったような邪な野望を単なる野望に終わらせない勢いで全世界に進出を始めたのには、言い知れない脅威を感じさせてくれたのだった。嘗て小沢一郎が慣行を無視して副主席だった習近平を強引に現在の上皇様に引き合わせた時には、習近平が現在の習近平に変貌していくとは夢想だにしていなかった。私には未だに小沢一郎が慧眼だったのか、無知で無謀だったかを判定できずにいる。

私が以前の中国の嫌らしさと、今日の脅威の両方を初めて深刻に理解した機会があった。それは、最早何年前のことだったか記憶が定かではないが、21世紀パラダイム研究会に日本防衛法学会の高井晉氏をお招きして「中国」を語って頂いた時だった。高井先生は第一列島線と第二列島線等々を詳しく語って下さったので、私は拝聴しながら如何に自分が中国の邪な野望と戦略に関して無知だったかと不明を恥じていた。とても尖閣諸島を自国領であると称して、公船を送り込んでいる程度の問題ではないと認識できたのだった。

その後に、河添恵子さんが武藤山冶記念国民会議で中国問題を語られたので、中国というか習近平率いるあの国が如何に嫌らしいかを、改めて痛感させられたのだった。特に河添さんは「中国の企みは尖閣諸島や沖縄を奪取するなどという生易しいものではなく、究極的には我が国をアメリカから引き剥がして属国とするのが真の狙いである」と指摘されたのだった。荒唐無稽だと受けとめる前に「これは単なる河添さん個人の考え方の表明ではあるまい」と思わせられたほどの迫力があった。

時間的な経過がどうなっているかは私には定かではないが、習近平があからさまに手がけてきたことは一帯一路構想であり資金を投じて抑え込む侵略であり、南沙諸島というか南シナ海の埋め立ててであり、WHOを始めとするUNの機関を金の力に物を言わせて支配する企みであり、5Gの開発でEU圏内の諸国をアメリカから引き剥がす策略であり、近くはトランプ大統領と真っ向から対峙しての貿易戦争であり、武漢ウイルスの蔓延の責任を認めることなくアメリカに押しつけようとしたかと思えば、香港を一国一制度に当然のように強引に持っていく策略である。

ところが、困ったことに我が国には未だに国会議員を始めとして中央官庁にも財界にも媚中派が数多く巣食っている様子が明らかなことだ。その為かどうかは私如きには解らないが、この度の新型コロナウイルスの蔓延によって我が国が未だに、敢えて過度にと言うが、工業製品(部品も含めて)や非耐久消費財を中国に依存する態勢にあった事が悲しいまでに知れ渡ったのだった。マスクなどがその最たる例で需要の80%を中国に依存していたのだった。だが、それを知らずして武漢でウイルスの感染が生じるや数万枚を中国に寄付した地方都市があったのは、将に漫画だった。

幸いなことにオバマ政権下の8年間でアメリカが極言すれば野放しにした為に思い切り増長し、思い切り軍備を拡張した中国を、トランプ大統領が立ち上がって、途中で少し右往左往されたが、真っ向から貿易戦争を挑み、中国と妥協されそうな局面もあったが、結局は妥協の余地なしという強硬姿勢を採って頂けたのだった。その表れが、私が屡々引用してきた話である「トランプ大統領の再選を最も嫌っているのが習近平で、再選を望んでいるのDPRKの金正恩である」という事態になっているのだ。

この状況下にあって、私が「なるほど。世界には未だにそういう物の見方があったのか」とある意味では驚かされたことがあった。それは、安倍総理のコロナウイルスについての記者会見で質問に立った外国人の記者が「現今のアメリカ対中国の対立の時期にあって、日本はどちらの陣営に付くのか」と尋ねたと報じられた事だった。私は常識的には「答えは決まっている」と思うのだし、非常識というか、如何にも我が国の足下を見ているかの如き尋ね方だと思った。総理の答えは記憶に誤りがなければ「白黒をハッキリさせた答え方」ではなかった。

その後にあった報道では、中国の要人が我が国に向かって「貴国はどちらの陣営に属することを考えているのか」と問いかけるような発煙をしたという件があった。私には一瞬、この問い掛けが安倍総理の記者会見の際の外国人記者の質問に乗じたのかと思わせられた。この高圧的な問い掛けの意図を考えて見れば、中国が誰が何と言おうと台湾は我が領土というのと同様に、我が国の民度の高さと経済力と工業力を考えれば、喉から手が出るほど自分の物にしたいと意図しても何ら不思議はないと思うのだ。しかも、地理的にはアメリカよりも遙かに中国には近いのだから。

私はここまで論じてきて中国というか習近平というべきか知らないが、彼らの企みは火を見るよりも明らかであり、我が国がどのように対処するかなどは考慮するまでもないことだと思う。そういう時期にあって、国会で何とか協議会がおかしいの何のと野党が騒ぎ立てている暇などないはずだ。トランプ大統領がWHOから脱退するとの声明を発表された以上、直ちに追随して我が国が何れの陣営にあるかを明快にして何処が悪いのかと言いたいのだ。ウイグルやチベットがどうなっているかは我が国で誰もが承知しているはずだ。旗幟を鮮明にすべき時が来た思っている。



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