新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

President 2014 6.16号

2014-05-30 08:22:59 | コラム
読みどころがあり考えさせられた6.16号:

先ずは10頁の原田曜平氏が指摘していた、

<現代の若者は「さとり世代」と呼ばれています。消費をしない、上昇志向がない、恋愛に淡泊。そんな消極的な性格を、さとりをひらいた僧に喩えた表現です。ネット掲示板の「2ちゃんねる」が発祥で二〇一三年の流行語大賞にノミネートされました。>

を読んで、知らなかったと言うよりも、屡々聞かされていた現代の大学生の傾向に符合すると、今頃になって感心している時代遅れ振りだった。しかし、「ノミネート」等という私が忌み嫌うカタカナ語を使っているのが残念だった。

次は122頁の大前研一氏の「日本のカラクリ」だった。大見出しの「アメリカが弱体化、世界の勢力図が変わる」は好ましい読み物だと言うよりも、オバマ大統領を評価していない私には痛快且つ残念な内容だった。同時に情けないと言うか、危機感を感じざるを得なかった。後3年もあの大統領が居座っていれば、世界はどうなるのかという意味だが。

大前氏の論旨をここに引用するまでもあるまいが、アメリカの国際政治学者、ィアン・ブレマー氏が”世界には主導国が存在しない「Gゼロ」の時代に入ったと指摘する」”という件には、オバマ大統領の責任は重大であると痛感した。

話は変わるようだが、この度維新の会の分党を決めた石原慎太郎君がその記者会見で「このままに推移すれば我が国は中国の属国になりかねない」と言ったのには遺憾ながら同感だし、その背景の一角には上記の大前氏の論点が入ってくると思う。石原君らしい言い方だが、往時の迫力がなくなったのには土壌を禁じ得ない。因みに、彼は旧制中学から新制高校の同期である。

私は既に「中国は尖閣どころか、沖縄を狙ってくるだろうし、その先には・・・」という防衛学会のT教授のご意見を紹介したことがあった。石原君の言葉は穏やかすぎた。あれではマスコミが乗ってこないと思った。

一方、韓国は日本憎しの一点に凝り固まっているだけに止まらず、中国に擦り寄っているし、今回の北朝鮮の拉致被害者の調査再開を「北朝鮮には日米韓のトライアングルを崩すために我が国を引きずり出そうとする意図あり」とまで解説するテレビ局があった。

俗な言い方をすれば「国際情勢は急を告げている」とでもなるだろう。その時期にあって集団的自衛権の行使に否定的な政党があるのは如何なものかと思うのだが、それもアメリカがアメリカであり続ける場合のみの懸念で、あの大統領次第かと思うのだ。

President誌のお陰で昨夜からこんな事を考えていたので安心して眠れなかったのだ。だが、実態は異常な暑さのせいだったかも知れない。


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