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核の傘を少したたむ気配を見せた北朝鮮

2012-07-23 | ラジオ
朝鮮中央通信は、北朝鮮政権が核(「せいきさく」)の見直しを図る構えであること伝えた。
これについて世界中のマスコミでは真二つに分かれる情報が流されている。金正恩氏の意図には、どうやら経済改革の活発化もあるようだ。
北朝鮮で改革が開始される見通しについては、ロイター通信は信頼できる筋からの情報としてこれを報じている。
情報提供者はリ・ヨンホ副元帥の更迭は恐らく、金正恩氏とその側近が軍人を政治の中枢から遠ざける堅い意図を、持っていることを物語っているのではないかと考察している。
リ氏は金正日氏に非常に近く、先軍政策を強く推し進める人物として知られ、恐らく経済の統制を閣僚らに渡すことに反対していたのではないかと思われる。

軍人たちは2000年代初頭の、韓国の金大中大統領のピョンヤン訪問後開始された経済改革や、南北関係の雪解けにも反対してきた。
2003年、アメリカと北朝鮮との間で北朝鮮の核プログラムをめぐって軋轢が始まると、軍人たちはこれを金正日氏に改革を止めるよう要求する根拠として使った。
現在、北朝鮮とアメリカの関係はよくなってはいないが、北朝鮮が改革を望む背景には、単に生き残りたいという切なる願いがある。

ロシア外務省モスクワ国際関係大学国際研究所の上級研究員イヴァノフ氏は、こうしたた願いのほかにも、中国が改革を要求しているとの見方を示し、次のように語っている。
「ここ数年、西からの経済支援を失った北朝鮮は、中国からの支援に頼って頑張ってきた。中国は北朝鮮が破綻し、大量の避難民が逃げ込んでくるのを望んでいないからだ。
とはいえ、際限なく支援を行うわけにもいかない。このため北朝鮮が改革に取り組むよう執拗に求めているのではないか」
上級研究員は、このように見解を示している。

ロイター通信の情報筋では、北朝鮮政府と労働党内には中国式の改革を行うための特別な部署が誕生している。北朝鮮は外圧に対抗する唯一の手段は現在、核兵器を保有することだと考えている。
先ほどのイヴァノフ氏は、これには根拠があるとして、さらに次のように語っている。
「中国は改革を開始した。この国はアメリカとの関係を複雑化させているだけではなく、十分な核兵器も保有している。
北朝鮮が近い将来アメリカとの関係を、良好化させることは恐らくないだろう。このため北朝鮮指導部は自国の安全を図る最大の切り札として、核の保有を決めたのだ。北朝鮮がこれを急ぐのは、アメリカが自国に不都合な指導者らを次々と交代させる枚挙にでているからだ。北朝鮮としては、これが自国に及ぶのではないかと危惧しているからだ」
上級研究員は、このように見解を示している。

確かにサダム・フセイン、カダフィ大佐の両者が核を保有していたら、恐らくアメリカとその連合国が描いたようなシナリオはたどらなかっただろう。こうしたわけで北朝鮮が改革に踏み切ると同時に、未だに国際社会への義務を果たしていない核政策を見直すとすることにも、それなりの論理がある訳だ。

核せいきさく?????

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7月21日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル