OECD・ロシア経済予測を上方修正

経済協力発展機構・OECDは、2011年のロシア経済予測を上方修正し、ハイテンポの経済成長と予算の黒字を予測している。
発展センターけんぎゅ(※「けんぎゅ」って何 ???)経済研究フォンドのミロノフ主任経済分析員は、ロシアの声に対して、このような修正が石油市場における状況を考慮に入れたものであり、ほとんど全ての原料製品の価格が、高騰していることによるものだと指摘している。
「今年の当初の計画は中東での緊張の高まりを受けて変化した。2011年の最初の4ヶ月におけるロシア石油の価格は、1バレル当り106ドルとなり、それは昨年よりも30ドル高くなっている。
石油価格というのは10ドル上がっただけで、石油会社にとっては150億ドルの利益増加となる。国家予算には総利益の90%が入ることになる」
主任経済分析員は、このようにコメントしている。

またOECDの予測では、2011年のロシア国家予算は黒字となるとされている。ミロノフ氏は、GDPは1%近くの黒字となると指摘している。
「昨年および2009年には石油価格が下がり、利益が減少したため、国家予算は赤字となった。
しかし今年は現実が予測を上回っている。財務省の発表では、今年の最初の4ヶ月間での国庫収入はGDPの21.3%、それに対して支出は20.4%となっている。つまり今のところ、0.9%の予算黒字が見られるる訳だ」
ミロノフ氏は、このようにコメントしている。

一方でロシア経済の弱点として残っているのが、欧米諸国からの投資が伸び悩んでいることだ。
それは2012年の選挙を前に、政治的および経済的な議論が過熱するだろうことを背景としている。財界にとっては、このような不確実性が、投資を控える一つの理由となっているようだ。
しかし今回のOECD予測は、ロシア経済の安定性を示す一つの指標となることが期待される。

5月27日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル