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清廉潔白な政治が中国共産党の最重要課題

2012-11-14 | ラジオ
つい最近まで将来、有望な政治家として知られていた薄熙来氏の更迭スキャンダルは、中国共産党に複雑な問いを突きつけた。
それは汚職の原因と国の統制システムを、闇の政治から解放し効果的なものに構築する方法だ。
今日から(8日)開幕した中国共産党大会の報告書では、このテーマに否応なく注目が集まった。

ロシアの声のデニソフ評論員は党大会の場に開幕当日に出席し、北京からコメントを届けている。
中国指導部が政治刷新が急務であると意識していることは伝わる。これは中国共産党中央委員会総書記の、胡錦濤氏が行なった報告内容からはっきりと伺える。
報告では厳しい表現で、清廉潔白な政治システムを構築する必要性が唱えられた。この課題は同時に汚職対策でもある。政治のメカニズムが不透明であり、独立した治安維持機関、司法体系が欠如しているという現実が全て薄氏のスキャンダルに如実に現われた。
薄氏は長年にわたって度重なる違法行為を犯していたが、これは昇進の階段を上るためには何の障害にもならなかった。
胡錦涛氏は法を文言で変え、権力が利用することで踏みにじり、私益のために悪用することは絶対にならない、と語っている。
胡錦濤氏の演説では、薄氏のスキャンダルのような事態を繰り返さないために、法の枠を超えた特権を、断じて許してはならないという強い警戒の言葉が飛んだ。さらに胡氏は、然るべく方法でこの問題が解決されない場合、これは党に致命的損害を与え、党も国家をも滅ぼすことになりかねない、と語気を強めている。

それでも党の政治プログラム的な性格を帯びたこの演説のなかには、なぜ汚職や闇の政治が絶えることがないのか、その主たる原因については何の分析も伺えない。
汚職対策は、もう何年にもわたって続けられているにも関わらず、何故こうも次から次へと汚職スキャンダルが続くのか、それに対する回答もない。演説で表現された理論は、中国流の退廃、買収対策という前回の第17回党大会でも繰り返された公式だった。このスローガンを具体的な内容で埋めていくことが、本大会で選出される新指導部の課題となる。
民主改革がこの対策措置のなかで、いったいどういった役割を演じるか、懲罰を与える措置が予防策とどうマッチするのか、役人統制を行なう手段はどういったものになるのか。この問いが中国政治の今後10年の様相を決定することになる。

汚職大国・中国 腐敗の構図 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋

11月8日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル

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