20年ほど前の学生時代には
環境と関わる風景画的な彫刻表現を求めて制作活動を行ってきました。
当初は油粘土でその造形を模索したけど答えが見つからず
多の素材にその可能性を探して石材を加工しました。
さまざまな形を試みましたが
彫刻的な形にこだわるほど、そこからはなれてゆく気がしてならなかった。
それよりも心引かれたのは
石材を加工するには、
ダイヤモンドカッターを冷やしたり、磨きあげたりするために
大量の水が必要となるのですが、そのときの
「水と石との関係」
「岩の濡れはだ」
だったんですね。
石が水に濡れる事で、それまで見えなかった美しい石の結晶が見えてきます。
そして、水が乾くとまた粉っぽい質感に戻ってしまう。
単なる自然現象なんですけど素材が本来持っている力強さって
そうした自然現象をともなう事によってはじめて発現するものだと
感じる様になったかな。
また、手にした小さな素材の中にも
大自然の自然現象の「たね」が内在していて、
ちょっとした切っ掛けさえあれば暴露しはじめる。
既存の都市空間の素材にほんの少しきっかけを作る事によって
内在している畏怖したくなるよな質感を暴露させる
僕の考えるインスタレーションはそれを目的に構成してゆくものなんだ。