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「陶磁器・パヤオ」シリーズ・26

2016-02-21 07:24:58 | 北タイ陶磁
<続き>

<フェイ・メータム陶磁>
●操業年代
この陶磁器が作られた時代特定は、まだはっきりとしていない。証拠(材料)不足で、分析できないようである。これに関してKriengsak Chaidarung氏は、窯の立地、窯の状態、製品の分布の研究により、次のことが推測できるとして、記述されている。
“おそらく小さな窯で、生産量はさほど多くなかった。この集落のみの限定した生産で量にも限りがあった。よってパヤオやその周辺の土地でフェイ・メータム窯の製品があまり見られないのである。それらの製品が、フェイ・メータム窯群以外で見つかっているのは、ウィアン・ブア窯群であるが、その数はわずかで鍋、水差しなどであり、フェイ・メータム窯群のものに良く似ている。違う点はウィアン・ブアの陶磁は、多くに透明釉が掛かっていることである。
(写真の白掻落しや線刻文は、ウィアン・ブア文化センターに展示されている、ウィアンブア窯群から出土した陶片である)
焼造年代については、ウィアン・ブアの陶磁と近い年代、それはつまり仏暦21世紀(西暦15世紀半ば)頃である。二つの窯場が近くにあること、フェイ・メータム窯群の陶磁がウィアン・ブア窯群で見つかったこと、更にウィアン・ブアの陶片と比較すると、ウィアン・ブア窯群より古い時代の可能性もある。フェイ・メータム窯群の多くの製品が、施釉されておらず硬く焼締めたもので、施釉が始まる前の可能性があり、フェイ・メータム窯群の陶磁器はウィアン・ブア窯群の影響を受けたものが見られないからである。“                      
                             <続く>