<続き>
<ウィアン・パヤーオ陶磁>
●焼成陶磁
「陶磁器・パヤオ」の著述に従って説明する。窯址からは素焼きの瓦の欠片が見つかった。焼成陶磁は施釉と無釉がある。無釉のものは、胎土が灰黒色で、施釉のものは、釉薬が茶色か、茶色がかった緑色で、胎土は灰黒色か褐色である。出土したものの多くは、厚く作った水差しの陶片であった。ウィアン・パヤーオ窯群の特徴として、施釉した皿、鉢、小鉢の種類はこの周辺では出土していない。
ウィアン・パヤーオ窯群でのこれらの調査で、考古学的な調査はまだ行われていないが、次のことがわかる。ウィアン・パヤーオ窯群は小さな窯で、主にコミュニティの中での必要に応じて生産されていた。作られていた製品は、多くが日常生活に使うもので、鍋や壷類、水差しだった。この窯の年代は、ウィアン・ブアの時代と同じ頃で、仏暦20-21世紀(西暦14世紀半―15世紀半)頃だと推測される。
(掛分釉広口短頸壺:高さ45cm)
(緑がかった薄い褐色のコーティングの広口壷。高さ13センチメートル、胎土は褐色)
いずれもウィアン・パヤーオ窯群にて焼造。パヤオ県ムアン郡ターワントーン地区ウィアン・パヤーオまたはウィアン・ナムタオにて出土(出土時の記録が明確に残っていないようだ)。
無釉の馬人形。ウィアン・パヤーオ窯群より。パヤオ県ムアン郡ウィアン地区ワット・シーにて出土。
ここまでウィアン・ブア窯群、モンオーム窯群、フェイ・メータム窯群の陶磁を紹介してきた。いずれの窯群も、それぞれの特徴を備えていたが、当該ウィアン・パヤーオ窯群も、その事例に洩れず肖形物、壺、水差し焼成に特化した窯群であった。
この特徴をどのように理解すれば良いのであろうか? 冒頭の掛分けの大壺は、見た目でサンカンペーンのそれと、見分けがつかない。「陶磁器・パヤオ」には、違いについて説明がない。数を見るしかないが、その数が少ない。
<続く>
<ウィアン・パヤーオ陶磁>
●焼成陶磁
「陶磁器・パヤオ」の著述に従って説明する。窯址からは素焼きの瓦の欠片が見つかった。焼成陶磁は施釉と無釉がある。無釉のものは、胎土が灰黒色で、施釉のものは、釉薬が茶色か、茶色がかった緑色で、胎土は灰黒色か褐色である。出土したものの多くは、厚く作った水差しの陶片であった。ウィアン・パヤーオ窯群の特徴として、施釉した皿、鉢、小鉢の種類はこの周辺では出土していない。
ウィアン・パヤーオ窯群でのこれらの調査で、考古学的な調査はまだ行われていないが、次のことがわかる。ウィアン・パヤーオ窯群は小さな窯で、主にコミュニティの中での必要に応じて生産されていた。作られていた製品は、多くが日常生活に使うもので、鍋や壷類、水差しだった。この窯の年代は、ウィアン・ブアの時代と同じ頃で、仏暦20-21世紀(西暦14世紀半―15世紀半)頃だと推測される。


いずれもウィアン・パヤーオ窯群にて焼造。パヤオ県ムアン郡ターワントーン地区ウィアン・パヤーオまたはウィアン・ナムタオにて出土(出土時の記録が明確に残っていないようだ)。

ここまでウィアン・ブア窯群、モンオーム窯群、フェイ・メータム窯群の陶磁を紹介してきた。いずれの窯群も、それぞれの特徴を備えていたが、当該ウィアン・パヤーオ窯群も、その事例に洩れず肖形物、壺、水差し焼成に特化した窯群であった。
この特徴をどのように理解すれば良いのであろうか? 冒頭の掛分けの大壺は、見た目でサンカンペーンのそれと、見分けがつかない。「陶磁器・パヤオ」には、違いについて説明がない。数を見るしかないが、その数が少ない。
<続く>