リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

ロック・オペラ

2011-07-03 08:11:12 | オヤジの日記
BLANKEY JET CITYを初めて聴いたのは、TBSの深夜番組「イカすバンド天国」だった。
おそらく20年以上前のことだ。

彼らを見て、態度のでかいアマチュアがいたもんだ、と思った。
態度だけでかくて、技術がお粗末だったら、それはただの虚勢だが、彼らの演奏技術は、アマチュアの域をはるかに超えて、トリオのロックユニットとしてすでに一級のものを備えていた。

演奏は、気持ちいいほど、まとまっていた。
ただ、ボーカルの歌い方だけが、私の好みではなかった。

私には、腺病質な歌声に聴こえた。

だから、すごいバンドだとは思いつつ、真剣に聞くことはしないでいた。


しかし、1998年に椎名林檎が「幸福論」でデビューしたとき、またすごい新人が現れたと思うと同時に、その歌唱法を聴いて、誰かに似てるぞと、感じた。

何度も繰り返し聴いてみた。

5回目に聴いたとき、ああBLANKEYか、とひらめいた。

椎名林檎の声と歌唱法には、日本語あるいは言葉を際立たせる独特のテクニックがあった。
短く切る音。長く伸ばす色々な音。平坦に伸ばす音。
それらを混在して、日本語のもつ言葉の響きの美を際立たせるというテクニック。

これは、見事なものだった。

そして、その見事なテクニックを、BLANKEY JET CITYのボーカル・ベンジーは、椎名林檎より10年早く日本の音楽シーンに、それを出現させていたのである。


それに遅ればせながら気づいたとき、BLANKEY JET CITYは、私のお気に入りのロック・ユニットになった。

三人だけで奏でる、調和のとれたロック・オペラというべき作品は、初期のアルバムを除いて、高度に完成されたものばかりだった。

日本が世界に誇るべきバンド。

しかし、BLANKEY JET CITYは解散してしまったので、新しいロック・オペラが上演されることは、もうない。


いま、再結成されたX-JAPANが、世界中の音楽ファンを興奮させているようだ。


そんな報道を目にすると、BLANKEY JET CITYも、再結成してくれないか、と淡い期待を持つ。

ただ、BLANKEY JET CITYが、やり遂げた、と思っていたら、再結成はないだろうとも思う。



俺たちに、やり残したことはない。


そんな生き様もまた、BLANKEY JET CITYには相応しいと、私は思っている。