今日(26日)はあいにくのお天気でしたが、『吟醸王国しずおか』の撮影で、正雪の醸造元・神沢川酒造場(静岡市清水区由比)と、富士錦酒造(富士郡芝川町)に行ってきました。
正雪では、杜氏の山影純悦さんから若い蔵人たちへの<技の継承>を、富士錦では3月の蔵開きで1万5千人を集める<地域に在るべき酒蔵の価値>をテーマに映像を構成してみようかな、と思っています。
今日のロケのお話を含め、今後、『吟醸王国しずおか』に関する記事は、新たに立ち上げた吟醸王国しずおか映像製作委員会公式ブログ『杯が満ちるまでon web』で紹介していきます。『杯が満ちるまで』というタイトルは、以前ご紹 介した製作委員会の会報誌から命名しました。
まだ立ち上げたばかりで、記事が少なくて見栄えはイマイチですが、記事を書くのは私だけじゃなくて、吟醸王国しずおか映像製作委員会のボランティアスタッフが手分けして担当してくれます。
本ブログ『杯が乾くまで』は鈴木真弓個人が絞り出すネタだけなので、いつ杯がカラカラに乾いてしまうかわかりませんが(苦笑)、『杯が満ちるまで』は、いろんな人がいろんな味や香りの一滴を代わる代わる注いでくれて、杯が満ち溢れるような、そんな魅力あるサイトにできれば…と思っています。
そして、『杯が満ちるまでon web』は、3月1日開設予定の『吟醸王国しずおかオフィシャルサイト』と連動します。現在、無事の開通を目指して、映像製作委員会メンバーのオフィストイボックスさんが徹夜仕事をしてくれています。
吟醸王国しずおかの製作スタート時からの3年近い情報&写真ストック、さらに鈴木真弓が地酒の取材を始めた1989年から20年以上に及ぶ間、貯めに貯め込んだ写真や原稿や、しずおか地酒研究会の14年に及ぶ活動記録を、この際、きちんとまとめて公表しようと、トイボックスさんには無理難題をお願いしました。大変な労力をおかけしてしまっていますが、おかげさまで、地酒サイトとしてはそこそこの見応え感やボリューム感を打ち出すことができそうです。
お金がなくて、資金集めの目的で作る広報物に、お金や時間をかけるのはどうなの?という声もあります。確かに新しい商品を売り出すのに、パッケージや広報にカネをかけるぐらいなら中身に投資せよという考えと、中身に自信があるならそれ相応のパッケージや広報が必要だという考えがありますね。
私は、『吟醸王国しずおか』を作ることで、多くの人に、モノを作って伝えることの喜びを味わってほしいと願っています。
私(ライター)やカメラマンやデザイナーは、実際にモノを作れる・売れるわけではありません。人さまが作ったり売ったりしているモノの価値を伝える立場にすぎませんが、この職業のプロとして、作り手や売り手に恥ずかしくない仕事をしたい。カメラマンやデザイナーにも、吟醸造りの杜氏たちに恥じない仕事をしようとハッパをかけています。
彼らが実際のところ、たいした実入りが期待できそうにないこの仕事を、どんな気持ちで受けているのかはわかりませんが、上がってきた映像やサイトのテスト版を見ると、「こんなに手をかけてくれたのか・・・!」と鳥肌が立つぐらいの出来栄えで、おつきあい感覚じゃないんだってわかります。
この熱意の源は、まぎれもなく、吟醸王国の主役たちである酒造家たちです。彼らは、出来上がった酒だけでなく、いい酒を醸そうとする過程が素晴らしい。彼らはよく、「酒は結果的に消費者のうまい・まずいがすべてですよ」と言いますが、造り手が思いを込めて必死に努力する過程が、けっして無駄だとは思わない。
例えて言うなら、今日、金メダルを逃した浅田真央選手のこれまでの努力や、トリプルアクセルに何度も果敢に挑む姿を見れば、金じゃなくても誰もが「よくやった!」と称賛するでしょう。高みを目指して必死に自分を磨こうとする人は、どんな職業の人も美しいし、人を感動させます・・・。
そんなわけで、一足先に開通した専用ブログ『杯が満ちるまでon web』を、軽いアペリティフ感覚で読んでいただいて、オフィシャルサイトのほうは、じっくり味わっていただこうと、クリエーターが一丸となって制作中です。ぜひ3月1日の開通日をお楽しみに!