杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

健康博覧会2010

2010-03-18 22:04:06 | 社会・経済

 儲かりビジネスのキーワードは3K(健康・環境・観光)、と言われる中、昨日(17日)は県商工振興室のお誘いで、東京ビッグサイトで始まった国内最大級の健康産業展示会『健康博覧会2010』を視察してきました。東京ビッグサイトの催事は年に数回観に来ていますが、「健康」に特化した催事でこれほど客が来るとは…!とビックリするほどの盛会でした。やっぱり儲かりトレンド3Kの一角を担うだけあるんですねぇ。

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 会場は、「健康・化粧品原料・OEM」「ヘルスフード」「オーガニック&ナチュラル」「ウェルネス」「メタボ対策」「ダイエット&ビューティー」「シニアライフ」「販促支援」の8ゾーンに分かれていて、静岡県からも18社が出展しています。

 

 初日の昨日17日は、11時30分から会場内で『健康自治体サミット』というセミナーが行われ、北海道、新潟、静岡、島根の各県代表が地方発の健康商材の魅力を語り合いました。

 

 

 

 静岡県からは産業部理事の吉林章仁さんが、ファルマバレー(静岡県東部を中心とした医薬ウェルネス産業集積)・フーズサイエンスヒルズ(県中部地区を中心とした機能性食品産業集積)等の取り組みを発表。とくに、病院と大学・研究機関、大学・研究機関とメーカーを有機的に結びつけ、医療と製造業が一体となって地域医療や健康長寿づくりに寄与できるファルマバレーの仕組みづくりはImgp2011、他の地域と比較してもかなりの先進性をアピールできたのではないかと思いました。

 

 

 北海道、島根の取り組みは、地場産品(おもに農産物)の機能性に特化した新商品開発の支援。研究機関の調査分析で、「この野菜には今まで知られなかったこんな優れた栄養価があることが解明できた」という話はよくありますが、いざ商品化したときに、パッケージに機能性を(薬事法や健康増進法の規制で)大々的に表示できないというのが共通の悩みのようです。

 

 でも、口に入れる物にどんな機能性があるか、生産者は大いにアピールしたいし、消費者だってうんと知りたいわけで、双方にニーズがあるのになぜ障壁を造るのか、そのあたりは、コーディネーターの先生が「法律を振りかざす役人は北朝鮮指導者並みの独裁者だ」な~んて揶揄するほど。

 

 セミナーでは、各県代表者のお悩みに応える形で、「欧米はじめ世界40カ国の政府機関が正式採用し、日本医師会も正式採用した健康食品情報の国際データベース『ナチュラルメディシン』を基に、(社)日本健康食品サプリメント情報センターが個別認証するハイクオリティ認証を積極的に利用したらどうか」という提案もなされました。

 

 新潟では、県健康ビジネス協議会という組織が立ち上がり、すでに『健康ビジネスサミットうおぬま会議』というイベントを全国15都道府県から約1000人を集めて華々しく開くほど。ネットワーク作りに力を入れているようです。

 

 

 セミナーを聴講した後、3時間かけて会場内をつぶさに視察しました。コピーライターとしては、ネーミングやパッケージのキャッチコピー等で新機能を謳う新商品がどんなアプローチをしているのかが勉強になった一方で、出展ブースの多くが展示即売し、「この展示会限定の特価!」をウリにしていたので、すっかりカスタマーナイズされてしまい、ドイツから初上陸というオーガニック系のドクターコスメを、ついつい衝動買いしてしまいました(苦笑)。

 

 ふだんの買い物では、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、10円安い卵のパックを遠くのスーパーまで買いに行き、野菜はなるべくファーマーズマーケットの規格外商品を買い、東京出張は早起きして高速バスを使う等、必死に節約しているのに、効果が絶対的に保証されているわけでもないサプリメントやオーガニック化粧品に、何千円も遣ってしまうこの心理・・・。本を買ったり映画を観たりした後は感じないのに、買ってしまった後でなんとなく感じてしまう罪悪感・・・。健康ビジネスというのは、人の心の隙間につけこむ魔物のようなものですね、ほんと(苦笑)。

 健康博覧会2010は19日まで東京ビッグサイト東ホール開催です。