杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

24年の縁と新たな縁

2010-10-19 00:05:21 | アート・文化

 昨日(18日)は一日伊豆でお仕事。久しぶりの遠出でしたが、お天気もよかったし、エアコンなしで快適なドライブが楽しめました。

 

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 お昼に寄った天城湯ヶ島門野原の『狩の川屋』というアユ料理の店、昭和62年に静岡新聞社から発行された『狩野川通信』というムック本で取材したことがあります。当時は道端にドラム缶を並べて塩焼きを路面販売していた様 子をイラストに描き起こして紹介したんですが、今では立派な食事処&土産物店になってて、ご主人に「実は20年以上も前に・・・」と話したら、「あの本、今でも店頭に置いてあるよ、イラストが似てるって冷やかされたなぁ~」と思いだしてくれました。

 

 すっかり色あせてしまった本のページをめくったら、懐かしいイラストと記事が・・・。まだ酒の取材を始める前の、ホントの駆け出しライターのころで、イラImgp3083 スト画を持って広告会社をいくつか回って「ちゃんとした美大も出てない素人の画じゃあね、デッサンの基本もなってないじゃない?」とこっぴどくけなされたこともありましたっけ でも、某印刷会社さんからこの本の取材の仕事をもらい、ダメもとで「写真じゃなくて絵で説明したいんですが」とイラストを描いて見せたら運よく採用され、後に編集者からも「挿絵がImgp3084 評判だったよ」と褒めてもらえて、どんなに救われたか・・・。

 

 

 

 そんな思い出のあるご主人と、「24年も前か~、おれもおネエさんも歳食ったなあ」と笑い合い、帰り際に奥さんから「今でも仕事続けてるの?」と聞かれ、「相変わらずですよ~」と返事して車を発進させ、奥さんが店の前で手をふって見送ってくれたとき、何ともいえない温か~い気持ちになりました

 

 

 24年も経てば、飲食業も(ましてや浮き沈みの激しい観光地ならば)代替わりしたり業態が変わったりといろいろあるだろうし、女のフリーライターは仕事どころか生き方だって変ってて不思議じゃない。・・・なのに狩の川屋さんは昔と変わらず鮎やズガニを名物に同じ場所でしっかり商売してて、さらに看板を立派にしている。私は私で、なんとかこの仕事を続けていられた。そんな取材対象者と24年ぶりに会ってもちゃんと思い出して話ができるって、すごい奇跡だな~って。

 女が24年前と公私にまったく変化がないって、タイヘンな不幸かもしれないけど、昨日ばかりは、「公」だけでも現役でいられた幸せを噛みしめました

 

 

 

 夜、家に戻ったら、過去ブログでもご紹介した方々から催事のお知らせが偶然、まとまって届いていました。どんな小さなご縁でも大切にしていれば、いつかまた、狩の川屋さんと再会したときのように笑い合えるかな~なんて思います。このブログでつながっているみなさんにも、新しいご縁をつなげる橋渡し役になりたいです。興味のある方はぜひ。

 

 

 

ふじのくに輝く名産フェア★10月19日(火)~25日(月)★松坂屋静岡店8階大催事場

 静岡県商工会連合会50周年記念の地場産品展示即売会。県内の特産品やご当地グルメが駅前の百貨店に500品目以上集まる一大フェアです。3000円以上お買い上げの方には、私がネーミングし過去ブログでもご紹介した『つまんでごろーじ』『ふじやまさんちのいつかちゃん』『ふりーらフルーラ』が当たりま~すPS.ふりーらフルーラは静岡県グッドデザイン大賞を頂戴しました

 

 

日比野ノゾミさんの酒器出展!ちいさなクラフト展★10月30日(土)~31日(日)★木藝舎Satoギャラリー(静岡市葵区足久保奥組堀下212)

 アートをもっと身近に気軽に楽しめる新スタイルのクラフト展。陶芸家日比野ノゾミさんも出品します(過去ブログはこちら)。モノ作りを体験できるワークショップや音楽ライブもあるそうです

 

 

追悼中條峰雄回顧展『うるし うるわし 漆の世界』★11月2日(火)~7日(日)★静岡県立美術館県民ギャラリー

 過去ブログでもご紹介した漆工芸作家・中條峰雄先生の3回忌にあたり、晩年の作品を中心に日展・現代工芸の大作も多数展示されるそうです。先生の大作を一度にたくさん鑑賞できる貴重な機会ですので、ぜひ

 

 

人権シンポジウム「障がい者の人権とマスコミ報道~とりはらおう“心の壁”」★11月6日(土)13時~★静岡市中央福祉センター(静岡市葵区城内町1‐1)

 以前こちらでご紹介した静岡人権フォーラムのシンポジウムです。静岡福祉大学の山城厚生教授の講演、事例発表、グループディスカッションなどが予定されています。参加費無料。問合せ先054-254-6880(静岡市障害者協会)