杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

富士山静岡空港フライト体験記その4・台北編3

2009-06-11 17:15:03 | 旅行記

 6月5日台北2日目のランチは、台北で一番流行っているという行列の店・県泰豊(ケンタイホウ)に案内されました。小籠包が有名で、世界10大レストランの一つだとか(そんなランキングがあったんだ・・・!)。店の前は確かに平日なのに大行列でしたが、店内は日本のファミレスみたいなカジュアルな雰囲気。席に着くなり、小籠包、蒸し餃子、カニ玉スープ、青菜炒、エビチャーハン25 が次々に運ばれてきます。味は…日本の中華料理店とさほど変わらないかな。さほどの驚きや感動はなかったけれど、真昼間のビール&餃子は言わずもがなの絶品コンビでした~。

 

 

 ツアーバスはホテルに戻り、私はSさんにくっついてタウンウォッチング。Sさんお目当2009061114090000ての1軒目は、台北駅前の高級ホテル地下にある手作り薬草石鹸の店『阿原肥皀』です。台湾島の中央山脈にある陽明山は薬草の宝庫だそうで、漢方薬用に無農薬有機栽培で育てた薬草類のエキスを石鹸に練り込んで います。アースカラー(茶色や灰色)がそそりますよね。

 顔の皮膚が薄くてシミやトラブルの多い私は、現在通っているマッサージサロンで紹介されたオーガニックアロマの化粧品を使っているのですが、こういう石鹸なら大丈夫かな。

 

 

 次いでそのホテルの裏通りにある美容室。お楽しみの台湾式シャンプーマッサージの体験です。台湾式シャンプーというのは座ったままで髪にシャンプー液をつけて、ものすごく丁寧にマッサージしてくれるんですね。シャンプーとヘッド・首・肩マッサージがミックスしたみたい。しかもシャンプーだけなら150元29 (約500円)。前々回のブログにコメントをくれたまいちゃんは、通行人のおばさんから100元以下の激安店を紹介してもらったんですよね(笑)。

 私とSさんは400元のヘアトリートメントをプラスしてもらいましたが、これが地肌にヒンヤリ染みて超気持ちイイ。台北市の繁華街にある大半の美容室で体験できるそうで、日本人のお客さんが多いせいか、カタコトの日本語や英語で対応してくれます。

 

 

 頭のてっぺんからすっきりしたところで、地下鉄MRTに乗って台北101展望台方面へ。といっても入場料400元とられる101に登る気はさらさらなくて、Sさんは、国父紀念堂駅近くにあるスイーツの店『駿豆花』のマンゴパフェがお目Imgp0957 当て。“駅近くのコンビニの裏通り”としか書いていないネット情報を頼りに、周辺をグルグル迷っていると、通りすがりの若いOLさんが、日本語で丁寧に応対してくれて、「ちょっとわかりにくいから」と、わざわざ店まで連れて行ってくれました。

 

 Sさんが「お時間ある?お礼にお茶でも」と誘うと、仕事の途中だからと断って、「この店、地元でも人気なんです」「台北のよさを知ってもらいたいだけですから」と颯爽と去っていきました。なんて気持ちのいいこと! 自分が街中で道に迷っている外国人に、こういう応対ができるかなぁと恥ずかしくなるぐらいでした。

 

Imgp0955  駿豆花のマンゴ&スイカパフェは、想像以上の美味しさ。しかも75元(約250円)という安さ! 店は代官山の古い洋風アパートの1階にあるみたいなお洒落な雰囲気ながら、中身はおばちゃんが一人で切り盛りしている、下町のこじんまりとした甘味処です。

 …店もパフェも申し分なかったけど、それよりなにより、あのOLさんの清々しい態度に★★★を付けてあげたい!

 

 

 

 

 地下鉄で台北駅まで戻り、別路線に乗り換え、新光三越のデパ地下をチェック。日本の百貨店とほとんど同じでしたが、残念ながら酒コーナーにある日本酒は大手のパック酒のみ。焼酎のほうがハバをきかせていました。

 

Imgp0958  さらに地下鉄を乗り継いで士林夜市へ。さすがに金曜夜とあって、祭りの夜店市のような賑わいです。まず目に飛び込んできたのは昔懐かしい遊戯屋台。若いカップルがけっこうノリノリで射的なんか楽しんでいます。

 

32  食べ物屋台はまるで屋根付きの巨大展示場。いろんな香辛料や油の匂いがグダグダに混ざり合って、強烈なにおいが立ち込めます。…やっぱりどこか疲れが抜けきっていないのか、しばらく歩いているうちに気分が悪くなり、Sさんを屋台街に残して私は一人、屋外休憩所へ避難しました。

 

34  Sさんが買ってきた烤餅用餅(クレープ巻き)で小腹を満たし、気力が戻ったところで、適当に座った屋台で「魚丸汁」というシーフードスープらしきものをオーダーしてみました。すると、ほどよい鶏ガラスープに小籠包と魚のすり身だんご(つみれ)が浮かんだ碗が出てきて、これが素晴らしく上品な風味!本格的な懐石料理の汁ものと比べても遜色ない味です。…屋台でこのレベルなんですから、おそるべし台北グルメ。

 

 

 調子が良ければ勢いに乗って屋台のはしごをするところでしたが、体調万全ではないのと、あまりの人の多さに息苦しさを覚え、Sさんも気を遣ってくれて早々に引き揚げることに。

 

 といっても、時間はまだ20時を少し回ったところ。地下鉄の途中駅で降りてタクシーを乗り継ぎ、〈占い横丁〉のある行天宮へ向かいました。三国志でおなじみの名将で、初めてそろばんと帳簿を使ったといわれる関羽を、商売の神様として祀っています。遅い時間なのにあふれんばかりの人だかりで、お供え物のお菓子や果物を好きなように持ち帰っています。

 

 占い横丁は行天宮前の交差点地下道にあって、小さな占いブースが屋台のように並んでいます。日本語OKのブースに適当に入ってみたところ、四柱推命の女相師・呉惠珍さんという方で、日本の有名人やテレビ局の名刺・サインがズラッと並んでいました。鑑定料は1回(約20分)で1000元(約3300円)。占い師にみてもらうのは、20年ほど前、一人暮らしを始めたとき以来で、今の相場がどうなっているかわかりませんが、そんなに高い値段ではないのでは…?

 

 まぁ鑑定料金はさておき、占いの結果は、朝のおみくじと同様、「財運がよくなる」とのこと。今、取り組んでいる大きな仕事(映画制作)の行く末も、「今年秋から運気がよくなる、目上の人や友人が大きな力になってくれる」とうれしいお言葉をいただきました! 結婚運は…聞かないでください(ぐすん)。

     

 

 ホテルに戻ったら22時過ぎ。占いの結果に気を良くした私の様子を見て、「マッサージに行く元気、ありそうね」とSさん。台北市内には24時間営業でホテルまで無料送迎するマッサージ店がけっこうあるらしいのです。すんごいサービス! これぐらい営業努力してお客さんを引っ張ってくるようじゃないと、観光地って潤わないかもって実感します。

 

 迎えに来たのは『ウインザー男女健康マッサージ』。全身コースのほか、美顔マッサージ、足裏マッサージ、足裏角質取り、耳掃除など単品コースも充実している店です。

 

 さっそく足裏マッサージと同時並行で受けられる美顔マッサージにトライ。800元(約2600円)で日本とほとんど同じフェイシャルエステのフルコースに、Tゾーンの角栓取りがプラスされます。小鼻のまわりをチクチクと針のようなものでつつかれるので、何をされているんだろうと最初はビックリしましたが、取れた角栓(毛穴に詰まった老化皮脂)の多さにアングリ! 終わった後は、いつもテカテカ脂っぽくなる鼻まわりがツルツルすべすべになりました。

 

 頭のてっぺんからつま先までリフレッシュし、床に着いたのは午前1時30分ごろ。朝型人間の私はコテっと寝てしまいましたが、夜型人間のSさんはまだまだ余力がみなぎっている様子。「日本を脱出すると元気になるのよ、ワタシ」と笑っていました。

 つづきは次回へ。


富士山静岡空港フライト体験記その3・台北編2

2009-06-10 21:51:52 | 旅行記

Imgp0937  台北2日目・6月5日は午前中、観光ツアーでした。まず訪れたのは龍山寺。1738年創建の台北では最も古いお寺です。日本でいえば暴れん坊将軍吉宗や大岡越前が活躍していた頃かな。東照宮ばりの極彩色な廟建築で、古寺といえば奈良や京の木造建築に馴染んでいる身としては目がチカチカする感じ。観音菩薩さまがご本尊ですが、道教の神様も祀られている神仏混合寺です。

 

 朝9時前に着いたら、今日は縁日かって思うぐらい人がごったがえしていて、熱心にお経を唱えたり線香を供えたりしていました。お参りポイントが7か所あって、学問、商売、縁談、子宝、天災除けなどそれぞれご利益があるそうです。最初に長いお線香を7本もらって、ご本尊から順番にお参りします。お菓子や果物などお供え品がやたら多いのは、お願い事が叶った人が寄進するため。そのお供え物は、お参りに来た人が誰でも持ち帰っていいそうです。

 

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 一巡したらおみくじを引きます。…といっても、日本の社寺のようにお金さえ払えば誰でも引けるわけではなくて、まず半月の形をした手のひらサイズの積み木を2つ取って地面に落とし、表と裏にきれいに分かれたら引いてよし。引いたくじが正しいかどうか、もう一度積み木を落として、表裏出なかったら再度引き直しです。

つまり、積み木の目で運だめしをしてから引くおみくじなので(目が出なければ引くこともできないので)、かなり信憑性があると信じられているのです。

 

 

 私は最初は表裏ストレートに出て、くじは1回引き直し。該当番号のくじ箱を開いて見たら、全体運は「上上」とありました。同行のSさんが引いたくじは、全体運のところに何も書かれていません。「どういう意味なんだろうねぇ」と首をかしげていると、年配の男性が「日本から来たの?」と日本語で声をかけてきて、「くじの解説をしてくれるところへ案内してあげよう」と寺務所みたいなところへ連れて行ってくれました。

 

 まずSさんのくじを見せると、あんまりいい結果ではなさそうなお答え。ガッカリしたSさんは、くじをくじ箱に戻してしまいました。その番号のところには、みんな戻したみたいで、箱のふたが閉まらないぐらい山のように入っていたそうです(苦笑)。

 私のは、財運がよさそうとのこと。結婚運を訊ねてみたら「カネがたまったらできる」とのこと。収入がなきゃ結婚できないなんて婚活世代の男じゃあるまいし…と、フンガイしてしまいました!! まぁでも財運がいいなら良しとするか(笑)。

 ちなみにおみくじも線香もすべてタダ。信心深い多くの台湾人の寄付でまかなっているそうです。

 

 私たちを親切に案内してくれた年配の男性は、戦争中は日本の海軍に徴兵されていたと話してくれました。こうしてのん気に観光に来る日本人をどんな思いで迎えているのか本音のところは想像できませんが、私の眼には、「久しぶりに日本語が話せて楽しい」という表情に見えました…。

 

 

Imgp0946  次いで、蒋介石の業績を称えるメモリアルホール・中正紀念堂を訪問しました。完成して30年ぐらいの新しい建物ですが、「なんだこのムダな広さは」と思うぐらい広くて、高さ6mの蒋介石像にも目を白黒させてしまいました。しかも像の前に立つ衛兵は、ガイドいわく「まばたきもせず」人形のように突っ立っています。ちなみに衛兵に選ばれるのは20代で身長178センチ以上のイケメンだとか。1時間ごとに交代だそうで、ちょうど交代の儀式を見学することができました。

 銃剣を振り回す交代パフォーマンスは、軍隊らしくて勇ましかったのですが、石像を警備するのに必要不可欠なパフォーマンスなのかなぁ。どっちかといえば“見世物“みたい…なんて書いたら不謹慎かしら。

 

 

 ツアーバスはこの後、お決まり?の土産物店めぐり。私もSさんも「ツアーで連れてかれる店で買うもんはない」と思っていましたが、店内をうろうろしているうちに、会社勤めのSさんは同僚や友人に何か買って帰らなきゃという使命感?に火が付き、気が付くと、お手ごろ価格のパワーストーンブレスレットを10本近く買っていました。

 

 私が感心して見ていると、別の販売員のおばさんが高級石のガラスケースを指さして、「おねえさん、これはめったに出ない100%純天然原石の金髪晶だよ」「ヴィーナスの金髪に喩えられる色で金運に恵まれるよ」「体の新陳代謝がよくなって五十肩や気管支炎や呼吸疾患に効くよ」…と、悪魔の囁き。

 私、もともと気管支炎の持病があって、しかも朝のおみくじで「財運上がれば結婚運も…」なんて聞いたばっかり。おばさんの甘言に動揺していると、Sさんが「なになに?」とやってきて、「あらぁ五十肩に効くの?」と表情をほころばせ、こっちの人のほうが見込みがあると思ったおばさんはSさんに猛アタック。「じゃぁこれももらうわ」と即決するSさんを見て、「わ、わたしも・・・」とつられて買ってしまいました~(とほほ)。

 

 

Imgp0950  続いて連れていかれたのは有名な漢方薬の店・再春館。気功師のような恰好のお兄さんが、森永キャラメルをくぎ状にして竹の筒に突き刺したり、300℃ぐらいに燃えたぎった鉄のチェーンを素手で握るパフォーマンスを見せたあと、「日本軍に徴兵されて戦った」と勇ましく語る89歳のご主人が、火傷、アトピー、シミ・シワ、薄毛にも効くという万能クリームや、自分のように90歳になっても元気でピンピンしていられる養生薬をプレゼンします。

 

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 つい最近、原因不明のめまいに見舞われたというSさんは、めまいや貧血に効果のある「家楽健」と人気ナンバーワンの万能クリーム「養膚霜」を。気が付くと私も、気管支炎に効くという「喉爽健」と「養膚霜」を買ってしまいました。

 

 

 ツアーで連れていかれる店なんかで・・・!なんてガードを張っていたのはいつのだれの話?ってぐらい、買い物中毒化してしまった私。この調子でホントに財運が上がるのかなぁと冷汗をかきつつ、「午後のフリータイムに行きたい店は、こことここと・・・」と熱心にチェックするSさんを見て、「今は非日常なんだから、これぐらい逞しく楽しまなきゃソンだ」と気持ちを切り替えたのでした。

 つづきは次回へ。


富士山静岡空港フライト体験記その2・台北編1

2009-06-09 18:22:20 | 旅行記

 6月4日、14時15分発の中華航空7533便に乗って約3時間。現地時間16時45分に台北桃園国際空港に到着しました。外はあいにく日本の梅雨の末期のような激しい風雨。私が参加した台北フリータイムコースの20人は、送迎バスに乗って、そのまま市街へ向かうかと思ったら、荷物だけバスに置いて、10分ほど先の新幹線「桃園駅」で降ろされ、台湾新幹線に乗って台北駅まで向かいました。新幹線駅、静岡空港よりも広くて立派!(苦笑)。いずれは空港と7 直結するそうです。真下に新幹線が通っているのに新駅ができない静岡空港と比べ、ついついひがんでしまいます・・・。新幹線は日本製なので、内部の作りもシート回りも日本の新幹線とまったく同じ。ほんとにここは台湾かって気分です。

 

 2駅先が台北駅。送迎バスはちゃんと先に着いてました(苦笑)が、外はどしゃぶり。駅の出口で傘売りのおばちゃんが手ぐすね引いて?待ち構えています。バスは目の前なんですが、若干外を歩かなければならない・・・。濡れるのを覚悟で走る人、携帯傘を取り出す人、おばちゃんのエジキになった人など20人それぞれです。傘はちなみに100元(330円ぐらい)。みなさんだったらどうしますか?(私は素直に持参した携帯傘を広げました)。

 

 

 夕食からいきなりフリータイムです。同行のSさんが台北名物・夜市(夜の屋台街)をいろいろ調べておいてくれたのはいいのですが、この天気では開いているのは屋根のある士林夜市ぐらいだろうとのこと。台北最大の士林夜市はちょっと繁華街から離れていて、地下鉄MTRで5駅先。やたらでかくて初心者には刺激が強いみたいなので、初日は近場のこじんまりしたところにしようと、ホテルから歩いていけそうな寧夏夜市に向かいました。

 

 地図で見るとさほどの距離には思えなかったのに、駅前地下街をグルグル迷い、外に出てからも大雨の中をあてずっぽうに歩いてみると、けっこうな距11 離。やっと着いたら、案の定、お天気のせいで屋台は全部クローズでした。仕方なく、幹線道路に面した、明かりが灯っている食堂に入ることに。

 

 

 この食堂、香港映画に出てくるような肌着姿のおやじさんが中華鍋を振っていて、客席ではサラリーマンや近所のおばちゃんが、うちわ片手にビールを飲んでます。適当に頼んだ鶏肉汁米粉麺と青菜炒は、びっくりするような美味しさ。下町の庶民が通うような店なのに、汁は上品な薄味で、肉はほどよく柔らかく、店が店なら高級中華として1杯2000円は取れるか9 も。ところがお会計は2人で計120元(370円)ほど。何この安さ…!とアングリ状態でした。この後丸2日、いろいろなものを食べましたが、最初に飛び込んだこの食堂が、一番美味しくて思い出に残りました。

 

 私もSさんも、ツアーバスやタクシーに頼らず、できるだけ町歩きをして、乗るなら地下鉄や路線バスと思っていて、帰りはなんとしてでもバスに乗ろうと、バス停を探して路線図をあれこれ辿ってみたのですが、ホテル方面へ行くバスがなかなか見つかりません。「早く戻ればホテル近くの足裏マッサージに行ける」と頭を切り替え、タクシーに飛び乗りました。

 

 

 向かったのは、ホテルのすぐそばの古いビルの6階にある「知足健康中心」という店。Sさんの事前リサーチによると、オーナー謝武夫老師は足裏マッサージ健康法を発明した足つぼの元祖といわれる人とか。入口に金城武とツーショットの看板ポスターが貼ってあります。

 有名人をダシに使うなんて、「ほんとに本物で元祖?」ってついつい疑ってかかってしまう私でしたが、予約なしでいきなり閉店まぎわに飛び込んできた私たち2人を、お弟子さんとおぼしきスタッフが「どうぞどうぞ」と迎い入れ、日本語で書かれたメニュー表を見せてくれました。閉店時間なのに90分(足裏30分+全身60分)コースOK。値段も90分で1500元(約5000円)と、日本の約半額です。しかも用意周到なSさんが1割引のネットクーポンを持参してくれたおかげで1350元で済みました。

 

 足裏マッサージは涙が出るぐらい痛かったのですが、足裏のどの部分が身体のどこのツボかをきちんと図解シートで示してくれて、どこが弱っているかをきちんと日本語で説明してくれました。私の場合、三叉神経、顎と首、肩、気管支、胃、肝臓、副甲状腺、腎臓、リンパ、卵巣、坐骨神経、平衡器官と、シートに赤チェックがびっちり。隣で施術されているSさんは、物静かに淡々と受けていましたが、私の担当者はいちいちここがどうとか体調はどうかとか丁寧に聞いたり説明してくれたりで、油断してられません。でもちゃんとした病院で人間ドックを受けたみたいで、ものすごく充実した30分でした。

 

 全身マッサージは腕や腰を逆方向に引っ張られたりしてイタ気持ちイイ~。施術してくれたのは年季がありそなおばさんで、静岡の街中のクイックマッサージのおねえさんとは貫禄からして違います。

 

 

 正直なところ、台湾行の直前まで仕事の合間を縫って〈吟醸王国しずおか〉パイロット版09バージョンに精力を投入し尽くし、心身ともに疲れ果てていたので、旅行中にダウンするんじゃないかと自分の体力に自信が持てずにいました。

 ところが到着当夜の格安めしと強烈足裏マッサージで、そんな不安も一気に解消されました。海外旅行って言葉や通じないイライラや食事が合わなかったりで疲れを倍増させることがありますが、台湾では正真正銘、疲れが癒せるなぁと初日でしっかり実感できました。

 つづきは次回へ。

 


富士山静岡空港フライト体験記その1・空港編

2009-06-07 20:10:23 | 旅行記

Imgp0931  行ってきました富士山静岡空港開港記念台湾チャーター便の旅。石川知事や中華航空社長のぜいたくな?見送りを受け、6月4日14時15分発の中華航空7533便で飛び立ち、丸3日間、台北フリータイムを楽しみ、7日15時30分着の中華航空7532便で帰ってきました。16時30分には家に着いて、早々にこうしてブログ更新しています。

 

 

Imgp0926  疲れといっても多少眠いだけで、フツウに近場へ遊びに行って帰って来た気分。重い荷物をひきずって駅のホームや階段を移動する鉄道の旅と比べて、どんなにラクか、しみじみ噛み締めているところです・・・。

 

 

 

 

 まずは、実際に利用してみた静岡空港の率直な感想から。

Imgp0918  4日は開港日とあって混雑が心配され、集合時間の2時間前に静岡市の自宅を車で出て、国1バイパスで向かったところ、混雑はおろか道路渋滞もまったくなく、40分かからずに着いてしまいました。

 駐車場も、搭乗者と見学者をうまく振り分けてくれたおかげで、空港ビルの目の前の好位置に置けることができました!

 

 

Imgp0920  空港に着いたら、ちょうど韓国からの1番機が到着し、歓迎セレモニーが始まるところ。1階ロビーは搭乗者、到着者、見学者、セレモニー関係者でごった煮状態でした。

 

 

 集合時間まで小1時間あったので、とりあえず2階の見学。前回取材で訪れたときは広告看板がなく味気ないフロアでしたが、広報物がそろってグーンと華やかになりました。

 

Imgp0921

 JA情報誌と県広報誌で2度も紹介した静岡県の情報発信ゾーン「スカイフォレスト」内にある呈茶コーナーでさっそく冷茶をいただきました。開港日で混雑するからでしょうか、使い捨てプラスチックのカップに3分の1程度しか注がれず、「これでおもてなし茶?高速道路サービスエリアの自動給茶コーナーのほうがマシじゃん…」とガッカリでした。

 たぶん、平時にはちゃんと時間をかけて1杯1杯丁寧に淹れてくれると思いますが、おもてなしと銘打つコーナーであれば、一度に大勢のお客さまに対応する方法もちゃんと考えてほしい、と、ここはあえて厳しく注文を着けておきます。あと、エコの時代ですから、使い捨ての容器はなるべく使わないでほしいですね。とにかくこちらは取材してさんざんPRした手前、どんなお客様にも喜ばれるコーナーであってほしいと願うばかりです。

 

Imgp0925  ショッピングゾーンでは、お土産ものが目一杯並んでいました。駅のキヨスクや名産品コーナーでおなじみのものから、けっこうこだわったものまで、なかなかのアイテムでした。期待していなかった地酒コーナーもこのとおり。一番はじっこに國香が並んでいたのを目ざとく見つけ、小躍りしました!

 ただ、ショップ全体の雰囲気はすぐ近所の「お茶の郷」や「これっしか処」と変わらず、地場産品の店って似たような感じになっちゃうのか…というのが第一印象。まがりなりにも国際空港なんだから、他とは違う斬新な店舗デザインができなかったのかなぁと思います。

 

 

Imgp0927  国際線制限エリア内の免税店の酒コーナーにあった静岡の酒は「開運大吟醸」1種類のみ。あとは成田や中部国際にもある大手メーカーの外国人受けしそうな派手な瓶のやつ。「開運」があるだけよしとするしかないのかしら…。

 

 成田空港第二ターミナル制限エリア内の農産物ショップ「JAぶらんど」は、スタッフが「どんなレアのものでも、地域から推薦があれば積極的に扱いたい」と意気込んでいました。静岡で同じようにいかないのは想像できますが、ショップである以上は、可能な限り魅力ある商品構成に努めてほしい。ショップ運営陣が「免税店なんてこんなもんでしょ?」と思うか、「地方空港の免税店であっても売り上げを伸ばしたい、魅力的な店にしたい」と思うかにかかってくるのではないでしょうか?

 

 あと、多くの参加者が「空港内に喫茶コーナーがない。待ち時間まで自販機のお茶しかないのか」と不満を漏らしていました。今さら空港内にスタバかドトールを、なんて無理な注文でしょうから、せめて高速道路のサービスエリアにあるような挽きたてコーヒーの自販機を入れてほしいなぁ。

 高速道路サービスエリアと比較ばかりしちゃうようですが、今、サービスエリアや道の駅って地域の特徴を出そうと頑張っているでしょう。静岡空港のライバルはほかの空港ではなく、実はこういう他種の高速交通網じゃないですか。高速道路は土日1000円になったし、それにつられて新幹線の割引サービスも増えてきた。静岡県民に「空港が魅力的な場所だ」「車や鉄道と同じように飛行機を移動手段として選択しよう」と思わせるためにも、空港だから、飛行機だからと別格のつもりでいてはだめで、空港の施設やサービスにもしっかり気を配ってほしいと思います。

 

 

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 なんだかんだ言っても、渡航先の空港―今回は台湾桃園国際空港の到着フロアの掲示板に「SHIZUOKA」の文字を見た時は、素直にジーンとしてしまいました。あぁ、本当に静岡に国際空港が出来たんだなぁ、静岡という空港名が海外に本格デビューしたんだなぁと感激しました。SHIZUOKAの文字に胸を張っていられるような地域に、まず自分たちがしていかなければ…なんて思ったりして。

 まだ開港を伝える新聞やテレビを見ていないので、どんな論調で報道されているのかわかりませんし、事前に空港が赤字だ無駄づかいだ何だと否定的に伝えられていたのも知っていますが、静岡で生まれ育った県民ならば、海外の大きな国際空港にSHIZUOKAの字を見たら、同じ感想を持ってくれるんじゃないかと思います。…甘いかな?(苦笑)。

 

 

Imgp0974  行きは通路側の席だったので富士山の眺めを観ることはできませんでしたが、帰りは空いていた窓側の席をぶんどって、雲間からのぞく三角形の山頂をしっかり拝むことができました。

 

 コンパクトカメラなので望遠撮影はこれが限界ですが、雰囲気だけでも伝われば…。

 富士山のこういう角度を、素人がコンパクトカメラで撮れるなんて、それだけでもこの空港に降り立つ価値がありそう・・・!

 

 

Imgp0975

 

 

 

 

 

 

 

 

 遠州灘から御前崎の海岸線、榛原から牧之原の茶畑が鮮やかに眼下迫ってきます。

 

 

Imgp0978 Imgp0979  静岡から北上する路線ならば、また違った富士山や静岡県の実景を楽しめるでしょう。

 

 

 

 

 

 Imgp0986   

 パイロットのライセンスを持ち、国内トップクラスの空撮スキルを持つわが〈吟醸王国しずおか〉カメラマンの成岡さんならば、路線ごとに素晴らしい実景空撮映像を撮ってくれるでしょうし、こういうの、空港PRにできるんじゃないかと思うのですが、県のみなさん、いかがですか?

 台北旅行記はまた次回。

 

 


志太平野美酒物語2009上映会御礼

2009-06-04 00:35:13 | 吟醸王国しずおか

 3日夜、志太平野美酒物語2009が無事終了しました。

Imgp0909  かねてよりご案内のとおり、今回は実行委員会のご厚意で、会の終了後、『吟醸王国しずおか』パイロット版09バージョンの上映会を企画していただき、多くの参加者に観ていただくことができました。

 

 まずは、実行委員会の6蔵(初亀、磯自慢、杉錦、志太泉、喜久醉、若竹)のみなさま、松風閣の坪井さんはじめスタッフのみなさまに心より御礼申し上げます。

 

 上映会が終わったのは21時30分。いつもより1時間も遅くなってしまいましたが、最後までおつきあいくださった参加者のみなさま、本当にありがとうございました。

 

 今回のパイロット版は、宴会場で、きき酒の後のほろよい気分で観ていただくことを念頭に、理屈っぽい講釈や説明ははぶいて、映像と音楽だけのシンプルな構成を心掛けました。

 

 ナレーションなし。銘柄の紹介や各映像の説明テロップもほとんどなし。酒造りの工程をご存じない方は、何の作業をしているのかトンチンカンだったと思います。また昨年のパイロット版、先月のテレビ版をご覧になった方は比較していろいろな感想を持たれたことでしょう。

 私自身、今回の会場は、蔵元6社とそのスタッフに6社ゆかりの酒屋さん、飲食店さん、そのお客さん、来賓席にはジョン・ゴントナーさんや高橋清隆さん、私がご案内した報道席には在静のテレビ新聞各局の総局長支局長クラスの方々など厳しい目利きの方がいらっしゃるので、かつてない緊張感に見舞われました。

 

 

 終了後は時間もなくバタバタとクローズしてしまい、みなさまの反応を確かめる余裕がありませんでしたが、ホッとしたのは、帰路の電車で一緒になった方から、「ほんとにいいものを見せてもらった」「テレビ版をさらに昇華させたようで、感動しました。途中で涙ぐんだぐらい」と褒めていただけたこと。

 

 また、私が上映前に「最初は静岡酵母や静岡型の吟醸造りを解説するシナリオを書いたのですが、現場に2年近く張り付いているうちに、大切なものは解説や講釈ではなく、もっとシンプルに、モノを作ること、自然と対峙することだと実感し、無駄なものをそぎ落としたようなシンプルな映像になっていきました」と話したことをきちんと受け止め、「解釈は不要だという意味がわかった」とおっしゃっる方もいました。

 

 いずれにせよ、こうして何度も編集し、その都度みなさまに厳しいチェックをしていただくうちに、足りない映像、必要のない映像が見えてくるような気がします。実際の撮影現場には成岡さんと私の2人しかいませんが、この作品は、本当に多くの方々の力によって少しずつカタチになっていくんだなぁと改めて実感しました。

 

 パイロット版09バージョン、そこそこの大きさのテレビやプロジェクター等の画像機と、DVD再生機のある場所でしたら視聴可能ですので、興味のある方はぜひお声かけください。どこにでも出張いたします!

 そして、『吟醸王国しずおか映像製作委員会』に入会してもいいと思われた方も、ぜひぜひご連絡(プロフィール欄の鈴木真弓メールアドレスまで)くださいまし。

 

 

 さて、私は4~7日と開港日フライトで台北へつかのまの息抜きに行ってまいりますが、カメラマンの成岡さんは4~7日、ロスのハリウッドで開かれる国際映像機器展シネ・ギアに、自社開発の特機を持ち込んでデモを行うそうです。日本からはソニー、パナソニック、キャノン、イケガミ等などビッグネームしか出展できないハードルの高い専門展示会だそうですが、成岡さんに出展の機会が与えられたということは、彼の技術とアイディアがそれらビッグネームに勝るとも劣らない証拠。…うーん、今更ながら、スゴイ人と組んで仕事してるんだなぁとしみじみ。

 

 ちなみにこの映画は成岡さん1人で撮っていると話したら、メディア関係者がビックリしていました。照明も音声も助手もなく、ほんとにたった一人で1台のカメラで撮っているんですよ。現場でさかんに「映像の“杜氏”になりたい」と言っている彼がいてこその映像プロジェクトであることを、ぜひ知っておいてくださいね。