ななきたのご隠居~野崎 幸治

千葉市美浜区で行政書士をしています。
地元では「ななきた(磯辺7丁目北自治会)のご隠居」と言われています。

奥の細道旅行譚(那須・殺生石)

2016年05月26日 | 旅行

那須ロープウェイからバスに乗り那須湯元温泉で下車しました。

那須観光の中心地でしょうか。那須高原観光案内所を中心として、お土産物屋さんやレストラン、お客も多くて賑やかですが自動車も間断なく走行していて怖い。

300年前は静かだったんでしょうね。

那須の湯で旅に疲れた芭蕉の躰や心を癒してくれたのでしょか?

駐車場の先に温泉神社(ゆぜんじんじゃ)の鳥居が見えました。

鳥居をくぐって振り返ると那須野が良く見えます。

芭蕉は那須神社を参拝して

「湯をむすぶ 誓いも同じ 石清水」と詠みました。

これは奥の細道本文ではなく曾良の旅日記に書かれています。

「湯をむすぶ」は湯を手に取ってすくいあげるという意味で石清水八幡の水をすくうのと同じくらいご利益があるということでいい湯だったのでしょう。

社務所

デザインが気に入ったので交通安全のステッカーを買いました。

ご隠居の車の後ろには沢山の神社仏閣のステッカーが貼ってあるので追突されたことがありません。

さらに参道を進みましょう。

本殿

温泉神社は那須与一が祈願をこめた「那須湯泉大明神」です。

奥の細道では以前に紹介した金丸八幡がそれだと土地の言い伝えによって書いてあります。

本殿の隣に稲荷大明神がありました。

この右手の坂道を下って行くと殺生石のある河原が見えてきます。

殺生石の由来

昔中国やインドで美しい女性に化けて世を乱し悪行を重ねていた白面金毛九尾の狐が今から800年前の鳥羽天皇の時代に日本に渡来しました。

このキツネは「玉藻の前」と名乗って朝廷に仕え、日本の国を滅ぼそうとしましたが時の陰陽師阿部泰成に正体を見破られて那須野ヶ原へと逃げました。

その後も旅人や領民に危害を加えたので朝廷は三浦介・上総介の両名に命じ退治させました。

ところがキツネは毒石となり毒気を放って人畜に害を与えましたので近寄ることを禁止していました。

その後会津の源翁和尚が石にこもるキツネのうらみを封じて毒気も少なくなったと伝えられています。

殺生石付近は絶えず硫化水素ガスが噴気していますので、風のない曇天の日はご注意ください 那須町。

という説明板も建っています。

今でも狐は怒っているのかな。

なんの悪さもしない野生生物は自然保護の精神にのっとり大事にしましょうね。

木道に沿て回遊できます。同じ木道でも尾瀬沼のそれとは違って花もなく殺風景です。

なんだか哀れな感じもします。

昔湯の花を採掘していた場所です。

芭蕉は(曾良の旅日記)

「石の香や 夏草あかく 露あつし」

とも詠んでいます

 

奥の細道(殺生石・遊行柳) 前半部分

これより殺生石に行く。館代より馬にて送らる。

これより殺生石に向かう。館代から馬で送られた。

この口付きの男「短冊得させよ」と乞ふ。やさしきことを望みはべるものかなと

この馬の口取りの下人が、記念に短冊をもらいたいと求める。こんな馬子ふぜいにしては風雅なことを望むものだと

 

野を横に 馬引き向けよ ほととぎす

広漠たる那須の原野を分け入って行く馬首を大きく横に引きめぐらせよ。野を横切ってほととぎすが鋭く鳴き過ぎた。

 

殺生石は温泉の出づる山陰にあり。石の毒気いまだ滅びず、蜂・蝶のたぐひ、真砂の色の見えぬほど重なり死す。

殺生石は、温泉の湧き出る山陰にある。石の毒気は今もなくならないで、蜂・蝶のたぐいが地面の砂の色も見えないほど重なり合って死んでいる。

 

「もののあわれというか凄まじい場所ですね」

「おいおい、曾良さんあまり近くによると毒気にあたるよ」

「安心してください!着けています防毒マスク。いつも明るい曾良さんでした。とか言ったりして」

「あいかわらず馬鹿だね」

「でも地球がまだまだ活動しているって感じですね」

「時々頭の配線がつながってまともなことを言うね」

「ついでに大涌谷みたいに温泉卵はないんですかね」

「ところで世間の噂では臨時福祉給付金が届いているというが曾良さんも3万円もらったかな?何か御馳走してくださいよ」

「翁と同じであたしも確定申告しているんで何も来やしませんよ」

「お上は、おめぇらは汗水出して一生懸命働いて税金納めて立派だから金くれないなんておかしな話ですねぇ」

「なんだか社会主義の国みたいですね」

「みんな何もしないでぶらぶらしていた方が楽なようです」

「こんな政策おかしい!国債の残高ばかり増えてしまう」

「公平な第三者の厳しい目で精査してもらいましょう」

 


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