村上原基、滋賀県安曇川の山中20年⇒麓の町の田中に一人暮らし人生

山中で20年一人暮し後71歳から麓の田舎町で暮している、断捨離し自然な生き様と山暮らし体験に基づく人生論及び写真を紹介

19.WBC(世界野球大会)で日本が勝ったことはそんなに良いことなのか?

2006-03-25 18:16:17 | 虚業
『物事の元凶は、物事を二つに分け、そのどちらに属するのか、白黒はっきりさせて、終えてしまおうとする心にある』

日露戦争の日本海海戦の勝利さながらに、WBC(世界野球大会)で日本が土壇場で奇跡的に勝ったということで日本中が大騒ぎし久々に明るくなっているようです。
そういう中で私の気分は、どうであったかというと、正直な話、嬉しかったし、日本野球の能力の高さに感激しましたが、その一方、少しへそ曲がりでは、ありますが、
「喜び半分・そうでない半分」「目出度くもあり目出度くもなし」というような気分でした。

①韓国の人達は、さぞかし頭にきているだろうな、ものすごい復讐を誓っただろうな
②アメリカは、がっかりしているだろうな、日本の大相撲みたいに絶望しているのだろうか?
③長いこと世界一だったキューバも、残念に思っているだろうな、大いに反省しているだろうな
④その他の国は、日本の勝利に関心さえないだろうな、チクショウ日本の奴め、覚えてろ・・・
⑤ニューヨーク・タイムスは、しきりに自国批判だ、米国野球選手は大いに反省したことでしょう
⑥喜びの絶頂は日本だけだ、「奇跡の優勝・実力世界一」だなんて手放しの喜びようだ

今回の日本の技術に感動し・学び、参加した他国野球の改革に結びつくことは間違いありません。今頃真剣に繰り返しビデオを分析し、研究していること間違いなしなんです。
逆に日本は他国から得る具体的なものがあったのでしょうか?かつてのバレーボールのように、「恐るべし日本」とばかり、急速に今回の日本の優れた技や戦術や練習方法まで分析され、吸い取られ、技術・秘術をまんまと盗まれることでしょう。早速、日本のコーチ獲得なんかやったりしますよ?油断してはいけません。次回のWBCは、コテンパンにやられますよ。一体、前回の日本の優勝は何だったのか?とならないようにしないといけませんよ。本当に勝つということは、とてつもなく厳しいことなんです。

■勝ちチーム(例:かつての巨人)
・喜ぶ
・奢る
・強いと思う
・チヤホヤされる
・問題点をつかまない
・目標を持たない
・祝勝会に振り回される
・緩む
 → 駄目になる

■負けチーム(例:かつての阪神)
・悲しむ
・謙虚になる
・弱いことを反省する
・非難される、なじられる
・問題点をつかむ
・目標を持つ
・即座に反省会をすぐに行う
・厳しい努力が始まる
 → 良くなる

どちらにしろ「勝つ」ことそのものは、結果に過ぎず、一時のハカナイ喜びでしかありません。大した意味はないどころか、むしろ以上のような弊害を生むことが多いものです。かつて大勝したために、その後急激に没落する選手や企業はどれだけあったことか。

日本がかつて日露戦争で、大国ロシアに勝ったことを思い出します。今回の日本の優勝は私にとっては、実のところ日露戦争の勝利のような気分なんです。日露戦争に勝った当時の日本は、提灯行列・花電車が繰り出し、祝勝ムード・日本強し一色だったと聞いています。まあ戦争でないからスポーツだから平和的だから素直に喜びたいとも思いますが、どうみてもタナボタですし、本物の初代チャンピオンなのかなー?

日本では、昔から、次のように言います。
①負けるが勝ち
②奢れるものは久しからず
③勝って兜の緒を締めよ
④勝てば官軍
⑤勝敗は時の運
⑥敗軍の将、兵を語らず
⑦勝てば負ける

日露戦争後、日本はロシアに勝ったことで不幸な状況に追い込まれていきます。そしてやがて第二次大戦によってアジアを中心に多大の苦痛を隣国および日本自体にも与えるように突き進んでいくことになるのです。

しかし他方、第二次大戦で、大空襲と原爆二発を落とされ、決定的な敗北によって、日本人の誇りとあらゆるものを奪われましたが、その後、結果的には、日本は世界の技術大国・経済大国にのし上がって行ったのです。

勝つこと、勝つことによって奢ること、お祭り気分になること、勝つことで自分を実態以上にすごいものと誤認することが不幸な結果をもたらすのです。
そういう意味から多くの諺が言っているように、勝つことは、むしろ結果的に大いに危険であることを認識しておくことが肝心です。
勝って悪いことはありませんが、

①異常なほどに勝とうとすること
②勝つことを異常に喜ぶこと
③勝つことで傲慢になること
④謙虚さを失うこと

ことは厳しく戒めなくてはいけないのです。というか勝つことなんかそんなに素晴らしいことではないのです。歌の歌詞にあるように「他人に勝つより自分に勝て」なんです。勝つというのは単なる方便なんです。もし、勝つことで思い上がり、結果的に自分を駄目にするしたとしたら、なんのことはないのです。
勝つことは単なる結果に過ぎないので、勝つ能力を持ち・不断に能力を高める努力を続けることこそが大事なんです。
日本人の私でさえ、今回の優勝は韓国であったような気がしていますし、韓国に優勝させてあげたかったと思います。日本に2回も勝っているし、勝率もトップだったということを忘れてはいけません。(日本は、韓国の言うように、恥ずかしい優勝でした。韓国の人々から日本は汚い国だと思われたでしょうね。恥を忘れ・失った日本選手に良い気分はしませんでした)3回も戦って3戦に勝つというのは確率的にも難しいことですよ。日本選手や王監督は、自分達が喜ぶ前に、韓国の健闘を贊え敬意を表するべきでしたよね。
勝ったら、心を失って大喜びするのではなく、むしろ余裕を持ち・寛容で広い心を持ち・自分の自惚れた心を戒めることこそが大事なんです。
江戸時代に宮本武蔵という大剣豪がいました。若い頃は勝つこと日本一の剣豪になることだけを目的に、剣術の果し合いの日々を過ごすのです。
しかしその武蔵が晩年は、他人に勝つことより自分に勝つことを目的に、大きく生き方を変えるのです。

今回のイチローは、正に若き頃の武蔵ほどではないにしろ、武蔵のような感じを受けました。いつになく冷静さを失い、独りメラメラと燃える、対戦国に対して問題発言を乱発していました。(もし日本人であれば、あんなことは言うべきではありません。ああいう礼を失した物言いは、武士道精神の日本人としての発言ではありません)

「30年は日本とは戦いたくはない」
「負けて、最も屈辱的な日であった」
結果的に日本が勝利したからこのイチローの発言は、賞賛さえされていますが、韓国の3戦目に負けて、まかり間違って決勝で負けていたら、イチローは長いこと、大いなる非難に曝されることになったでしょう。多分イチローは、心の底から、ホッと胸をなでおろしていると思いますよ。
「30年は日本とは戦いたくはない」というのは、実際にはそんなにも強くはなっかたのですから、全く失礼かつ・いい加減極まりない発言であったと強く反省し、できれば謝罪すべきでしょう。まあ「もう後の祭り」ですが、口は災いの元です。

武蔵同様に劇的に勝利したからこそ、許された発言だったのです。まあ「絶対に負けてはならん」イチローは一つの大きな賭けに出たのでしょう。失いかけていた日本チームの気迫を、挑発的とも言えるような(アメリカ的)、殊更に強い表現で世界に示したんでしょうね。
彼は意外も意外、ここ数年アメリカで勝っていないのです。そういう意味で、今回は、なんとしても勝ちたかったのでしょう。特に日本人として勝ちたかったのでしょう。勝てないマリナーズで骨を埋めることになるとすれば可哀想な気もします。これも、イチローだからこその神からの誠に有難き大試練なんでしょうね。でも今回、神様は、粋なプレゼントを彼に与えたのです。神のご加護をもらうイチローはすごいかもしれません。
今の時代は、勝ち組/負け組というように分けるのがはやっていますが、そういうことは事実ですし、勝ち組になる努力も必要だとは思います。負け組にどっぷり漬かっている若者は、ゾーッとしますし、軽蔑の対象でしかありませんし、負け組の人や会社は、やはり、あまり良いとは思えませんからね。しかしその上でも、やはりそういうわけ方は、どちらに属するにせよ良いことではないような気がします。「負け組は駄目・悪い・無用というように断定する」のは間違っていますし、社会全体としては危険なことです。
私は次のように思います。

①勝つことは大切なことであると思っています
②でも勝つことを最終の目的としてはいけない
③負けても相手を讃えよう
④争って、我を忘れないようにしよう
⑤勝って、おごる心を戒めよう
⑥負けることも、大いに価値がある
⑦負けた相手のことを、思い遣ろう
⑧勝ったら、勝ったことに捕われず、淡々としていよう
⑨勝つということは、相手を打ちのめすことではない
⑩勝ち負けに、こだわらない強い心を持とう
⑪勝ったからと言って、それほど大したことじゃない
⑫豊かな時代に、勝つということはさほど意味がない
⑬現代においては、勝つことより協力や協働が大事
⑭他人に勝つことより、自分に勝て
⑮勝つことで多額のお金や名声を得ようとするのは戒めよう
⑯勝ち負けというのは、争う心から生じている
⑰勝つことそのものが目的になることは良くない
⑱勝つことを周囲が異常に賞賛し過ぎるのはいかがなものか
⑲人間は自然に勝つことより、自然に負ける(従う・妥協する)ほうが良い
⑳負けてもガッカリすることはないむしろ、負けた原因を考え努力研鑽しよう

第二次大戦で敗戦後、食料も物も娯楽もない時代に、水泳の古橋選手のように、日本の選手が競技で勝つことは、日本人の荒んだ心に恵みと勇気と元気を与えたことでしょう。しかし今日のように豊で便利な時代に日本の選手が勝ったといって大騒ぎ・大はしゃぎするのは、おかしいというか、子供じみていると思わざるをえません。
むしろ恵まれない国の選手が頑張って日本を打ち負かし喜んでいれば、一緒に喜んであげることが日本の役割なんではないでしょうか?わざと負けることはありませんが、気違いのようになって勝つことに執着するのは大人気ないことだと思うのです。
子供と競技してムキになる大人は最低ですよ。
ところで、自然のことに話しを転じますと、自然は勝つなんてことを考えていません、淡々とやるべきことをやっているのです。私はイチローのそういう姿が好きでした。でも今回のイチローは私にとってはややがっかりでした。(彼は若い日本選手のためにあえてああいう態度をとったという人もいますが、多分そうなんでしょうが、もしそうだとしたら、「そんなことイチローにやらすな」と言いたいですね。やはり、彼は表面的にはクールなほうが似合います)
若いのに神様のように思えるほど素晴らしい人間と思っていましたが、やはり彼もまだ若い一面を残していたようです。そういう意味では、むしろ、ある意味安心もしましたが。「大人以上に大人のように見えたイチローもまだ若者のようであった、まだまだ修行することが残っていた」と思ったからです。あの歳で出来すぎていることはむしろ、気持ち悪いし、人間を小さくするだけです。
あんなに勝ち・負けにこだわる尻の青さも持っていたんだ。勝つことは負けることは若者の特権であり、そこから学ぶものも多いのです。若者は大いに勝ち負けにこだわれ。

 ・若者は、大いに勝ち負けにこだわるべきだ、だって若者は未熟で不完全なものだから
 ・大人は、勝ち負けにこだわり過ぎてはいけない、大きな落とし穴に落ちる危険があるから
 ・老人は、勝ち負けにこだわってはいけない、老人にとって自分に勝つことが大事だから

日本という国は高齢化し、大人になろうとしているのですから、勝ち負けにこだわるような子供じみたことを卒業しないといけないと思います。
今回WBCの試合を見ていて、貴方は次のどれでしたか?今回の真昼のテレビの視聴率が50%くらいということからすると、①と④が多かったのでしょうね。私もどちらかというと①でしたからね。
でも私は最近は、少しづつですが、冷静に②や③になりつつあるのです。というか、そういうように見るように変わろうとしているのです。

①カッカして、日本の勝ちに非常こだわって観戦していた
②日本の勝ち負けには関係なく、淡々と野球を観戦していた
③日本とか他国とは関係なく、良いプレーそのものを楽しんだ
④観戦はしなかったが、日本が勝って非常に喜んだ
⑤観戦もしなっかたし、日本が勝ったこともどうでもよかった
⑥全くなんの関心もなかったもなかった

最後に負けることについて、特に大人・老人に一言
 ・甘んじて負ける
 ・負けることを楽しむ
 ・負けることを栄養源にする
 ・負けることに喜びを感じる
 ・負けることに負けるな
 ・勝つことに勝ち誇るな
負けることを知り、笑みを浮かべ平然と負ける人のほうが、より勝利者に近い
  (負けられない者は、臆病で、ひ弱で、自信がなく、脅え、いつも身構える)
負けてグジグジ言うのは、最も最低です。

①徹底して節約(無駄取り)
②徹底して謙虚(謙遜)
③徹底して努力(勤勉)
④徹底して愚直(素直)
⑤徹底して明快(明るく・快活)
⑥徹底して誠実(真面目)
⑦徹底して親切(思いやり)
⑧徹底して健康(食事・運動・良習慣)
⑨徹底して自然(あるがまま)
⑩徹底して工夫(創意・創造)
⑪徹底して反省(懺悔・悔悟)
⑫徹底して労働(汗と涙)                  


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 18.格差拡大というが、悪いこ... | トップ | 20.インターネットで情報漏え... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

虚業」カテゴリの最新記事