1月25日 BIZ+SUNDAY
12月 通販サイト「ファクトリエ」を運営する山田敏夫社長(32)が銀座に開いたお店。
岩手県の工場が手掛けたマフラーはイタリアの高級ブランドに使われてきた編みの技術が取り入れられている。
青森県で200の工程を経て縫製されたトレンチコートはイギリスのブランドを手掛けた技術である。
高級ブランドと比べて価格は抑えめ。
30~40代に人気がある。
「海外のものイタリアのものと比べても遜色がないぐらい。」
「手触り重さ軽さ 含めて納得感が得られた。」
客はこの店で試着をしインターネットで注文をする。
高い技術を持った工場との連携から生まれる洋服。
今年度の売り上げは1年前の5倍の3億円を見込んでいる。
3年前に会社を立ち上げた山田敏夫社長。
ビジネスを始めるにあたり各地の工場を回ったtき驚いたことがあったと言う。
(山田敏夫社長)
「世界のこんなに多くのブランドが日本でものづくりをしていることに驚いた。
その工場に全ブランドの仕様書がある。
ということはそこにはすごく知見がたまっていたり
ブランドの無茶な要望に応えられる技術力を持っているのが前提。
そこの幅がある工場というのはすごく珍しく
その技術をどれだけ使えるのか。」
山田さんの実家は熊本県にある老舗の婦人服店。
子どものころからアパレルの世界で働くことを夢見ていた。
パリのブランドショップで見習いの仕事をしていたころ同僚に言われた言葉にショックを受ける。
日本には本物のブランドがない
(山田敏夫社長)
「世界のグッチだったりエルメスだったりヴィトンだったりほとんどがものづくりの工場とか工房から出来てきている。
その時はただ悔しかったし
世界の人が知っている代名詞となるブランドを日本のものづくりから作りたい。」
世界に通用するブランドを日本から発信したい
有名ブランドなどの洋服を作ってきた14の工場と提携。
アジアとの価格競争で苦しい経営を強いられてきたが高い技術を持っている。
熊本県でシャツを作っている工場は丈夫で長持ちするよう細かく丁寧に縫う特殊な縫製技術を持っている。
新潟県の工場はニットを生産している。
なめらかな肌触りと着心地の良さを70年にわたり追求してきた。
「そで下の部分ですけど深いマチを入れることによって袖を上げたときにここが一緒につり上がらない。」
(山田敏夫社長)
「日本の良さは単純に技術だけではなく
下で支えている仮縫いのあとだったり肌にあたる部分がケアされているとかそういうところも実は見ていて
そこはたぶん“”心遣い」だと思う。」
山田さんは商品の価格を決める際工場の意見を取り入れることにしている。
通常はメーカーが価格を決めるが工場と一緒に決めることでやる気を引き出すねらいである。
これまで工場と消費者の間には商社や卸などが入るため工場の利益は1割程度だった。
山田さんは工場から直接販売することでコストを削減。
そのぶん工場の利益を増やすことが出来るようになった。
(ニット工場 川島幹生社長)
「ものを売ることに関しては非常に無知な部分もある。
作り手としてはモチベーションが上がるひとつだと思う。」
(山田敏夫社長)
「工場は全部の力を注いでほしい。
僕らが世界ブランドになるんだったら
最高の技術を余すところなく使ってきちんと儲かるように利益も得てくださいと。」
日本の工場から世界ブランドを。
山田さんは提携する工場を今後も増やしその技術に光を当てていくつもりである。
(山田敏夫社長)
「工場は技術力があって境と戦える工場で
だからその技術を僕らが伝えられるか
きちんとビジネスとして販売できるか
それを本当にまじめにやっていくだけ。」