2月1日 BIZ+SUNDAY
結婚式場、お化け屋敷、銭湯、野球場
一見何のつながりもないようだが実は会議室として貸し出されている。
東京大田区にある400年の歴史がある由緒あるお寺。
鬼子母神が祭られているお堂が貸し会議室になっている。
法事の時以外はほとんど使われていなかったというこのお堂。
1時間1万円で借りることが出来る。
豊島区のオフィスビルでは屋上を会議室として貸し出そうとしている。
企業が家人が所有するこうした空きスペースを会議室として貸し出しているのが
スペースマーケット社長 重松大輔さん(39)。
スペースマーケットが仲介する会議室は全国に1400か所。
インターネットで予約し料金を支払うだけで誰でも利用することが出来る。
(スペースマーケット社長 重松大輔さん)
「野球場は野球をするところ。
固定概念をちょっとずらしてみるとなんかすごく面白いなと思って。
『よし会議室で会議やるぞ』って言われて当たり前だとワクワクしない。
『きょうは銭湯化しきって会議やるぞ』『きょうはお寺貸し切って会議だ』とか
場所が変わるだけでワクワクするというか雰囲気とか意外性が刺激する。」
東京世田谷にあるお店 ドードーの空。
9時から16時まではカフェとして営業しているが
客足が減る17時以降23時までは会議室として貸し出されている。
この日会議を行っていたのはIT関連のベンチャー企業。
会議が終わればお店の調理場を使ってみんなで打ち上げの準備。
(利用者)
「日常の仕事の延長戦だと思いつかないことを思いついたりする。」
“会議が変われば日本は変わる”
つまらない会議に風穴を開ければ閉塞感漂う日本の起業にも変化が起きると重松さんは考えている。
(スペースマーケット社長 重松大輔さん)
「やっぱり場所だと思う。
場所が違うだけでやっている内容は会議で
もちろん一生懸命考えてみんなやるわけですけど
意外な組み合わせで新しい感動というかワクワクする何かを生み出せると思った。」
大学卒業後 大手企業に就職した重松さん。
しかし自由な発想が少ない職場を窮屈に感じていたという。
「いろいろきっちりいろんなものが決まってて枠を外れてやると怒られたりとか。
学生時代までは自由奔放にやってましたんで社会に出てハンマーで殴られたような。」
その後会社を退職し去年独立。
モットーは“世の中を面白くすること”。
(スペースマーケット社長 重松大輔さん)
「今 世の中的に日本が成熟してきたということだと思うが
非常にきっちり統制が取れてきてまじめな社会になってきて
私たちが子どもの頃ってもっといい加減だった気がする 日本って。
世の中を面白くしたいと思って。
面白いことを仕掛ける集団でありたいということは大切にしている。」
常識を打ち壊すことが新しいビジネスにつながると語る重松さん。
今でも毎日街を歩き新たなビジネスチャンスを探している。
「なんか世の中の常識と違うものを常に探していますよね。
それ 世の中的にはみんなこう思っているけど
あッ 実はこうだったんだみたいな。」
常識破りの会議室ビジネス。
重松さんはそこから世界に羽ばたくベンチャーが生まれてほしいと願っている。
(スペースマーケット社長 重松大輔さん)
「今の日本に足りないのはチャレンジする人。
チャレンジする人の絶対数が足りない。
新しくチャレンジして成功も失敗もあると思うが
我々が介在して紹介したスペースを使って
ゆくゆくはここから日本を世界を代表するような
トヨタとかホンダみたいな世の中を変えるような企業をどんどん生み出していって
ひいてはいま右肩下がりな日本ではあると思うがグイッと上げていけるような文化をカルチャーを作っていきたい。」