2月1日 BIZ+SUNDAY
全国で約700店舗を展開するスーパーチェーン。
輸入食品や自社ブランドの製品など独自の品ぞろえで去年は2000億円を売り上げた。
「他のスーパーでおいていないようなものもある。」
「こちらのオリジナル商品が揃っている。
よく利用している。」
ところが急速に進む円安が会社の経営を圧迫している。
商品の約3割を占める輸入品の仕入れ価格が上昇。
自社ブランド商品の原材料費も上がっている。
(神戸物産 沼田博和社長)
「どうしても為替の影響を強く受ける。
1ドル70円後半のころから今を考えると何もしないと70~80億円の損失が出るだろう。」
このスーパーチェーンを運営する神戸物産。
円安の逆風に対抗し大胆な戦略を打ち出している。
多くのスーパーがコストが増加する中で商品の値上げを迫られているがあえて値下げに踏み切った。
たとえば鍋スープは原料の大豆などの価格が上がっているが約3割値下げした。
何故値下げで来たのか。
実はこの会社は全国各地に自社工場を持っている。
工場を24時間稼働させて生産量を倍増。
値下げが実現できた。
(神戸物産 STB開発部門 岡本道暁部門長)
「自社で加工したものを自社で販売する製販一体の流れが築き上げられている。
圧倒的な生産量 圧倒的な価格で打ち出して勝負にいく。」
さらにこんな方法でも安値を実現している。
牛乳工場で作っているのはなんと水ようかん。
すでにある製造ラインを使うために牛乳パックにようかんを入れる。
これまでにない発想によって安値を実現した。
(神戸物産 STB開発部門 山先孝和さん)
「設備投資は新たに何もしていない。
牛乳や乳製品を作るラインをそのまま生かして使用しているので
十分な利幅は確保できる設計になっているので攻めていけると思っている。」
この会社には円安に対抗する戦略がもうひとつある。
他社が円安で輸入食品の扱いを減らそうとするなか逆に扱いを増やしている。
たとえばハラル商品。
j豚肉やアルコールを使わないなどイスラム教の戒律に対応した商品である。
今後 東南アジアや中東からの旅行者が増えれば需要の増加が見込まれるハラル商品。
開発チームではさらに品ぞろえを増やそうとしている。
円安という逆風の中であえて攻めの経営をする。
小さな積み重ねが業績アップにつながっていた。
(神戸物産 商品開発部門 松村敦子部門長)
「どの店舗も円安というのは同じなので
その中でどれだけ上を行くか先を走れるか
南アフリカとか今まで日本には商品を入れていないメーカーを探して
そこを指導していい商品を安く入れてきている。」
(神戸物産 沼田博和社長)
「他社にない商品を作ってお客様に喜んでいただく。
商品開発は日々チャレンジだと思うので
チャレンジを繰り返しながらオリジナル性に磨きをかけていきたい。」