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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

普通で良い、と言えない社会で

2023-11-17 22:16:11 | 毎日コラム
子どもが小学生になって、宿題の多さに親の方が圧倒されている。 私は本業の都合もあって、ほとんど奥さんに子どもの宿題をみてもらっているが、驚いている。 スピードも速く、毎日新しいことをやっては、復習、というのを繰り返している。 私が子供の頃、こんなにも宿題をしていたのか、と感じている。 そう考えながら、いつもテストがあれば聞いてしまう。 何点?と。 小学生のテストなんて、と思う。 けれども、これに . . . 本文を読む
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花束を君に。

2023-11-16 20:04:59 | 毎日コラム
年度の後半は、花束を贈り贈られる季節と言える。 イベントのプレゼントに、あるいは出会いと別れの季節に、花束が贈られる。 人間の本質的な営為の中で、贈与というものがあるというのは、思想の世界でも話題にされてきた。 人間だけが贈与する。 贈り物をする動物はほかには見られない。 もちろん、見立てによっては贈り物のようなものをする動物はあるかもしれない。 けれども、その行動と、人間が行う贈与には本質的な違 . . . 本文を読む
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経済と法は、現代の呪術である。

2023-11-15 21:36:22 | 毎日コラム
何か問題が起こったり、新しいことを考えたりするとき、私たちの観点は大きく二つある。 それはコストやリターンの上で最適かどうか。 あるいは、法律に抵触しないかどうか。 どんなことでも、お金に換算して、時間に換算して是非を問おうとする。 ルール違反は、ルールやマナーというよりも、法律がよりどころとなる。 私たちは、とくに情報化社会に本格的にどっぷりつかっている現代は、この二点が物事を議論するときの重要 . . . 本文を読む
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ポジティヴ・シンキングの土台

2023-11-14 19:03:14 | 毎日コラム
長い長いトンネルを少しだけ抜け出たような感覚がある。 この二ヶ月ほどずっと体調が悪くて、仕事も忙しくて、何の余裕もなかった。 ただ右から左へと物や情報を動かしていくような、生命維持モードで生きていた。 「ゴジラ-1.0」の公開に合わせて、神木隆之介がポジティヴモンスターであるとコメントしていた。 どんなに厳しい状況でも、前向きに捉えるのが得意であると。 私は基本的にネガティヴなので、他人や運命 . . . 本文を読む
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日本のリーダーシップとは

2023-11-13 22:14:37 | 毎日コラム
私はリーダーシップなるものを発揮したことがない。 人々を主導するどころか自分を主導することも難しい。 熱い思いがあるわけでも、仕事に熱意を持っているわけでもない。 キムタクが、一番嫌いだという「適当でいい」「どうでもいい」という言葉を多用する傾向にある。 人に従って、リーダーに無責任に意見をいう方が向いている。 しかし、その一方でどう言うふうにしたら周りを自分の意見に従わすことができるか、とい . . . 本文を読む
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同調圧力の正体

2023-11-11 22:33:29 | 毎日コラム
日本には強力な同調圧力があるとしばしば言われる。 マスクを例にしてもわかりやすい。 こないだまでマスクをしない人間は吊し上げられたのに、5類になったとたん、今度はマスクは顔を覆い隠すからコミュニケーションには不適だと言われる。 こういう例はいくらでもある。 最近のスポーツ紙は、岡田監督を持ち上げるのに忙しい。 優勝した途端、彼を批判することはほとんどタブーになりつつある。 甲子園で優勝したチーム . . . 本文を読む
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自然主義としての日本人像

2023-11-10 19:57:59 | 毎日コラム
ずいぶん前に、内田樹の「日本辺境論」を読んだとき、「なるほど!」と思ったのを覚えている。 そこにも書かれていたはずだが、日本人はとにかく「日本人とは何か」を考えたがる民族であるようだ。 それは確固たる国民像がない、あるいはそれを共有できないことの裏返しだろう。 日本の歴史は脈々と……と語られることが多いが、では日本人とはどういう民族なのかと言われても即答できない。 あるいは、安倍謹也がいうように . . . 本文を読む
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人間関係までも可視化される世界

2023-11-09 18:01:09 | 毎日コラム
SNSによって、私たちは友達リストを作成することを強いられる。 SNSから逃れて生きていくという道も残されているが、民主主義の原則が「多数決」である以上、自分が多数派にいることは社会的に生き抜くための重要なスキルだ。 そうであれば、SNSを無視して生きていくという道は、ちょっと険しくなる。 ということで、私たちはせっせと友達リストを作って、人間関係を可視化することになった。 これは極めて残酷な行 . . . 本文を読む
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ゴジラー1.0

2023-11-08 21:40:00 | 映画(か)
評価点:78点/2023年/日本/125分 監督:山崎貴 私たちが背負う、【戦後】。 1945年戦争末期、特攻兵だった敷島(神木隆之介)は、機体不良のため離島に逃れた。 しかし、その機体には不具合が見つからなかった。 うつむく敷島だったが、その夜巨大な生物が彼らの駐屯所を襲った。 戦えるのは敷島だけだったが、足のすくんだ彼は逃げ出してしまい、部隊は壊滅した。 終戦後、故郷の東京に帰ったが、す . . . 本文を読む
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コロナがもたらしたもの

2023-11-07 21:59:37 | 毎日コラム
新型コロナウィルスが落ち着きを見せている。 いや、厳密にいえば社会的だったこの病気を、社会的に無視することを決め込んだ。 そうすると、嘘みたいに罹患する人が減った。 そのあたりの詳細な分析や陰謀論は他の人に譲ろう。 結局この新型コロナウィルスなるものは、何を私たちにもたらせたのだろう。 私はこの一連の騒動は、時代を加速させたのだ、と考えている。 失われた3年というよりは、時代を5年ほど加速させて . . . 本文を読む
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

2023-11-06 20:55:17 | 映画(か)
評価点:83点/2023年/アメリカ/206分 監督:マーティン・スコセッシ 誰が「フラワームーン」を殺したのか。 第一次世界大戦が終わって、アメリカの南部では空前のオイルブームが起こっていた。 巻き込まれたのはインディアンと呼ばれた原住民族だった。 彼らは住んでいた土地を奪われて、オクラホマ州にたどり着いた。 その土地で原油が取れることが分かったことで、彼らの生活は一変する。 白人たちはそ . . . 本文を読む
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社会人として欠くべからざる資質は二つである。

2023-11-05 14:55:33 | 毎日コラム
残念ながら、誠に残念ながら年齢はあくびをしているだけでもくってしまう。 私はまったく仕事に対して熱意はないのだが、いやでも【中堅】と言われてしまう年齢になってしまった。 他人に対して極端に期待値が低い私は、部下たち(正確には後輩たち)に対してまったく何の期待もしていない。 だから、「なんでこんなこともできないんだ!」「言われなくてもやれよ!」というような感情はほとんど抱かない。 【ほとんど】。 . . . 本文を読む
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ラグビーワールドカップについて

2023-10-29 15:46:09 | 毎日コラム
南アフリカの優勝で、ラグビーワールドカップ2023年が閉幕した。 朝の4時キックオフが多かったので、日本に住んでいる私にとって、絶妙に見られる時間帯が多かった。 結果、朝早起きして主要な試合は見ることができた。 日本代表は思うような成績が出なかったが、準決勝あたりの試合を見ればわかるように、やはりこれ以上の成績を残すのは難しい。 あれだけのスピードで当たってくる巨漢を、しっかり止めてターンオーバ . . . 本文を読む
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テクノロジーの発展とグローバリズムとは

2023-10-28 20:51:22 | 毎日コラム
テクノロジーが発展していくということは、【他者への依存性を高める】ことである。 テクノロジーとは、人間が本来身体の内部に持っていたものを、外部化することにある。 大きな荷物をもつのが大変だから、重機で運び、物を壊すために手でやるべきことを、鈍器という身体の外部に委託していく。 だから、それを作る者が生まれて、一人でやっていたことを誰かに、何かに、依存していくことになる。 私たちはそうして発展して . . . 本文を読む
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今井むつみ・秋田喜美「言葉の本質」

2023-10-27 19:55:32 | 読書のススメ
最近の新書コーナーで平積みされている話題作。 出た当初から気になっていたが、ちょっと他の作品を読んでいたので乗り遅れた感がある。 今井むつみの著作はいくつか読んでいて、学生時代からの付き合いである。 今回は、タイトルが非常に重く、言語の起源について探ろうという意欲作である。 ただ、手法としてはこれまで通り、未就学児を中心とする子どもたちの発達段階をみつめることを出発点としている。 中でも注目し . . . 本文を読む
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