評価点:58点/2010年/オランダ・イギリス/90分
監督:トム・シックス
誰もが想像すらしなかったアイデア、誰もが予想できるストーリー。
ヨーロッパを旅行していた二人のニューヨーカーは、ある夜ドイツ郊外でレンタカーがパンクしてしまう。
仕方なく車外に出て民家を探すが、森の中で誰もいない。
疲れ切ったリンジー(アシュリー・C・ウィリアムズ)とジェニー(アシュリン・イェニー)が限界だと感じたとき、一軒の家を見つける。
その家に住む中年男性が差し出した水には、なんと麻薬が仕込まれていた。
その男、ハイター博士(ディーター・ラーザー)にはある夢があったのだが……。
同僚から勧められて見ることにした作品である。
久しぶりにTSUTAYAでレンタルしたので、カードの有効期限が切れていた。
TSUTAYAでなければ、こんな映画置いていないかもしれない。
予告編を見てしまうと、ほとんどネタバレしてしまうことになるから気を付けよう。
設定を知ればすぐに分かることだが、完全なるB級ホラーである。
それ以上でも、それ以下でもない。
注意点は、食事の前後で見るべき映画ではないということだ。
お下品なのが嫌いな人は、観るべきではない。
▼以下はネタバレあり▼
何らかの傷害によって、一部の臓器が結合した状態で生まれてくる子どもたちがいる。
僕の記憶では、ベトちゃんとドクちゃんが有名なのか。
その分離出術を請け負ってきたのが、ハイター博士だった。
彼は分離ではなく、結合を夢見るようになった。
それは「治療」ではなく、「創造」であるという。
人間を三体、肛門と口を結合させて、1つの生命体としてしまおうという意欲的な研究である。
そのアイデアは誰もが思いつかなかっただろう。
しかも、人間である。
意志を持った人間を、生きたまま繋げてしまおうという残酷なアイデアは、ハイター博士を実行へと移させてしまう。
確かにそのアイデアは面白い。
ホラー映画として、非常に目を引く設定であることは間違いない。
けれども、それほど面白いとは思えなかった。
なぜだろうか。
それは「つなげたい」というアイデアだけで終わってしまっているからだ。
それ以上に新しさは一切ない。
予告編を見ている限り、それ以上の意外性や驚き、怖さはないのだ。
だから、物足りなさが目立ってしまう。
1つはキャラクター設定がいただけない。
被害者三人の設定もわかりにくいが、それ以上にハイター博士の設定があますぎる。
なぜそこまで結合にこだわったのか。
過去にどんなことがあったのか。
あの様子(成功したことが確認できた時、涙する)であれば、それまであの立派な屋敷は何のためにあったのか。
どのように生計を立てていたのか。
医者を引退したというわりには若々しいし、これまでの実験で犬を結合させただけではあまりにも自宅が使い慣れている風だ。
彼を殺人や誘拐までしてもやり遂げたかった衝動は、一体どこにあるのか。
被害者三人はどこかからつれてこられた、というだけで十分感情移入するに足る。
どんな人物であれ、あの状況で冷静でいられるわけがないからだ。
けれども、ここまで何が彼を追い立てたのか、という博士の内面はもっと描くべきだった。
そこに驚きの狂気があったほうが、より怖い。
それがないから、単なる「変態野郎」としか思えないのだ。
それに、彼の研究にはゴールがない。
つないで、次どうするのか。
新聞を取れ、ということをさせたとしても、家畜と同じだ。
そうではないはずだ。
家畜でよいのなら、犬を連れてきた方がどれほど有意義だろう。
彼の目的、ゴールが見えてこないから、不自然なシーンが多くなっている。
連れ回して、隣で泳ぐ必要がどこにあったのだろうか。
あれだけ大きなスキがあるなら、あのやくざな日本人は椅子でも投げて殺してしまえばよかったのだ。
人間的な活動をさせたかったのなら、敢えて人間的な食事や活動をさせるべきだろう。
挙げ句の果てに、最後のジェニーを殺してしまっている。
三体目は栄養がいかないのだから、死ぬのは目に見えていた。
すべてはハイターという人物が曖昧な設定しか設けられていないからだろう。
日本人のやくざ、カツローは本当にひどい。
話している内容(どうやら吹き替えらしい)もさることながら、まったく「大和魂」なるものを見せずに死んでいくのは、やはりすっきりしない。
どうせなら、派手に抵抗して死んで欲しかった。
また、演出も突き抜けていない。
最も観客が目にしたくなかったシーンがない。
それは結合部分だ。
ホラーなのだから、それを敢えて見せなければあまり意味がない。
見たくはない。
けれども、結合というアイデアを十分活かすためには、それを見せざるを得ないし、観客はどこかでそれを期待もしている。
にもかかわらず、それが描かれない。
描かないのであれば、なんとかして引きはがす、というような頑張りを見せて欲しかった。
ひどく消化不良だ。
結局、この映画はアイデアにはじまり、アイデアに終わっている。
ストーリーはひどく平凡だし、手に汗握るというようなシークエンスはほとんどない。
ラストの終わり方も、なんら驚くべき点がない。
最も大きな衝撃は、これが三部作だということだ。
今度は12体?!
多分、もう見ない。たぶん。
監督:トム・シックス
誰もが想像すらしなかったアイデア、誰もが予想できるストーリー。
ヨーロッパを旅行していた二人のニューヨーカーは、ある夜ドイツ郊外でレンタカーがパンクしてしまう。
仕方なく車外に出て民家を探すが、森の中で誰もいない。
疲れ切ったリンジー(アシュリー・C・ウィリアムズ)とジェニー(アシュリン・イェニー)が限界だと感じたとき、一軒の家を見つける。
その家に住む中年男性が差し出した水には、なんと麻薬が仕込まれていた。
その男、ハイター博士(ディーター・ラーザー)にはある夢があったのだが……。
同僚から勧められて見ることにした作品である。
久しぶりにTSUTAYAでレンタルしたので、カードの有効期限が切れていた。
TSUTAYAでなければ、こんな映画置いていないかもしれない。
予告編を見てしまうと、ほとんどネタバレしてしまうことになるから気を付けよう。
設定を知ればすぐに分かることだが、完全なるB級ホラーである。
それ以上でも、それ以下でもない。
注意点は、食事の前後で見るべき映画ではないということだ。
お下品なのが嫌いな人は、観るべきではない。
▼以下はネタバレあり▼
何らかの傷害によって、一部の臓器が結合した状態で生まれてくる子どもたちがいる。
僕の記憶では、ベトちゃんとドクちゃんが有名なのか。
その分離出術を請け負ってきたのが、ハイター博士だった。
彼は分離ではなく、結合を夢見るようになった。
それは「治療」ではなく、「創造」であるという。
人間を三体、肛門と口を結合させて、1つの生命体としてしまおうという意欲的な研究である。
そのアイデアは誰もが思いつかなかっただろう。
しかも、人間である。
意志を持った人間を、生きたまま繋げてしまおうという残酷なアイデアは、ハイター博士を実行へと移させてしまう。
確かにそのアイデアは面白い。
ホラー映画として、非常に目を引く設定であることは間違いない。
けれども、それほど面白いとは思えなかった。
なぜだろうか。
それは「つなげたい」というアイデアだけで終わってしまっているからだ。
それ以上に新しさは一切ない。
予告編を見ている限り、それ以上の意外性や驚き、怖さはないのだ。
だから、物足りなさが目立ってしまう。
1つはキャラクター設定がいただけない。
被害者三人の設定もわかりにくいが、それ以上にハイター博士の設定があますぎる。
なぜそこまで結合にこだわったのか。
過去にどんなことがあったのか。
あの様子(成功したことが確認できた時、涙する)であれば、それまであの立派な屋敷は何のためにあったのか。
どのように生計を立てていたのか。
医者を引退したというわりには若々しいし、これまでの実験で犬を結合させただけではあまりにも自宅が使い慣れている風だ。
彼を殺人や誘拐までしてもやり遂げたかった衝動は、一体どこにあるのか。
被害者三人はどこかからつれてこられた、というだけで十分感情移入するに足る。
どんな人物であれ、あの状況で冷静でいられるわけがないからだ。
けれども、ここまで何が彼を追い立てたのか、という博士の内面はもっと描くべきだった。
そこに驚きの狂気があったほうが、より怖い。
それがないから、単なる「変態野郎」としか思えないのだ。
それに、彼の研究にはゴールがない。
つないで、次どうするのか。
新聞を取れ、ということをさせたとしても、家畜と同じだ。
そうではないはずだ。
家畜でよいのなら、犬を連れてきた方がどれほど有意義だろう。
彼の目的、ゴールが見えてこないから、不自然なシーンが多くなっている。
連れ回して、隣で泳ぐ必要がどこにあったのだろうか。
あれだけ大きなスキがあるなら、あのやくざな日本人は椅子でも投げて殺してしまえばよかったのだ。
人間的な活動をさせたかったのなら、敢えて人間的な食事や活動をさせるべきだろう。
挙げ句の果てに、最後のジェニーを殺してしまっている。
三体目は栄養がいかないのだから、死ぬのは目に見えていた。
すべてはハイターという人物が曖昧な設定しか設けられていないからだろう。
日本人のやくざ、カツローは本当にひどい。
話している内容(どうやら吹き替えらしい)もさることながら、まったく「大和魂」なるものを見せずに死んでいくのは、やはりすっきりしない。
どうせなら、派手に抵抗して死んで欲しかった。
また、演出も突き抜けていない。
最も観客が目にしたくなかったシーンがない。
それは結合部分だ。
ホラーなのだから、それを敢えて見せなければあまり意味がない。
見たくはない。
けれども、結合というアイデアを十分活かすためには、それを見せざるを得ないし、観客はどこかでそれを期待もしている。
にもかかわらず、それが描かれない。
描かないのであれば、なんとかして引きはがす、というような頑張りを見せて欲しかった。
ひどく消化不良だ。
結局、この映画はアイデアにはじまり、アイデアに終わっている。
ストーリーはひどく平凡だし、手に汗握るというようなシークエンスはほとんどない。
ラストの終わり方も、なんら驚くべき点がない。
最も大きな衝撃は、これが三部作だということだ。
今度は12体?!
多分、もう見ない。たぶん。
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