銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

es [エス] (2001)

2010-04-07 | DVD鑑賞

原題:DAS EXPERIMENT

心理学会を震撼させた“実験”

先日鑑賞した「ヴェイブ」よりさらに衝撃的な作品が「エス」だと教えて頂きました。気になっていたのですが、なかなかレンタル出来ず。。。。ようやく先週借りて来ました。さて観た感想は、、、、、かなりびっくりものでした!!そして実際にあったというのですから、本当に驚きです。もう諤々でした。こんな実験が行われたなんて、ショックです。

もし観ようと思われる方があるなら、心して観て欲しいです。さてその問題作「エス」についての紹介をしたいと思います。
原題は実験という意味だそうです。そして日本語のタイトルのエスは、ドイツ語で、「これ」とか「それ」の意。もっと突っ込んで説明すると、心理学や精神分析学用語で「無意識層の中心の機能」という概念を意味する語らしいです。難しいです。あまり深く考えない方がいいかもしれません。

さてこの映画は1971年アメリカスタンフォード大学で実際に行われたスタンフォード監獄実験を元にしている。

STORY(goo映画並びに、ウィキぺディアより抜粋)

被験者求む。模範刑務所で2週間の心理実験。報酬は4000マルク」という新聞広告を目に留めたタレク(モーリッツ・ブライブトロイ)。かつては敏腕記者だったが今はタクシーの運転手をしているタレクは、この実験をレポートし記者として復活しようと考え、さっそく申し込むことに。


何やら色々試された後、タレクは面接に合格するが。。。。。

広告の内容は以下の通り

被経験者求む!

拘束時間:2週間

報酬:4000マルク

応募資格:不問

実施場所:大学内模擬刑務所

さて実験内容は大学の地下に作られた擬似刑務所で20人の男達を「看守」と「囚人」に分け、それぞれ与えられた役になり切り二週間生活するというものであった。 タレクは、2週間で4000マルク(約2000ユーロ、25万円)という高報酬と、刑務所の囚人の疑似体験という実験の特殊性が良い記事になると思い実験の様子を秘密裏に取材し、録画する為の超小型カメラを眼鏡に仕込み実験に参加する。

始めの日は両サイド共に何の問題も無く和やかな雰囲気で過ごす。しかしその後、些細ないざこざから端を発した看守側と囚人側の対立は、徐々に深くなってゆく。実験の主催者である教授に対し彼の助手たちは、実験の続行は危険だと判断し実験中止の要請を再三に渡り行う。だがこれらの要請は教授によって全て拒否され、この実験は最終的に、2名の死者を含む多数の死傷者を出す惨劇へと変貌して行く。

1971年にスタンフォード大学心理学部で行われたこの実験は、2週間の予定だったのが7日間で打ち切られ、以後この実験は実施禁止とされた。本作はその実験の結果を忠実に再現している。これがどのような実験で、なぜ禁止されたのかはこの映画を見てもらえればおわかりだと思う。人間はある役割を与えられると人格が変わる程、“状況の力”にコントロールされるのだということを見せ付けられる。

観た感想:宗教に洗脳されて、宗教にのめり込む人がいますが、いわゆるマインドコントロールというものですよね。宗教に限らずこの実験によって気持ちがコントロールされていき、航空会社勤務で温和な?(ヤフー映画では、地味で陰気と書かれていた)人だった彼が、看守/ベルスとして次第に、顔つきまで変貌していく様が何とも言えず不気味でした。看守グループのリーダー格として、存在感をかもしだしていました。看守のメンバーの中も耐えられなくなり、囚人サイドにつく人も出て来ます。ベルスはそんな裏切り行為に、その人間にまで体●与え始めるのでした。まさに人間の心の闇をえぐりだしているかのように見えました。多分ダ誰にでもこんな狂気的な心理ってあるのでは?なんて思いましたね。

実験が進むうち、「看守役」の攻撃的な振る舞いはどんどんエスカレートしていく。それに対して、「囚人役」は卑屈に服従するのみで、まったく抗議できなくなっていく。いつしか、模擬刑務所内は単なる実験の枠組みを越えて、もはや誰にも制御不能の状態に陥っていく……。

制御不能状態に陥っていく状況は誠にゾッとしました。どうしたら軌道修正ができるのかしら?なんて、、、、、、


このようなシーンもあります。人を人とも思わない行為に憤りさえ感じます。このような仕打ちを受けた囚人役の人たちにも変化が出始めます。


そもそもこの教授(エドガー・セルジュ)、右の助手(アンドレア・サヴァツキー)が危険ということでこの実験を中止するように話したのに、全くもって拒否、そのことで想像以上に最悪な事態となったわけだ。
ベルスは助手も拘束してしまうことに。。。。。

タレクは最後まで抵抗する、そのことで、小さな金庫のようなところに閉じ込められてしまうのだ。絶対絶命という事態に。


タレク同様、囚人シュタインホフ役で出演したのは、クリスチャン・ベルケル
後半はタレクと共に看守たちと戦う。

何とかこの実験は中止され、一見落着という結末で終わる。タレクは恋人ドラ(マレン・エッゲルト)と再会出来てハッピーエンド♪でも何となく後味が悪かった。

解説(allcinemaより抜粋)

30年ほど前、スタンフォード大学心理学部でひとつの実験が行われた。それは公募で集まった人間を看守役と囚人役に振り分け、模擬刑務所内においてそれぞれ与えられた役割に従って行動させ、肩書きや役割が人間の行動に与える影響を調べるというもの。しかし、看守役の被験者は次第に支配的、攻撃的に、囚人役の被験者たちは受動的、服従的になっていき、ついには囚人役の何人かが重度の情緒不安定に陥り、当初2週間の予定だったこの実験は6日で中止となってしまった。以後、こうした実験は倫理的に問題が大きいために全面的に禁止されている。本作はこの有名な心理実験を基に描いた問題作。モントリオール国際映画祭にて最優秀監督賞を受賞。監督はインべーションの、オリヴァー・ヒルシュビーゲル


 

メディア 映画
上映時間 119分
製作国 ドイツ
公開情報 劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2002/06/22
ジャンル ドラマ/サスペンス
映倫 PG-12


※実際の実験では、映画のように、死者は出ていないということだけはここで述べておきます。

実験の詳細は下記をクリックして、ご覧下さい。
         ↓

スタンフォード監獄実験

 

 

Comments (4)
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