原題:PRECIOUS: BASED ON THE NOVEL PUSH BY SAPPHIRE
24日から公開となった「プレシャス」。初日に鑑賞しました。
クレアリース・プレシャス・ジョーンズは16歳の女の子。
彼女のミドルネームのプレシャスは「愛しい、貴い」という意味を持つ愛情溢れた名前だった。しかし現実はその名前とは裏腹で彼女の日々は苛酷なものだった。
アメリカの今を伝えている。その現実はプレシャスと同じような状況にある人が多いのだろうと思う。もちろん日本にもこういうケースは多かれ少なかれあるはず。
そういえば、行政機関の福祉関係で働く知り合いから、様々な家庭環境で難しいケースに遭遇するとは聞いたことがある。そんな中にプレシャスのような環境に置かれているケースがあったような、、、、記憶している。
それにしても何とも言い難い辛くて厳しい現実である。実の父からは●的●待。母からも虐●を受ける。この状況は日常茶飯事だというのだから何ともやるせない。
お話は、、、、
1987年、ニューヨーク・ハーレム
16歳のプレシャスは、二度目の妊娠をしていた。父親は自分の父。何と一人目を産んだ当時12歳だった。未成年だから、当然子供を引き取ることはできない。
その父親は行方をくらましており、家では母親メアリーから肉体的、精神的な虐●を受けている。
母メアリー役 (モニ―ク)
モニ―クはこの役で、アカデミー賞助演女優賞に見事輝く!
台所で料理をしていると後ろから物を投げられ、「学校なんて行くのは無駄、お前のような能なしは何の役にも立たない」と毒づかれる。
言葉の暴力って目に見えないだけに、たちの悪い虐●だと思う。
プレシャスは、とんでもなく太っていて、読み書きも出来ない。
プレシャス役にはこの作品でデビューした、ガボレイ・シディべ
家庭で母親から罵倒されるとき、学校ではいじめられるとき、プレシャスは残酷な現実から逃避するように、空想の世界で、いつも綺麗になって、もてはやされる自分を想像する。そこには自信に満ち溢れ、人々から愛される自分がいるのだ。
でも現実は、酷い扱いをする母親の世話するしか生きるすべがない、、、、。
その上追い打ちをかける出来ごとが。妊娠していることが学校に知られてしまう。
学校を退学させられ、オルタナティブスクール(代替学校)へ送られることになる。
しかしこの学校への入学が、彼女にとって人生の大きな転機となる!
新しい学校“イ―チ・ワン・テイ―チ・ワン”。
プレシャスのように何らかの問題を抱えて通常の学校に通えなくなった子供たちのための学校。日本にも最近増えて来た、フリースクールですね。
始めは反発していたプレシャスだったが、ここで初めて「学ぶ」ことをスタートすることに、、、、、。
自分と同じ境遇にある仲間たち、そして辛抱強く、プレシャスとしっかり向き合い、作文を教えるレイン先生。
レイン先生役には、ポーラ・パットン。
「デジャヴ」、「ミラ―ズ」などに出演。
出来なかった読み書きも次第に出来るようになり、プレシャスは感じなかった確かな想いを巡らせ始める。暗くて深い闇と苦しみから抜け出し、愛と希望と自信を持つための力強いレッスンだった。
しかし、そんなプレシャスの前に新たなる苛酷な運命が待ち構えていたのだ、、、、。
スーパースターたちがこの作品に小さな役だが登場しているのも、みどころ!
えぇ~この人マライア・キャリーだったんだ!とびっくり。
髪の毛を黒く染め、ノーメイクでの登場のマライア。ソーシャルワ―カ―、ミセス・ワイス役で登場。地味なキャラに変身したので本当に驚きました。何でも監督リー・ダニエルズとは長年の友人だそうです。
そしてこの人。ナ―ス・ジョン役には、レニー・クラヴィッツ
いやあ苛酷ですね。最後はあんなショックな問題が彼女に立ちはだかるなんて、辛い。お先真っ暗と思っちゃいますが、、、、プレシャスはその事実を受け止めて、自分の人生を一生懸命生きようと決意するのは凄いなあと思いました。
明るい終わりかたではなく、常に現実と向き合いながらのこの結末がよかったのではないかなと思います。
コーンロウズ(シェリー・シェパード)
モニーク。今回憎き母親役を非常にリアルに演じていました。数々の賞もゲット!
母親だけど、ある意味、プレシャスが手こずる我儘で、子供のような母。母の役目はまったく出来ず。むしろ自分が構って欲しいという感じ。愛情を与えるより、愛して欲しいんでしょうね。
解説(allcinemaより抜粋)
実際にニューヨークのハーレムでソーシャルワーカーや教師をした経験を持つ女性詩人のサファイアが、そこで出会った黒人の貧困家庭に暮らす子どもたちの実態を背景に書き上げた小説を、これがデビュー2作目のリー・ダニエルズ監督が映画化した衝撃のドラマ。1987年のハーレムを舞台に、読み書きがほとんど出来ない16歳の肥満少女、プレシャスが、両親による想像を絶する虐待に耐えながら生きる過酷な日常と、一人の女性教師との出会いがもたらす一条の希望を描き出す。主演は新人ながら本作でのガボレイ・シディベの演技が高い評価を受けた。共演に、こちらもその演技が絶賛され助演女優賞を総ナメにしたモニーク。
作者の実際の体験や経験があったからこそ、ここまで描くことが出来たのでしょうね。
メディア | 映画 |
上映時間 | 109分 |
製作国 | アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(ファントム・フィルム) |
初公開年月 | 2010/04/24 |
ジャンル | ドラマ |
映倫 | R15+ |
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