逃げろ!!
評価: は10点→70点
京都みなみ会館にて鑑賞。「メタル・ヘッド」鑑賞後に観ました。
「アンナと過ごした4日間」のイエジー・スコリモフスキ監督最新作。前作「アンナと~」も面白い作品だったので、本作もかなり楽しみにしていました。
びっくり!ビンセント・ギャロ扮するアラブ兵士はセリフもまったくありません。そしてひたすら逃げます。米兵はセリフあり!
荒涼な大地(アフガニスタン?)を逃げまくるムハンマドが米兵に追われるシーンから始まります。洞窟に逃げ込み、バズーカで米兵を吹き飛ばします。
ところがヘリに攻撃され、爆音で聴力を失い、結米軍の捕虜となってしまいます。あらどうなるの?
捕虜となりますが、移送中幸いにも車が横転。ここからまた逃亡劇が始まるわけです。
人を殺して車を奪い、手錠も何とか外せる。そして森の中へと逃げ込む。場所はロシアそれとも北欧らしいようです。熱い国から寒い場所に舞台が変わりました。
ここからが本作の見せ場。森で動物を取る仕掛けに挟まり、靴が台無しになったり。そのため裸足で雪の道を歩く。わあ~これ痛そう。凍傷になるかも。観ているだけで、辛そうなシーンが何度もあります。
複数の犬に取り囲まれたり、犬にかみ殺されるんじゃ?とびくびくします。チェーンソーで人を殺したりしながら、何とか生き延びるために逃亡は続く。
生きるためには食料も。アリ塚を堀り、アリを食す。アリの味はどう?木の実はOKですね。
一番びっくりしたのは、森の中を自転車に乗っていた若い主婦が休憩して、赤ん坊に母乳与えるシーン。その様子をうかがっていたムハンマドはいきなり彼女を襲い、やったことは母乳を吸うのだ。
これはちょっと笑えてしまいました。生きる延びるための選択だが、、、、。これはビックリでしたね。もちろん若い主婦も失神ですわ。
そうそう湖?で魚釣りしていたおじさんの魚もいきなりくわえ、持ち去るのもありましたね。おじさんも驚いていました。
それにしても凄いですね。ひたすら逃げるだけの映画を作るなんて。
極限状態の人間の生命力はどこまであるものなのか?というのを教えてもらっているような気がしました。
しかしそんなムハンマドも後半の最後近くでは、倒れ込みます。運よく、森の中にある明りのついた家の前で、、、、。
腹部にはかなり深い傷跡があり、家に住む女性に助けられ、治療をしてもらいます。マーガレットという名前らしいんですが、彼女は聴覚障害らしく、言葉はありません。なので2人の会話もまったくありませんでした。
監督の話によると、セリフがあることで情報が伝わってしまうので、あくまでも曖昧性を重視したそうです。
さて彼はマーガレットから白い馬をもらい、それに乗って何処かに向かうことに、、、、。
そして、、、、。突然のラストに。さてムハンマドは何処に?この終わり方にまたびっくり。この結末をどう解釈するべきか?
ムハンマドはどうなったのか?謎だらけです。
作品紹介(goo映画より)
『アンナと過ごした4日間』『早春』のイエジー・スコリモフスキ監督が、イスラエル、ポーランド、ノルウェーの3カ国にまたがるロケーション撮影を敢行した一大スペクタル巨篇。極限まで削ぎ落とした大胆な構成、未だかつて見たことのないサバイバル・アクションの連続で観る者を圧倒する。第67回ヴェネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したヴィンセント・ギャロが、米軍に追われるアラブ人兵士に扮しキャリア最高の名演技を披露。83分ただ逃げ回るだけの男を顔面の筋肉と鍛え上げた肉体のみで表現するさまは前代見聞のパフォーマンスと言える。
メディア | 映画 |
上映時間 | 83分 |
製作国 | ポーランド/ノルウェー/アイルランド/ハンガリー |
公開情報 | 劇場公開(紀伊國屋書店=マーメイドフィルム) |
初公開年月 | 2011/07/30 |
ジャンル | アクション/サスペンス/アドベンチャー |
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