ラテンビート映画祭始まる♪
評価:→(80点)入れるの忘れていた
始まりました。昨晩仕事の帰り、Tジョイ京都へ寄り道。
18:30から上映される「雨さえも~ボリビアの熱い一日」を鑑賞して来ました。
日本でもお馴染の俳優、ガエル・ベルシア・ベルナルが出演ということで話題となった作品ということもあって興味深々。
さて、内容はお堅い、社会派作品でした。
主演のお2人。 スキンヘッドの方はルイス・トサール。
う~んこの人何処かで見たような??
思い出しました!昨年のラテンビート映画祭で観た「テイク・マイ・アイズ」(2003年作品)で妻に暴力をふるう陰湿な夫アントニオを演じた方でした。本作で2004年のゴヤ賞で主演男優賞をゲットした素晴らしい俳優さんだったのです。
今回とはまったくキャラが違うので、ちょっとびっくりしました。今回は人間味溢れるコスタを好演♪ 「テイク・マイ・アイズ」の彼は本当に嫌になるようなキャラでしたよ。
それから何と監督も「テイク・マイ・アイズ」と同じ、イシアル・ボジャインだったんですね。
映画の中で映画製作。映画は歴史上の人物、新大陸の発見者 クリストバル・コロンを描いている。映画なのか?それとも現実なのか?なんてちょっと境目がわからないところもありますが、きっとこれはそういう風に描いているんでしょうね。
ハラハラドキドキするシーンあるのですが、実は映画の中だったり(笑)という風な感じですが、実はボリビアの現実をしっかりシビアに描いています。
水道事業独占
欧米企業が横暴な水道事業に着手。ただでさえ水を確保するのが困難なのに。自分たちで堀あてた井戸まで没収される。鍵をかけていた住民の前で鍵が壊され、新しい鍵に付け替ける企業。
このことで住民と企業側の闘争が繰り広げられるという状況です。
そんなボリビアのコチャバンバへ映画監督のセバスチャンとプロデューサーのコスタは映画撮影に訪れる。撮影費用の低コスト化のために、エキストラは現地住民を選ぶことに。そしてオーディション。
日当2ドルでエキストラを雇う。資金調達に四苦八苦だけにこの金額で製作コストがおとせる。ラッキーな話。
オーディション希望者が殺到、ひと悶着あるのですが、娘を出演させたいとゴネていた男、ダニエルに監督が目をとめます。
血気盛んなダニエルを見て、やめた方が良いと諌めるプロデューサー コスタ。
出資者の目を気にするコスタはダニエル採用に難色を示す。何となく物議を醸すようなキャラ。何か起こらないかと心配。
セバスチャンは彼の目には力がある!と彼を先住民のリーダー役に決めてしまう。
その予感は的中!実はダニエルは撮影の合間に水道事業の住民抗議行動の代表を務め、参加していたのだった。
ダニエル 凄い個性的な風貌。
映画の中身もキリスト教の布教活動、先住民を酷使した砂金の採取といった、スペインによる植民地化の歴史を描かれ、武力を背景にしたものです。先住民の子供を水に沈めたり、、、、。エキストラを演じる子供を持つ母親は演技だと分かっていてもセバスチャンの指示に逆らう。演技とは言え、納得がいかないようです。
映画の中では先住民の植民地への抵抗、そして現実の世界では、水道事業民営化への住民たちの抵抗。まるで2つの事が重なって描かれることで、同じ問題がクローズアップされているんですね。
素晴らしい作品だと思ったら、何と脚本はあの「麦の穂をゆらす風」等、ケン・ロ―チ監督作品で知られるポール・ラヴァーティでした。
先住民の子供たち。独特ですね。
解説
2000年初頭にボリビアで起こった水道事業を巡る攻防「水戦争」を、映画スタッフの目を通して描いた社会派ドラマ。 劇中劇でコロンを演じたカラ・エレハルデは、2011年のゴヤ賞で助演男優賞を受賞
También la lluvia(Even the Rain)