子育てについてさまざまな情報が氾濫しています。本がたくさん出ています。雑誌やインターネット上にもあふれかえっています。
しかし、ことわが子に関して、しっくりとくるものは、少ないのではないでしょうか。
例えば赤ちゃんが泣きやまないとき、どのようにしたら泣きやむか。これは難しいもので、「こうしたらいい」などという答えは、本を読んでも簡単にはわかりません。
泣きやむのは、その子、その子だからです。
私の場合、長女が夜泣きするとき、掃除機をかけると、その音になぜか泣きやみ、すやすやと寝始めました。そして、寝始めると起こさないように、細心の注意を払い、ソーとかけぶとんをかけ、「ああ、これで寝たね」とホッとする、というものでした。
しかし、このようなことは、その子、その子にあうもので、育児書には書いていません。
子育てについては、たくさんの意見や考え方があり、その意見のどれを取り入れるかは、その親に任されることになり、親はどうすべきがわからなくなってしまいます。
とくに「ヤンママ」の悩みは、つきることがなく、相談する人が身近にいない場合は深刻です。
このような状況が高じると、「育児ノイローゼ」につながるのかもしれません。
うちの子はよその子よりたいへんな子じゃないの?「こうしよう」と決めても、子どもはその通りにしてくれない。
さらに、子育てに父親が協力的でないと、母親は自信がなくなり、私の育て方が悪いからかも・・・。考えれば考えるほど母親は悩みます。
ひと昔前の日本社会のように、しゅうとめ・しゅうとと同居していれば、子守りを頼めることもあるだろうし、おじいちゃん・おばあちゃんが、特別なコツで泣く子をなだめることもできるかもしれません。
事情があり、やむなく核家族になっている家庭もあるでしょうが、夫婦だけの家族を希望して結婚した場合、子育てにおける「制約のなさ」というプラス面を味わうだけではなく、マイナス面も引き受けなければならないのです。
仕事が忙しかろうとも、核家族の場合、子育てを母親だけに押し付けるのは無理であり、父親の参加が必要です。
そもそも、子育てにおいて完璧などあり得ないのではないでしょうか。みんなが「ああだろうか、こうだろうか」と悩みながらやっていくのでしょう。
しかし、育児雑誌などには、「これが理想の子育てです」と言わんばかりに記事が書かれています。
今の時代、子育てについては理想が高いのです。ですから完璧をめざす母親は、ほんとうにつらい思いをすることになります。
子どもは言うことを聞かず、次々といろいろなことをやらかしてくれます。だからこそ、のん気に構え、夫婦が協力して、試行錯誤をしながら子育てをしていくのがいいのでしょう。
少々失敗したって大丈夫なはずです。それぐらいの気持ちで、「ああだろうか、こうだろうか」と思いながらやっていくのが子育てなんだと思います。