箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

子育ては夫婦の協力を求め、完璧を求めない

2016年06月06日 19時57分51秒 | 教育・子育てあれこれ

子育てについてさまざまな情報が氾濫しています。本がたくさん出ています。雑誌やインターネット上にもあふれかえっています。

しかし、ことわが子に関して、しっくりとくるものは、少ないのではないでしょうか。

例えば赤ちゃんが泣きやまないとき、どのようにしたら泣きやむか。これは難しいもので、「こうしたらいい」などという答えは、本を読んでも簡単にはわかりません。

泣きやむのは、その子、その子だからです。

私の場合、長女が夜泣きするとき、掃除機をかけると、その音になぜか泣きやみ、すやすやと寝始めました。そして、寝始めると起こさないように、細心の注意を払い、ソーとかけぶとんをかけ、「ああ、これで寝たね」とホッとする、というものでした。

しかし、このようなことは、その子、その子にあうもので、育児書には書いていません。

子育てについては、たくさんの意見や考え方があり、その意見のどれを取り入れるかは、その親に任されることになり、親はどうすべきがわからなくなってしまいます。
とくに「ヤンママ」の悩みは、つきることがなく、相談する人が身近にいない場合は深刻です。

このような状況が高じると、「育児ノイローゼ」につながるのかもしれません。


うちの子はよその子よりたいへんな子じゃないの?「こうしよう」と決めても、子どもはその通りにしてくれない。

さらに、子育てに父親が協力的でないと、母親は自信がなくなり、私の育て方が悪いからかも・・・。考えれば考えるほど母親は悩みます。

ひと昔前の日本社会のように、しゅうとめ・しゅうとと同居していれば、子守りを頼めることもあるだろうし、おじいちゃん・おばあちゃんが、特別なコツで泣く子をなだめることもできるかもしれません。

事情があり、やむなく核家族になっている家庭もあるでしょうが、夫婦だけの家族を希望して結婚した場合、子育てにおける「制約のなさ」というプラス面を味わうだけではなく、マイナス面も引き受けなければならないのです。

仕事が忙しかろうとも、核家族の場合、子育てを母親だけに押し付けるのは無理であり、父親の参加が必要です。

そもそも、子育てにおいて完璧などあり得ないのではないでしょうか。みんなが「ああだろうか、こうだろうか」と悩みながらやっていくのでしょう。

しかし、育児雑誌などには、「これが理想の子育てです」と言わんばかりに記事が書かれています。

今の時代、子育てについては理想が高いのです。ですから完璧をめざす母親は、ほんとうにつらい思いをすることになります。

子どもは言うことを聞かず、次々といろいろなことをやらかしてくれます。だからこそ、のん気に構え、夫婦が協力して、試行錯誤をしながら子育てをしていくのがいいのでしょう。

少々失敗したって大丈夫なはずです。それぐらいの気持ちで、「ああだろうか、こうだろうか」と思いながらやっていくのが子育てなんだと思います。