箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

Why do we come to this place, to Hiroshima?

2016年06月01日 09時39分35秒 | 教育・子育てあれこれ

先日の広島でのオバマ大統領のスピーチを聴き、私は感銘を受けました。

あのスピーチは、次のような組み立てになっていました。

【序論】
「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死の神が舞い降り、世界は一変した。閃光と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示された」

➡️71 years ago, on a bright cloudless morning, death fell from the sky and the world was changed. A flash of light and a wall of fire destroyed a city and demonstrated that mankind possessed the means to destroy itself.

このように、鮮やかに情景を描写することを、オバマ大統領はスピーチの冒頭にもってきました。

聞き手を引きつける技法として、叙情詩的描写をもってきたわけです。

それにより、人々は、オバマのスピーチに引き込まれていきました。


【本論】
そして何箇所かに挿入された「なぜ私たちはこの地、広島へやってくるのか」という問いが入っていました。

➡️Why do we come to this place, to Hiroshima?

三つの理由が、この問いに答える形で示されました。

①さほど遠くない過去に、恐ろしい武器が解き放たれたという事実を考えるために、広島へやってくる。

➡️We come to ponder a terrible force unleashed in the not so distant past.

②技術のみの発展は、使い方も同様に発展させないと、人類を破滅させるので、道徳性の涵養が求められるのです。この真実を確かめるため、広島へやってくる。

➡️Technological progress without an equivalent progress in human institutions can doom us. The scientific revolution that led to the splitting of an atom requires a moral revolution as well. 

③すべての人の命は、かけがえのないものであり、私たちは一つの人類という家族であるという考え方は絶対的に必要です。このことを伝えるため、広島へやってくる。

➡️Every life is precious, the radical and necessary notion that we are part of a single human family: that is the story that we all must tell.


【結論】
そして、スピーチの結びには、広島の子どもたちを讃えて、平和を維持することの大切さを結論づけました。

いま、この街の子どもたちは、平和に毎日を過ごしています。なんと貴重なことでしょうか。これは守るべき価値のあることであり、どの子たちにも広げるべき価値のあることです。

➡️Today the children of this city will go through their day in peace. What a precious thing that is. It is worth protecting and then extending to every child.


以上のように、スピーチが構成されていました。


それに、この場面にふさわしい、全般的に低いトーンの声で、ゆっくりと話す手法を徹底していました。これにより、冷静さと落ち着きを感じた聞き手も多かったようです。

私も学生時代に、英語のスピーチをやったことがあるので、わかります。
オバマ大統領は、やはりスピーチの達人です。


なお、箕面市では11月に箕面市青少年弁論大会(日本語による)があります。

基本的には、私が直接、生徒を指導します。
出場して、生徒が後悔するようなことはしません。

三中からお子さんを出場させたいという、親御さんがおられましたらご連絡ください。