箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

HOMEとは共感の場所

2018年06月15日 08時31分43秒 | 教育・子育てあれこれ



教師も親もですが、子どもがなにかよくないことや失敗をしたと言ってきたとき、多くの大人は説教をします。

「今日、友だちとのからかいあいから、ついカッとなって、相手に手を出した」と、告白してきました。

「前からも言ってたでしょう。腹が立っても、暴力をふるったらダメと。なぜあなたは我慢できないの」。

大人からしてみれば、子どもが同じ失敗をしないようにと思い、説教になります。

でも、子どもにしてみれば、自分が暴力をふるったことよりも、叱られることや説教されることに反応します。

しつこく言わなくて、わかってるよ。自分が悪かったと思い、打ち明けているのに。

いったんこう感じたら、おとなからのあとの言葉は入っていきません。

口うるさく言われたことしか覚えておれなくなります。

これが、説教ではなく、親から殴られたときには、もっと顕著です。殴られことしか覚えていないということになります。

子どもが本当に望んでいたのは、「からかわれて、悔しかったんだよな」(共感)と言ってほしかったことです。説教を受けることを望んではいなかったのです。

共感した後で、「だから、次からはこうしたらいいね」と言葉を発すると、子どもの心中にストンと落ちます。

これで、次からはどうするかという軌道修正ができ、今後の行動変化に期待できます。

悔しい、腹立たしいという思いでおとなに打ち明けたのに、叱られただけなら、「あんな教師には、あんな親には二度といわない」となります。

中学生なら、「次からは言わない」と隠すようになります。

だから、まずは共感なのです。あの先生なら聴いてくれる、家に帰れば安心して話せる。嫌なことがあっても、聴いてもらえる、気持ちがスッキリする。

そんな関係、そんな場所がHOMEです。HOMEに子どもは近づきたいと思うのです。