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昨日に続き、インターネットについて、私が考える影の部分の二つ目を紹介します。
それはSNSへの書き込みについてです。
ツイッターなどでは、子どもは自分の名前を名のることなく、匿名で書き込みができます。
もちろん、専門の人が調べれば、書いた子を特定することは可能です。
しかし、それは犯罪にあたるケースなど、特例的な場合だけです。
子どもは、相手に自分の名前がわからないから、自由に書き込みができます。
実際に、おとなが個人を攻撃して「炎上」したり、悪意とも思える特定の人びとを攻撃するヘイトスピーチや差別書き込みなどは、匿名が書き込みを加速させます。
こうして、中学生が匿名性を後ろ盾にして、自由に書き込みができるようになると、よく考えずに思いついたことを好きに書くことも起こります。
そして、書き込みを継続するうちに、なんでも書けると思い込み、過激な書き込みになる可能性も否定できません。
自分はなんでもできるという万能感をもつことも起こってきます。
この理想と現実の区別がつかなくなる状況を、「仮想現実」(=virtual reality)といいます。
中学生なのに、スマホさえあれば、人にたよらなくても、一人で生きていけるという錯覚をもたないともかぎらないのです。
インターネットは便利です。私たちの生活では必要となります。
しかし、子どもにとっては、しかも中学生にとっては、その影の部分にどっぷりと浸かってしまう危険もあります。
また、理想の自分と現実の自分のへだたりを大きくしてしまう危険性とあります。
よって、親や教師などのおとなの助けがないと、中学生はまだ一人では生きていけないこと、親の助けがないと困ったことになることを学ばせ、必要最小限の制約をかけ、自立に向けていくのが、子育て・教育の今日的課題であるのです。