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昨日も、けっこう多くの保護者の方が、「大人の登校日」に、来てくださり、アンケートにもご協力いただき、ありがとうございました。
「子どもと一緒に、授業を受けていた感覚でした。楽しかったです」などの感想をもらいました。
さて、先週は大阪北部地震で始まりましたが、私も学ぶことがたくさんありました。
地震当日の対応を通して、あらためて感じたこと。
それは、「現実は常に公式からはみ出す」ということです。
箕面市は防災マニュアルを出しています。
それに準じて、箕面三中も防災マニュアルを作っています。
このマニュアルは、地震一つを取り出してみても、起こりうるまざまな場合を考え、「この場合は、こうする」「その場合でも、こんな状況下では、別途こうする」など、決められています。
たとえば、授業中に地震が起きたら、すぐに教科担任は、生徒に机の下にもぐらせる。
安全が確認されたら、避難経路を通り、生徒を引率して、グランドに落ち着いて避難させる。
震度5弱の地震が起きたら、登校せず、学校を休校とする。
・・・・・・。
マニュアルは、もちろん大切ですし、必要です。これがないと、災害への対応がスムーズにできなくなります。
しかし、ここで考えておかなけれればならないのは、「現実は、常に公式からはみ出す」ということです。
だから、公式だけにとらわれてはならないのです。
実際、今回の地震の場合、登校時間の途中で起こりました。
最初こそ、登校していた生徒は、少数でしたが、その中には、クラブの朝練をしている生徒もいました。
彼女たちは、グランドでまるくなって集まり、不安そうにじっとしていて、教職員が来ると安心して、クラスの列に入りました。
そのうちに、続々と登校してくる生徒が増えてきました。
校舎には入れずに、グランドへ避難させる誘導の教職員が必要。
登校してきた生徒のなかには、かたい表情の子がいました。とっさにどうケアするか。
出欠をどう確認するか。学級担任で出勤できていないクラスは、学年教職員がクラスを掌握する。
蛍池駅から電車が動かないので、走って三中まで出勤してきた教職員が、グランドに合流しました。
その内に、雨がポツリポツリと降り出しました。
生徒を校舎の中に誘導するか、しないか。
雨をしのぐため、体育館に入れるか。すると、体育館は屋根から落ちてきた白い粉が、フロアに広がっていることが判明。
ならば、学年ごとに分散させ、安全な場所へ導くか。
保護者の迎えはあるのか、あるなら、いつ頃まで生徒をグランドに置いておくか。
これらは、すべて現場での即決が求められました。マニュアルには書いていないことも、次々に起こり、判断が私に求められました。
「こうした方がいいと思います」と私に進言してくれた教職員もいました。
すべてが適切な判断だったとは言えないこともあったと思いますが、三中の教職員は、「自分が、この役割をしなければ」と、自発的に、柔軟に動いてくれ、役割と役割のすき間を埋め合わせてくれました。
ふりかえって思いますが、マニュアルは、血を通わせてこそ、生きてきます。
血とは「一人たりとも被害にあう子を出さない。生徒の安全を最優先させる」という、教職員の強い思いです。
マニュアルどおりにいかないことに直面しても、現場での迅速で的確な判断と血の通ったマニュアルで、なんとか対応していける。
こう実感したのも、三中の生徒たちの、教職員を信頼した、落ち着いた規律ある行動と教職員の血の通った動きと対応に助けられたからです。