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過去を慈(いつく)しんではいけない。
人は、よく、過去のことを思い出します。
思い出して、「楽しかった」のはいいのですが、「あのときはよかった」と、過去を美化して慈しむのはやめておいたほうがいいようです。
現在を肯定的に見れなくなるからです。
過去の積み重ねの上にいまがあります。
「過去こそがすべてです」と、姜尚中さんは『悩む力』の中で、おっしゃっています。
だから、いまが人生でいちばんいいときなのです。
では、未来はどうか。
未来は、まだ何もないゼロの状態です。
こう考えたとき、自分が積み上げてきた過去こそがすべてです。
過去をきっちりとふりかえり、現在につなげたとき、未来が展望できます。
姜尚中さんは、そのことを言っているのでしょう。
中学生が孤独になり、自分をみつめると、内省的思考ができます。
何度か触れていますが、中学生は時には孤独になり、自分が生きてきた道のりをふりかえることには、大きな意味があります。
実際、中学生も3年生の終わり頃になると、中学3年間、または小中9年間をふりかえり、あのときのあのことがあるから、いまの自分があると思えるようになる子が多くなります。