箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

ほめるタイミング

2020年02月18日 06時16分00秒 | 教育・子育てあれこれ






私が英語科の教員として、授業を担当していたころのことです。

中学1年生の生徒で、英語は好きだけど、テストになると、なかなか点数の取れない子がいました。

勉強のしかたの相談にのったりしていました。

たしか2学期の期末テストでしたが、その生徒は80点台の後半の点数をとりました。

いつも平均点ぐらいの点数だったので、私は名前の横に、点数を記入するだけでなく、Very good.と書きました。

そのことは、忘れていましたが、大学進学が決まり、英文科へ行くと報告に来てくれました。

二人で中学生時代を思い出して話していました。

私はそのテストのことは気に留めていませんでしたが、その生徒はしっかりとおぼえていました。

「先生のVery good.があったから、今がある」と言っていました。

20点以上点数があがったときに書いてくれたVery good.が、ほんとうにうれしかったそうです。

がんばればいつかは努力が実ると思いました。

それを、先生も認めてくれたと感じてうれしく思ったそうです。

この生徒の場合、本人が英語の学習にがんばるというプロセスがあり、結果的に点数が上がりました。そのタイミングで教師が
Very good.とほめたという3つの事実が重なって、生徒の自信となったのです。

もし、Very good.がなければ、本人だけの喜びにおさまってしまったでしょう。

私は、そのように考えました。

ほめることの教育的効果はたしかにあります。

かといって、「ほめる」とはおだてて、その気にさせる行為ではありません。

事実に基づいて発することばです。

しかも、そこにはタイミングも必要だと思います。