以前に、「たっぷりと依存する経験を積んだ子は自立するのが早い」と、ブログに書きました。(2015年9月21日のブログ)
さて、ここで注意したいのは、依存と自立を対極のものとして捉えないことです。
自立していても、依存していることはあるとか、親子間でなら子どもが親に頼りながらも自立していることはあるということです。
家庭は社会や職場と違い、その人がミスや失敗をしても、許される場です。
ミスや失敗をしても、「仕方がないね」とか「次はがんばろう」で許されるのです。
ただし、ミスや失敗から目をそむけてはならないのであり、親が「そんなのは失敗ではない」とか「たいしたことない」ではなく、失敗したことをちゃんとわかっていなければなりません。
わが子がうちの家庭にいることが大切なのであり、家庭の中で認められていたら、子どもは大人になって失敗しても自信をなくさないからです。
自分を認めている人は、立ち直ることができます。
いろいろと足りない点や欠点短所はあっても、親がその子が存在する大切さを認めていると、子どもは立ち直ることができるのです。
学校の先生のなかにも、失敗した生徒を叱りつけても大丈夫な人がいます。
その先生は、失敗というその行為自体を叱っているのであり、その生徒自身を否定しているのではないからです。
家庭に話を戻しますが、子どもの失敗を失敗として捉え、それでも許される親子関係があるから、子どもは大人になったとき、自分のミスや失敗を、自分で引き受けていくようになります。
どんなことに出会っても、自分の責任として引き受けていく人になります。
責任を引き受けながらも、他者の助けがいるときには、「助けて」と言える人間関係をもっている。
それを「自立」と呼ぶのだと考えていいのだと思います。