箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

シングルマザーの悲鳴

2021年10月18日 07時10分00秒 | 教育・子育てあれこれ


学校で1クラス35人程度の生徒と接していると、表面上は見えにくいですが中にはひとり親家庭、それも母子家庭の生徒が何人かはいます。

みんなと同じように学校で生活していますが、母子家庭の実態には厳しいものがあります。

コロナ災禍の影響は、その厳しさに拍車をかけています。

母親はパートタイマーとして働き、生計を立てます。近くに祖父母などの頼ることができる人がいない母親は、1週間に勤務する日数を減らして、家事や子育ての時間に充てます。

聞いた話では、手取りの月収は10万円以下も多く、食費も抑えなければなりません。スーパーの「見切り価格」の商品を買い、月2万円以下にします。

子どもの服は安いものを選んで買い、自分の服は一切買わない。

その上、高校進学になると母親の悩みは尽きません。

入学金や授業料の調達をしなければならない。奨学金を申請する。

このような経済事情を知って、中学生の子どもも我慢をしている。

いま、「成長」と「分配」に関わって、政策が論議にのぼります。

学校の教職員は、最前線ではないですが、子どもの様子を通して、あるいは保護者との会話を通して、厳しい母子家庭の状況の現場を知ります。

このような貧困が進行するいまの我が国の庶民の現場を知り、政策が本当に困窮している人に届くようになることを切望します。