最近になってよく聞くようになった言葉に「ワークライフバランス」があります。
私生活も仕事も両方を豊かで充実したものにすることであり、働き方改革にも関連してくる概念です。
これを今の時代、国が先導して進めようとしています。そして各人の地域での生活を充実させようとしています。
そのとき、よく思うのですが、私たちのかかわるタスクというかフィールドは職場(仕事)と家(私生活)だけでしょうか。
仕事と生活をバランスよく1日の中にくみ込めていれば,充実した生き方が、ほんとうに実現するのでしょうか。
そもそも私は人が「自立する」ことを、なんでも一人でできるようになることだとは考えません。
中学生にも話してきました。
「自立」とは自分でできることは自分でするが、人には自分だけではできないこともあり、そのとき「助けて』と言って助けてもらう人間関係をもつことと考えています。
結婚するなら結婚して、子どもが生まれ、男女がはたらきながら地域で豊かな生活を送れるのではなく、地域にいる高齢者のことを気遣い、助ける側面も仕事と生活とならんで大切になります。
「助けて」と言えて助けてくれる人間関係こそがワークライフバランスの核心でないかと思うのです。
少子高齢化が進む日本社会にあって、「高齢」とか「老齢」と言う言葉が浸透してきます。
そのとき、「高齢化」とか「老齢化」を多様性の広がる社会に向かうというとらえ方をするべきでないかと思います。
できないことは、補ってもらったり、助けてもらったりする。
歩くのが難しくて車いすを使う人が段差に出くわしたときは助ける。
難聴になった人には、文字で知らせる。
高齢や老齢は体の衰えが伴います。それならば動く部分を補い合い、励ます。
このような視点を含んだワークライフバランスは、多様性社会を体現するものだと思います。