生まれてずっと大阪府の山間部に住んでいると、最近田舎暮らしをもとめて移り住む人が少しずつ増えていると感じます。
以前は、定年退職の年齢層の人が「第二の人生」を求めてやってきました。
いわば人生の「終点」として田舎へ移ってきたのです。
しかし、いまはちがいます。もっと若い年齢層の人が来るのです。
若い世代にとっての移住とは、人生の終点というのではなく、より豊かに生きるための人生の「通過点」です。
首都圏や大都市圏から地方へ移り住む人は、東北大地震後増えたように思います。
地震は、人びとに生き方を問い直す機会を与え、大都市を離れ田舎に移住する流れを加速したのでした。
田舎という土地と地元の人のことが気に入り移住をきめる人も多いようです。
ただし、山間部の田舎に長年住んでいる者として思うことがあります。
田舎はバラ色の楽園ではありません。ユートピアと勘違いしないでほしいのです。
薄れてきたとはいえ、村落共同体的な濃い人間関係の地域コミュニティのつきあいはあります。
それが煩わしいと感じる人は、移住せず、都会の方がかえって一人静かに過ごすことができます。
できるならば、何回か直接そこへ行き、地元の人と話し、四季折々どんな暮らしになるかをある程度知ってから移住した方がいいと思います。