箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

支えてくれている人がいることに気づく

2022年10月28日 06時45分00秒 | 教育・子育てあれこれ

中学校の学校行事の中でも修学旅行(3年での実施が多い)は、「3年間で最大の学校行事」と言われます。

その点で、教職員も修学旅行については、長い日数をかけ準備をして、生徒に楽しい、実りある体験をして時間を過ごしてほしいと、心を砕き取り組みます。

2泊3日で学校の友だちと連れだって出かける修学旅行は、青春時代の思い出として一生心に刻まれていくことが多く、このブログを読まれている方も修学旅行の思い出をおもちの方も多いと思います。

わたし自身も中学校の修学旅行では信州へ行きましたが、途中のバス内で歌を歌ったこと、また宿舎のレクでも歌ったことなどを、今でもイキイキと思い出します。


さて、新型コロナウイルス感染が始まり、3年目になっています。

その間、中学生の修学旅行の実施については、全国の中学校で対応はさまざまでした。

交通手段での感染懸念と考慮し、行き先を近距離に変更して実施した学校もあります。

また、修学旅行そのものを取りやめた学校もありました。

取りやめた学校の中にも、2020年度・2021年度の2年連続実施しなかった中学校もあります。

2年連続実施しなかった学校でも、2022年度には実施した学校もあります。

以下は、感染予防対策を万全にしながら3年ぶりに復活させた中学校の生徒が書いた手記です。


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 わたしの学校では、新型コロナウイルスの感染拡大により3年生の修学旅行が3年連続で中止になっていました。校長先生は「中止になったと聞いたとき当時の3年生の悲しい顔は、一生忘れないものになってしまった』といっていました。
 
 そんな状況で迎えた私たちの番。先生方は「次こそ生徒に楽しい思い出を残してあげたい」という一心から、旅行会社や旅館、タクシー、バス会社の方、カメラマンさん、看護師さんなどたくさんの人たちにお願いをして、3年ぶりとなる修学旅行を実現させてくれました。
 私は支えてくれた皆さんに感謝でいっぱいで、その協力に応えられるようさまざまなことを学び、周りの方へ「ありがとうございます」という言葉を心から伝えてきました。感動であふれたこの修学旅行を、残りの学校生活で生かしていきたいです。

(『毎日新聞』2022年10月17日の「読者の広場」への投稿から引用、一部略)

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このように、中学生はふつう考えます。

中学生になると、修学旅行がどれだけの大人に助けられて実現しているのかを知っています。

教職員をはじめ、校長(引率責任者)、旅行会社の添乗員、現地の人びと、記録用写真のカメラマン、健康・保健面でのスタッフである看護師さんなど、じつに多くの大人が協力しあい旅行を提供します。

このことに素直に感謝できる中学生も素晴らしい。さすが中学生とあらためて思います。