ジンガーソングライターの松任谷由実さんが、このたび文化功労者に選ばれました。
彼女の曲に『海をみていた午後』があります。
山手のドルフィンは 静かなレストラン
晴れた午後には 遠く三浦岬も見える
ソーダ水の中を 貨物船がとおる
晴れた午後には 遠く三浦岬も見える
ソーダ水の中を 貨物船がとおる
ドルフィンというレストランでのワンシーンを心地よいメロディとともに、人が思いつかないような言葉で描いています。
緑色のソーダ水のグラスに海を行き交う貨物船が映り込んでいる。
なんともおしゃれな描写だと、わたしは感心したことがあります。
松任谷由実さんは、受賞の喜びを次のようにコメントされています。
「洋楽の影響を受けたメロディに、日本語の美しさをあか抜けした歌詞にのせ、歌という形にまとめることを楽しんだり苦しんだりして続けてきました。
災害やコロナ禍にみまわれ、歌の役割をはっきりと自覚しました。
それは、明るさ、豊かさ、潤いを聞く人の心に送ることです。
お世話になった方、ファンのみなさんと喜びを分かち合いたいです。心からお礼申し上げます。」(大意)
ほかにもあるでしょうが、『海をみていた午後』はこのコメントを体現する真骨頂の曲だとわたしは思います。