昨日8月15日は終戦記念日でしたが、近畿地方は台風7号が縦断しました。
各地で被害が出ましたので、反戦平和のことに思いを馳せることがままならない状況でした。
いま、中学生が学校の平和学習の一環で、第二次世界大戦の戦争体験を聞きとろうとすると亡くなっておられる場合が多いです。
それでも、おじいちゃん・おばあちゃん世代の数少ない人からかろうじて聞くことができる生徒がいます。
やはり、体験者は実際に戦争を体験していますので、中学生の心に届きます。
戦争体験の聞きとりは、やがてはできなくなります。
そうなると、今も行われていますが、戦争体験をもたない人が、伝承という形で伝えていくことになるでしょう。
だから、語る側には、戦争の実相を100パーセント伝えることにこだわらなくてもいいのではないかと、わたしは考えます。
中学での平和学習はあくまで「きっかけ」です。
話を聞いて、何か一つでも心に残ることがあればいい。
あとは、中学卒業後、もっと学習を深めたい人はさらに学習すればいいです。
また、なにか平和のための活動をすることもできます。
中学校での平和学習は、畑に種をまいておく程度に、次につながるきっかけにしか過ぎないのです。
しかしながら、きっかけだからといって適当に済ませればいいというものではありません。
命を軽くみた延長上にあるのが戦争です。
命の重さは今も昔も、何一つ変わることはありません。
体験した人にどんなことが起こり。何を感じてどう行動したか。
戦争体験の伝承は、たんなる平和へのメッセージを発信するようなものではありません。
戦争の実態・実相を聴き、伝え、残していくことが、戦争伝承活動の本質です。