不安と恐れは、「死にたくない」「生き延びたい」という人間の願いに揺さぶりをかけます。
そこで、ウイルスを遠ざけたいという心理が働きます。
また、特定のものをウイルスに関連づけて考えるようになりがちです。
このようにして、新型コロナウイルスという「見えない敵」への不安が余計に高まります。
かわりに、ある人やある物を「見える敵」として嫌悪する気持ちにすりかえます。
たとえば、
お医者さんや看護師、病院勤務の人の子には近づかない!
この時期にマスクをしていない人なんてありえない!
あの人、咳をしてるよ。コロナかも!
◯◯の地域は危ない!
このように、
特定の人や地域、職業に対して「危険」「ウイルス」という偏見・きめつけのレッテルを貼ることになります。
そのレッテルを貼られた人や物を排除する言動に出ます。
だから、必要以上に不安を煽ることは、きめつけ、偏見による排除を強めるのです。
そこで、私たちには、
確かな情報を広めること、排除する言動に同調しない態度が求められます。
そして、それぞれの場所で感染を拡大しないようにがんばっている人に目を向けたいのです。
・小さな子どものいる家庭の人
・自分の体調に気をつかって暮らしている高齢者
・自宅待機を余儀なくされている人
・治療を受けている人とその家族
・医療に従事している人
・社会を支えている人
・やむをえず店を閉めている人
これらすべての人たちの心情に想いを馳せ、ねぎらい、敬意の気持ちをもつ。
そうしないと、排除の厳しい社会では、熱が出たり、咳があっても、もう少し我慢しようとなります。それが結果として感染の拡大を招くことになります。
つまり、
新型コロナウイルスによる感染症→
自分も感染するかもしれないという不安→
偏見・排除→感染拡大
このような連鎖は、断ち切らなければなりません。
いま、私たちには新型コロナウイルスに対して、「正しくおそれる」ことが求められているのです。
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